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昌慶宮から宋廟へ

大田に行けなかったので時間が余ってしまった。鉄道公園のベンチに座ってネット検索。ソウルにある5ヶ所の古宮(もと王宮)のうち、まだ昌慶宮を訪れていなかったような気がしたので、メトロで行ってみることに。6号線で都心方面へ、途中で無人運転の小さな2車体連接車の軽電鉄の地下路線、牛耳新設線に乗り換え1駅、さらに4号線に乗り換え恵化で下車。地下鉄アプリに頼らなければ動けない。

▲ ソウル大学病院

近道をするため、ソウル大学病院の構内を横断。医学博物館になっているネオバロック様式、時計台のあるレンガ造りの建物は、朝鮮王朝末期の建築らしい。

▲ レンガ造りの医学博物館

一山超えてやっと昌慶宮の入口となる正門、弘化門にたどり着いたが、人が全然いないと思ったらチケット売り場が閉まっていた。月曜は定休日、またやってしまった。

▲ 昌慶宮の弘化門

近くで月曜も開いているところはないか検索すると、昌慶宮に隣接する宗廟は火曜が定休日。平日の見学はガイドツアー限定だが、ちょうどいい時間に日本語ツアーがあるので行ってみることに。日本でも放映された、韓国のテレビドラマのロケも行われたところらしい。

▲ 宋廟公園の紅葉

昌慶宮と宗廟は道路一本隔てて隣接しているのだが、双方とも都心に広大な敷地を有し、互いの入口が遠くて歩くと20分以上を要する。やっとたどり着いた宗廟の外大門の前は、広い宗廟公園になっていて紅葉が美しい。

▲ 宋廟公園の紅葉

▲ 宗廟の外壁

窓口では、韓英中日の中から言語を指定してチケットを購入するシステム。入場時刻になるまで宗廟公園をブラブラ。

▲ 宋廟外大門 右端がチケット売り場

言語別に指定された時刻になると、ガイドが迎えに来て外大門から宗廟の中へ。

▲ 時間指定のチケット

この回の日本語ツアーは、チマチョゴリの女性ガイドが5名の日本人を引率。この時期は紅葉が綺麗な廟内を、ガイドについて順番に見ていくことに。

▲ 日本語ガイドの女性

宗廟は朝鮮王朝の歴代の王と王妃の位牌が祀られていて、ユネスコの世界文化遺産。石畳の真ん中の一段高くなっているところは王の通るところ。

▲ 石畳の中央は王の道

香大庁は宗廟で行う祭礼のための準備室。

韓国文化財庁の日本語ウエブサイトから引用すると、“香大庁は香庁と執事庁で構成されている建物である。香庁は祭祀の前日に王が宗廟祭礼に使用するために直接下賜した香・祝文・幣帛など祭祀礼物を保管する所で、執事庁は祭祀をつかさどる執事官たちが待機して斎戒する所だ。香大庁の二つの建物の間に南北に長い庭が造られている。縁側の前には沓脱石を長く設置し、多くの人が出入りしやすくした。”となっている。

ガイドもそのような説明をしていたと思う。

▲ 香大庁

▲ 香大庁

次は、塀に囲まれた中に斎宮がある。

▲ 宗廟斎宮の外壁

同ウエブサイトでは、“斎宮は王が王世子とともに祭祀を行う準備をした所である。庭を中心に北側に王が祭礼の準備をした御斎室、

▲ 北側の御斎室

東側に王世子が祭礼の準備をした世子斎室、

▲ 東側の世子斎室

西側に御沐浴庁があり、塀で囲まれている。王と王世子は斎宮の正門から入って、斎戒沐浴をし、衣冠を着装した後、西夾門から出て正殿と永寧殿の東門から入って祭礼を行った。”と解説している。

▲ 西側の御沐浴庁

次に向かったのが、歴代王室の神主が祀られている正殿。ここも周囲を塀で囲んでいるが、その外にある正殿の模型を使ってガイドが説明。

同ウエブサイトでは、“正殿は王と王妃の死後、宮廷で三年の喪を行った後、その神主を移して祀るための建物である。正殿の庭に入る門は三ヶ所にあるが、南門は神門で魂魄が出入りする門だ。東門からは祭礼の時の祭官が出入りし、西門からは楽工、踊りを踊る佾舞員が出入りする。正殿には朝鮮を建国した太祖、在位中の王の4代先祖、歴代王の中で特に功績が大きい王と王妃の神主を祀った。

