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仁川名物チャジャンミョン

仁川名物といえば、中国のジャージャー麺の韓国版、チャジャンミョン。立ち寄らなかったけど、中華街のチャジャンミョン通りには博物館まであり、仁川は韓国の国民食となったチャジャンミョン発祥の地。自由公園への階段近くにある、この店の前に立つ人馬は、中国西安の兵馬俑?

▲ チャジャンミョンの有名店

麺と黒褐色のチャジャンソースが別々に出てきて、

▲ チャジャンミョン

よく混ぜ合わせていただきます。キムチではなく、タクアンが付いてくるところは、日本人の置き土産か。

▲ よく混ぜ合わせる

中華街から中華門を抜けて仁川駅前へ。行き交うバスには、仁川でもEVをよく見かける。

▲ 仁川のバスもEV

中華門の向かいにある仁川駅が始発の、

▲ 京仁線の仁川駅

1号京仁線の電車に乗ってソウルの永登浦へ、ホテルに戻ります。珍しく、この駅にはホームドアがなく鉄柵のみなので、電車の姿がよく見える。

▲ 1号京仁線の電車

大陸サイズの車両なので、JRより車体幅が広く、吊り手の長さを交互に変えている。床に貼ったピンクの四角形は、シルバーシートとは別に、1両に2席ずつ設けた妊婦席の表示。

▲ 1号京仁線の車内


KTXイウムで東海岸の正東津へ

韓国4日目は、前日に買いなおした切符を持って早朝から遠出をすることに。全部で5枚もあるのは、広域電鉄を除く韓国鉄道公社の路線では、乗車する列車ごとに切符を購入するシステムのため。券売機ではJRによく似たカードサイズの切符が出てくるが、窓口で購入すると縦長で、スーパーマーケットのレシートのようなペラペラの紙。

▲ 5枚のチケット

ホテルの朝食時間に間に合わないので、コンビニでキンパとおにぎり、サンドイッチも仕入れてから1号京釜線でソウル駅へ。広域電鉄を除く中・長距離の列車は、全車が指定席になって、駅の改札が廃止された。

韓国初の高速列車、KTXはフランスTGV。両端の電気機関車が中間の連接式客車を挟む編成だが、客車が8両の本家と違い18両の長い編成では出力が不足するのか、客車の機関車側の台車にもモーターを装備している。一般席はTGVと同様に座席が回転できず、半数は後ろ向きで狭くて窮屈。できれば避けたい列車。

▲ ソウル駅のKTX

続いて入線してきたのが、韓国が開発した第二世代の高速列車KTX-山川。両端の電気機関車で中間の連接式客車を挟む方式はKTXと同じだが、客車が8両と短く、2編成併結する列車には途中駅で分割して行先が分かれる運用も。一般室も座席が回転できるように改良。2日前に乗車しようと切符を買っていたが、ムグンファ号の脱線事故で京釜線とKTX京釜線が不通となり断念。同じ路線で運行する別会社のSR社では、山川をマイナーチェンジしたSRT-ダリアンを運用しているが、見た目はの違いは青い部分の塗色が赤紫になった程度。

▲ KTX-山川

この日にソウル駅から乗るのは、在来線の改良が完成した中央線に2021年に登場した高速列車KTX-イウム。高速列車では韓国初の動力分散式、電車方式で連接車ではない普通のボギー車の6両編成。中央線の途中から分岐する形で、平昌冬季オリンピックに合わせて開業したKTX江陵線はKTX-山川で運行していたが、KTX-イウムに置き換え一部は嶺東線の東海まで乗り入れを開始。

▲ 東海行KTX-イウム

KTX江陵線の江陵行きは概ね1時間間隔で運行しているが、東海行の定期列車は週末は増発されるものの平日は1日わずか4本。夜が明け始めたソウル駅の一番端、14番線に停車中の7時01分発東海行KTX-イウムに乗車。デッキに折り畳み式の補助椅子があるのは、KTX-山川と同じ。

▲ デッキの補助席

2+2の座席配置の一般室。一部の車両には車いすスペースも。

▲ KTXイウムの一般席

全席が回転するリクライニングシートで、座席ごとにある窓は日本の新幹線より大きい。

▲ KTXイウムの一般席

フットレスト付きの座席の背にあるテーブルは、TGVのような下から引き上げるタイプ。その前のポケットはQi対応のスマホを入れておくと充電できる。ポケットの側面にはUSBの充電端子があり、下には電源のコンセントも。

KTXやKTX-山川のような2+1配置の特室はなく、1号車が2+2ながら多少ゆったりとした優等席。プレエコのようなものか。

▲ スマホ充電ポケット

ソウル駅発車時点では乗客はまばらだったが、のんびりと20分かけて到着した清凉里で大勢の乗車があり、次の上鳳でほぼ満席に。天井の液晶モニタでは、韓英中日の4ヶ国語で案内が表示されるが、日本語は駅名のハングルをカタカナに書き直しただけ。漢字表示の中国語の方がまだよく理解できる。

