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奮起湖を発車した阿里山号3次は、標高1516mの多林駅に停車。ここから大勢のハイカーが乗ってくる。車掌さんは車内で切符の発券に大忙し。

▲ 多林駅
奮起湖から30分ほどで、訪問時点では暫定的な終点になっていた、標高1534mの十字路に到着。この間で、豪雨災害からの復旧に当たって線路の付け替えが行われたのか、真新しい多林トンネルをくぐった。嘉義から十字路まで55.3km。この先、阿里山まで16.3km残してバスに乗り換え。

▲ 十字路に到着
十字路駅にはプラットホームが無く、車両の停止位置に合わせて、ドアの位置に当たる線路間に踏み台を置いている。

▲ プラットホームはなく踏み台が置いてある
ここも交換可能駅で、隣の線路には先着の阿里山号1次の編成が留置。その前には、ここから阿里山方面の復旧工事関連の人や資材運搬にでも使っているのか、エンジン駆動のトロッコが2両。

▲ エンジン付きのトロッコが2両
カーブした線路内を奮起湖方面に、阿里山号1次の機関車のところまで行ってみた。ここまで来る人は、他にはいない。
訪問から半年後の2024年7月には復旧工事を終え、阿里山森林鉄路本線は台風等による被災から15年ぶりに、嘉義から阿里山まで全通した。その後も豪雨災害で一時不通になりながら、2026年4月段階では通常ダイヤで運行中。嘉義9時発の十字路行き(日本語の公式ホームページの時刻表では十字路駅の到着時刻が欠落している)阿里山号1次と、折り返し十字路13:21発で奮起湖に40分停車し、嘉義着16:51の阿里山号2次(1次、2次とも各駅停車)、および、嘉義10時発で奮起湖に65分停車し、阿里山14:56着の阿里山号5次と、阿里山11:50発で嘉義15:45着の阿里山号8次(5次と8次は主要駅のみに停車)の2往復が毎日運行している。自由席の中興号の運行はない。
奮起湖駅と十字路駅周辺での商売に配慮しているとみたが、嘉義から鉄道のみで阿里山日帰りは不可なダイヤ。2026年7月から、新造車両による“森里号”の運行が始まり、現在の阿里山号の車両は、将来的には新設する区間列車に転用されるらしい。

▲ 先着の阿里山号1次
駅舎のところまで戻ってきた。食堂や売店もあり、下車した乗客で賑わっている。

▲ 十字路駅舎と売店
売店で餅らしきものを買ってみた。中には甘い小豆の餡が入っていて、日本の大福餅と全く同じ。台湾で“餅”の字はクッキーなどの小麦粉を使った焼きと菓子の総称で、パイや今川焼も餅に含まれる。手にしているものは台湾では餅ではなく、麻糬や年糕と呼ばれている。

▲ 紅豆麻糬(大福餅)を買ってみた
線路のポイントは手動。切り替えが必要なときは、車掌が下車して捜査している。ここから阿里山公路に向かうには、GoogleMapではクルマの通れる道を大きく迂回するように案内してくるが、駅の阿里山側の踏切の近くから下に降りる階段に、“公車站100m”の案内が出ている。

▲ 駅から阿里山公路に降りる階段
階段を降りると、阿里山公路に出る。こちら側には、十字路車站150mの案内。

▲ 駅からここに降りてくる
阿里山から嘉義に向かう下山のバスが発車していく。通りの左側にあるのが、阿里山方面行き十字村のバス停。

▲ 十字村のバス停と嘉義方面行のバス
7329系統のA線が高鐵嘉義駅から阿里山行き、7322系統のB線が台鉄嘉義駅から阿里山行き。バス停の看板にある乗車予定のバスの発車時刻が、ホームページ掲載の時刻表より20分早い。実際には10分遅れて(ホームページの時刻よりは10分早く)来た。余裕をもってバス停に来ておいてよかった。ここからの乗車は5人だけ。阿里山号3次で十字路に到着した乗客の大半は、そのまま列車で嘉義方面に折り返すのかもしれない。

▲ 十字村のバス停
当然のことながら、到着した阿里山行きのバスは満席。運転士から現金払いで切符を買って中に入ったら、若い女性が席を譲ってくれた。謝謝。台湾の人は親切だ。この先、終点の阿里山轉運站まで、右に左に急カーブの連続する標高差600m以上の山道を25分。バスの車内で立っているのはなかなか厳しい。