▲ 宋廟正殿の模型

正殿は内部に祀る神主の数が増加するに従って三回にわたって東側に増築した。建物の前にある横109m、縦69mの広い月台は正殿の品位と荘重さをよく現わしている。

▲ 正殿神位奉安図

月台の真ん中には神門から神室につながる長い神路が南北に伸びている。祭官と執礼官たちは月台に立ち並んで祭礼を行う。母屋である神室の両側には倉庫と付属室を設けた。荒い石畳が敷かれている月台とこの上に重みのある屋根を支えている姿は崇高で古典的な建築美の極致を成す。正殿は国宝に指定されている。”と解説。

訪問時には正殿は修復工事中で、このような残念な姿。

▲ 正殿は修復工事中

正殿の外壁に沿った道を永寧殿へ。

▲ 日本語ツアーは他に4人

紅葉が綺麗。

▲ 宗廟内の紅葉

王室神主が祀られている別廟の永寧殿も、周囲に塀を巡らせている。

▲ この中が宗廟永寧殿

同ウエブサイトによると、“1421年(世宗3年)に定宗の神主を正殿に祀ることになって正殿の神室が足りなくなって、正殿に祀っていた神主を他の所に移して祀るために新たに建てた別廟である。その名前は‘王家の先祖と子孫が共に永く平安であるように’という意味を込めている。永寧殿は神主を正殿から移して来たという意味で祧廟とも呼ばれる。

▲ 宗廟永寧殿

施設と空間形式は正殿一帯と似ているが、正殿より規模が小さく、より親近感を感じるように建てられた。”との解説。

▲ 宗廟永寧殿

日本語ツアーはわずか5人だったけど、英語ツアーはこの賑わい。コロナ明け前の2022年の秋時点では、まだまだ訪韓する日本人が少なかったことがうかがえる。

▲ 英語のガイドツアーはこの賑わい

出口へ戻る道、紅葉のトンネルの向こうに外大門が見えてきた。

▲ 宋廟外大門に戻る道

香大庁の向かいにある池を過ぎれば外大門で、1時間のガイドツアーは終了。正殿は修復工事中だったが、廟内では紅葉も見られてなかなか良かった。

▲ 外大門近くの池


国立中央博物館

次にどこへ行こうかと、宗廟公園のベンチでネット検索。そうだ、国立中央博物館には京都太秦広隆寺の弥勒菩薩にそっくりな半跏思惟像が2体あり、交互に展示されているとのこと。地下鉄アプリで検索すると、鐘路3街から1号線で龍山へ、広域電鉄京義・中央線に乗り換え二村を提案してきた。

龍山は、一部のKTXやITXセマウル号の始発駅にもなっているソウルの主要駅の一つ。広域電鉄線だけでもホームが3面6線もあり、京義・中央線の乗り場を探している間に電車が出てしまい、次は何と15分後。

▲ 国立中央博物館

二村駅から博物館が遠い。途中にメトロ4号線の二村駅があり、勝手知ったるソウル駅で4号線に乗り換えれば良かった。

やっと着いた国立中央博物館では、ハプスブルク展を開催中。

▲ ハプスブルク展を開催中

ウィーンで博物館や美術館は訪れているので、わざわざソウル見なくてもと思い、博物館から南山ソウルタワーや、

▲ 南山のソウルタワーを望む

紅葉の向こうの高層ビル群を眺め、

▲ 紅葉の向こうに高層ビル

池の周りを散策して、

▲ 称慶記念碑

石造物庭園で、新羅の石塔を見たあと、

▲ 石造物庭園

同じ敷地内にある、国立ハングル博物館に立ち寄ってから引き揚げた。後で調べたら、半跏思惟像がある常設展示は、ハプスブルク展とは別の入り口だったらしい。国立中央博物館へは、また次回に出直すことに。                                                                                                                                                   

▲ 国立ハングル博物館