▲ 日本語の案内も

日本の新幹線なら乗客が朝食の弁当を開ける時間だが、周囲で誰も食事をしていない。もしかしてと思ってスマホで検索したら、コロナ感染防止のため車内飲食禁止がヒット(乗車日時点では解除されていたことを後で知る)したので到着までお預けに。

清凉里から先はスピードアップ。スマホの速度計では、在来線を改良した中央線では200km/hまで。駅通過時には130km/h程度まで減速することも。西原州でKTX江陵線へ分岐。

▲ 中央線が分かれていく

KTX江陵線は250km/h対応とのことだがトンネルが多く、測定できた範囲では200km/hで走行。冬季オリンピックの平昌などいくつかの駅に停車して、

▲ 冬季オリンピックの平昌

左に大きくカーブして江陵に向かう単線が分岐していくと、右にカーブして、

▲ 江陵へ向かう線路が分かれる

江陵から来る単線の在来線、嶺東線に合流。

▲ 嶺東線と合流

車窓の日本海の海岸には、北朝鮮工作員の侵入を阻むためのフェンスと鉄条網が延々と続き、監視小屋が点在。

▲ 日本海の鉄条網

それらが途切れたところの正東津で下車。この駅は、1990年代の韓国名作ドラマ“砂時計”のロケ地で知られるようになったらしい。ソウルからここまで1時間15分程度。清凉里からは1時間を切っている。

▲ 正東津で下車

正東津を発車し東海に向かうKTX-イウムの後ろ姿。背後の山の上に乗った船はホテル。

▲ 発車していくKTXイウムの後ろ姿

正東津に来たのは2回目で、12年前に清凉里から改良前の中央線、太白線経由のムグンファ号に乗ってきたときは、距離も長いが6時間半を要した。

▲ 2008年はムグンファ号で正東津に来た

正東津駅は、ギネス登録の世界で一番海に近い駅。海に近い駅は他にもいくらでもあるが、クレームがなければ言ったもん勝ち。ホームの海側に並ぶ彫像。

▲ ホームの彫像

とりあえずはホームのベンチに腰をかけ、日本海を眺めながらソウルのコンビニで買ってきたキンパで朝食。

▲ キンパの朝食

ホームから海側の一段低いところに、前回にはなかった複線の線路が敷かれている。標準軌だが、上り線と下り線の間隔が異常に狭く、枕木の間隔が広い。

▲ 海岸の線路

この線路、駅のホームからまだ先の方まで続いている。

▲ 線路は先まで続いている

ホームの端には、色灯式の出発信号機に加えて、2基の腕木式信号機が保存されている。

▲ 腕木式信号機

2面3線のホームと駅舎の間に跨線橋はなく、遮断機のついた構内踏切を渡る。その横には石造りの蒸機機関車を設置。鉄道関係者が監修しなかったのか、テンダを忘れているぞ。機関車の側面のハングルをGoogleLensで翻訳すると、“列車と松の木”。

踏切横の“6:58”の表示は列車の時刻ではなく、“本日の日の出時刻”。すでに廃止されたが、ソウルの清凉里から運行されていた夜行のムグンファ号に乗って、日本海からの日の出を見るために訪れる人もいたらしい。

▲ 駅の構内踏切

警報音が鳴って構内踏切の遮断機が下り、江陵行きのローカル列車が入線してきた。

▲ ヌリロ号が到着

2009年に日立が輸出した、4両編成の電車"ヌリロ"号。将来的には、これで客車急行のムグンファ号を置き換えるといわれたが、結局8編成32両にとどまる。以前にはソウル駅から乗車したこともあるが、今では江陵−東海間をはじめローカル輸送に専任。その技術は国産化し、ITX-セマウルやKTX-イウムに引き継がれているのかも。

▲ 江陵行き各駅停車

ホームから構内踏切を渡ると、14年前と同じ小さな平屋建ての正東津駅舎。

▲ 正東津旧駅舎

でも、その先に隣接して新しい駅舎ができている。

▲ 駅前広場 右側が新しい駅舎

駅前広場にはカフェもでき、青いブースは韓国鉄道公社直営らしいレールバイクのチケット売り場。ホームの裏の線路はこれだったのか。4人乗りが₩35,000、2人乗りが₩25,000で、ソウルからここまでのKTX-イウムの運賃₩28,300、帰りのムグンファ号の₩15,800に比べ、なかなかいい値段。

▲ 駅前広場のカフェとレールバイクのチケット売り場