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台北駅から出発

台湾2日目は朝から台北駅へ。朝の東部幹線順行(右回り)、東海岸南部に位置する台東行の列車は混雑するのか、時刻表に台北発7:30の408次自強3000には“臺東民眾實名優先購票班次”の、7:55発の410次自強3000には“花蓮民眾實名優先購票班次”の表示があり、該当する台東や花蓮のIDナンバー(台湾版マイナンバーでしょう)所有者は、4週間前の発売開始の3日前から先行予約ができ、一般客は4日目以降から購入可能となるらしい。

乗車するのは11月の平日なので、発売と同時に売り切れることもないが、408次は下車予定の池上に停まらないため、410次を台鉄の日本語ホームページから購入。

▲ 閑散とした朝の台北駅構内

朝の台北駅は空いていた。床掃除の車両が走り回っているが、側面に描かれたこんな配色の電車って、台湾にあったっけ。

▲ 床掃除中

台鉄と西武グループによる、総合事業友好協定締結の広告。中央にラビューがいるが、伊豆箱根や近江鉄道も一緒に掲載されている。

▲ 台鉄と西武のコラボ

改札の上の発車案内には、北上に7:55発の410次が新自強と表示。2021年にデビューした自強号の最新型、日立が輸出したEMU3000型を使用する列車だが、時刻表には“自強3000”と記載し、駅の案内では“新自強”。

▲ 改札口と発車案内

自動改札機の横の有人通路に見かけないICカード読み取り機と、TPASS地方社福卡の表示。JR東のSUICAに相当する以前からあるICカード、悠遊卡との違いを調べてみたら、台北や高雄などのエリアごとに、あらかじめ決められた金額を支払うことで、台鉄やMRT、バスなどの公共交通機関が30日間乗り放題となる、共通の一か月定期のようなものらしい。外国人がTPASS地方社福卡購入するには居留証が必要となるので、我々外国人観光客には無縁の存在。

▲ TPASSの読み取り機

MRTの自動改札機はTPASSに対応しているようだが、台鉄は未対応らしく、有人通路に専用の読み取り機を置いている。


新自強号で池上へ

ホームの案内にも“新自強”の表示。2020年末に完成した南廻線の電化のあと、ディーゼルカーの自強号や客車列車の莒光号の置き換えのため、2021年より大量に導入されている日立製のEMU3000型。410次は台北の隣駅、松山を発車すると次は東海岸中央部の主要都市の花蓮まで、2時間停まらない。

振り子式の太魯閣号や車体傾斜式の普悠瑪号に途中停車駅を設け、これらの装置を持たない新自強号をノンストップとすることで、並行ダイヤとしている。北廻線が太平洋岸に出ると、沖合にに浮かぶ亀山島の姿。

▲ 車窓の亀山島

蘇澳新から先の花蓮までは、1970年代後半から80年代の開通で比較的新しい路線だが、その後の複線化や電化によって路線の付け替えが行われた区間もあり、車窓からコンクリート橋の廃線跡が見える。

▲ 橋梁の付け替え跡

ほぼ満席だった410次新自強だが、花蓮で大半の乗客が下車。

▲ 花蓮駅

空いてきたので車内を見学。日本製ということもあってか、座席背面のテーブルにJRによく似た各車両の案内が貼ってあるが、8両の太魯閣号や普悠瑪号に対し、新自強号は12両の長い編成。

▲ 編成の案内

座席は2+2の回転式リクライニングシート。

▲ 新自強号7号車

座り心地はしっくりこなく、イマイチと感じた。日車製の普悠瑪号のようなフットレストもない。

▲ 座席はイマイチ

指定された席のある7号車には前方に車掌室。車内に車いす等のフリースペースがあり、右側のドアには哺(集)乳室の表示。仕切りのドアの外、デッキ側に車いす対応のトイレ。

▲ 車いすスペースと授乳室

こんなところに点字で座席番号を記載しているのは親切。

▲ 点字で座席番号

充電用の端子は、前の座席の下のわかりにくいところにある。

▲ 座席下の充電口

隣の6号車はグリーン車相当の騰雲座艙。騰雲は、清の時代に開通した台湾の1号機関車の名称。花蓮で積み込んだのか、騰雲座艙に付いてくる、フードとドリンクサービスの準備をしている。

▲ 騰雲座艙にフードとドリンクサービスのワゴン

騰雲座艙の座席配置は2+1だがフットレストもなく、ビジネスクラスよりプレミアムエコノミー程度と見受けた。

▲ 騰雲座艙

花蓮から先の台東線には単線区間が多く、玉里で台東から台北方面行の新自強号と交換。側面は白一色かと思ったら、ドアの上に赤いアクセントのラインを発見。

▲ 新自強号と交換

新自強号の最高速度は130km/hらしい。

▲ 快調に飛ばす

台湾の東側は急峻な山から流れ下る川が多い。

▲ 川を渡る

車窓の墓地。台湾では沖縄と同様に、小さな家のような形をしている。

▲ 墓地

北回帰線を越えると熱帯となり、沿線は台湾の米どころ。11月下旬になると稲刈りの終わっている田んぼも。

▲ 収穫時期を迎えた水田

 

池上駅到着

台北から3時間半弱の池上で下車。新自強号のEMU3000型は、台鉄では少数派の運転室扉のある車種。でも、車掌さんはドアの開閉には、車掌室のある7号車の乗客用扉を使っている。この車両のドア上のラインは緑。

▲ 車掌さんは7号車でドアを開閉

池上を発車して行く新自強号。

▲ 池上を発車する新自強号

池上駅の側線には、保線用なのか無蓋貨車が並んでいる。

▲ 側線には貨車が留置

木造の近代的な駅舎の池上駅。

▲ 池上駅

入口の両脇に立つ、台湾の米どころ池上のゆるキャラはお米の男の子と女の子。

▲ お米のゆるキャラ

駅前の通りにある4輪のレンタサイクルは電動自転車。前回、高雄で乗ったが、ペダルはついていても漕ぐ必要はなく、バッテリーを電源にモータで走る。

▲ 4輪の電動レンタサイクル

こんな電動カートもあるが、いずれもナンバープレートは無く、運転免許なしで公道を走れるのが日本とは違うところ。

▲ 電動のカート?

スピードは出ないけど、こんな乗り物が駅前のメインストリートをウロウロ。

▲ ナンバープレートの無いクルマが公道を行く

駅の正面の通りを歩いて数分のところにあるのが目的地。

▲ 池上駅前通り