▲ 阿里山轉運站(バスターミナル)
阿里山国家森林遊楽区に入るときには、入り口のゲートで入場料を支払う。下車時に運転手からもらったバス利用証明書を提出すると、外国人料金の大人300元(約1500円)が半額に。

▲ 阿里山国家森林遊楽区の入口ゲート
道なりに登っていくと現れる、森林鉄道の阿里山駅。36年ぶりの再訪だが、この駅は1999年の台湾中部大地震で倒壊した後、新しく建て直されている。

▲ 阿里山駅
阿里山の檜を使っているのか、駅舎は木造。ここからご来光に合わせて、早朝に祝山行きの列車が出る。日の出は6時40分。翌日分の発売は13時からで、まだ始まってなく、発車時刻も表記されていない。今日、日帰りで下山するから関係ないけど。

▲ ご来光列車の切符売り場
阿里山駅から本線を下った隣駅の神木と、祝山線を上った隣駅の沼平へ、昼間はそれぞれ30分間隔で列車が運行されている。運賃はいずれも片道100元(約500円)の観光地料金。

▲ 駅舎内のシェイ26号機の映像
駅舎内に飾られた写真のパネル。動態保存機のシェイ31号と26号の姿と、玉山からのご来光。雲海が見事。
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▲ 駅舎にあった写真パネル
駅舎内に、阿里山森林鉄道路線図が掲載されていた。獨立山の三重ループの部分と、阿里山周辺を拡大してみた。訪問時点では本線の十字路と神木間では、列車の運行が途切れていたが、復旧工事により2024年7月に15年ぶりに全通。
阿里山から先は、祝山までのご来光列車と沼平までの区間列車が運転されている。眠月線の祝山線との分岐点から先、石猴までの区間は、36年前の初訪問時には1日2往復運行されていたが、1999年の台湾中部大地震で不通となり、崩落箇所の修復工事が行われたものの運行再開に至らず 。今は、トレッキングコースになっているらしい。眠月線に代わる観光路線として、沼平で分岐する水山線が整備されたが、こちらも定期運行はせず、線路のある遊歩道になっている。

▲路線図全体(上)と拡大部分(下)
阿里山駅からは、神木行きと沼平行きの区間列車が交互に、概ね30分毎に運行している。まずは、沼平行きに乗車することに。

▲ 阿里山駅の沼平行き列車
5両の客車の阿里山側にディーゼル機関車を連結した編成。神木/沼平方面行は推進運転になる。

▲ 沼平←→阿里山のサボ
阿里山駅の側線に留置されているボギーの無蓋貨車。神木/沼平側に前方監視の乗務員室を有する車両もある。

▲ 前方監視員室付きの貨車
フラットカーに積んだ円筒形のタンク。用途は何だろう。

▲ ステンレスのタンクを積んでいる
山上線で使用される客車は、前後に折戸のあるロングシート車。吊皮が固定されていないので、偏った位置に集まっている。側窓は上部だけが引き違い式で開く。冷暖房はない。

▲ 客車の車内
神木/沼平側の先頭と2両目の客車には、進行方向左角に前方監視のための乗務員室がある。阿里山号の阿里山側の先頭車のような、後部に連結した機関車を制御する運転装置は持っていない。

▲ 先頭客車の前方監視員席
前方監視室から貫通扉を挟んだ隣の妻面には窓がないが、阿里山号と違いトイレは設置していない。

▲ 留置されていた客車の編成
列車は右に左にカーブしながら、機関車の後押しで坂を上っていく。

▲ 阿里山−沼平間
阿里山から1駅、7分で標高2274mの終着、沼平駅に到着。

▲ 沼平駅に到着

▲ プッシュプルの編成
ここまで押してきたディーゼル機関車DL41号の運転室。JRのDE10のように、横向きに座って運転する構造。

▲ ディーゼル機関車の運転室
ホームから見える側線には、3気筒の静態保存機、シェイ24号が留置。

▲ シェイ24号機
後部には運材貨車を連結している。ボギーの木造無蓋車で、木曾森林鉄道のような2両の2軸の運材車の間に材木を橋渡しにする方法とは異なる構造。
▲ シェイ24号機の後ろ姿と運材貨車