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旅の車窓から

韓国 ソウル・仁川・正東津・汾川

韓国鉄道の旅 ソウルの花郎台鉄道公園・義王の鉄道博物館・仁川の月尾海列車・KTX-イウムに乗って正東津・東海サンタ列車とV列車・ソウルのもと大統領官邸青瓦台にご案内します。


ANAのマイレージで韓国へ

2020年にANAマイレージで、羽田→ソウル金浦、ソウルで3泊してから、ソウル仁川→関空、京都で1泊してから伊丹→羽田の特典航空券を発券していたが、コロナ禍でキャンセルに。

それから2年と数か月。日本より一足先に韓国が、2022年8月よりネットからのK-ETA(米国のESTA電子渡航認証システムの韓国版)取得を条件に、ビザ免除措置を再開(23年4月から日本人にはK-ETAも一時免除)。10月からは韓国入国1日以内のPCR検査義務付けを停止(23年3月に廃止)。

帰国便搭乗72時間以内のPCR検査陰性証明を不要とする日本の水際対策緩和もあり、韓国渡航の障害が取り除かれたのに気づいたのが10月中旬。

それから韓国へのマイルの特典航空券を探したが既に出遅れで、厳冬期を迎える前のANAの韓国便は全部キャンセル待ち。11月上旬の、往路は朝のANA便で羽田から関空へ、同じスターアライアンスのアシアナ便に乗り継ぎソウル仁川。復路はソウル金浦から羽田へのアシアナ便を何とか確保。

運賃は無料でも、国際線で必要となる燃油サーチャージが、2年半前に比べ大幅に値上がりしている。ホテルはソウルの中心部や郊外と空港の両方へ足の便を考え、ソウル駅から広域電鉄で15分のヨンドンポ(永登浦)の東横インに4泊することに。

韓国鉄道公社の路線図は、ネット上の https://korea.tabitabi-asia.com/ から借用し、一部の駅を追記。これには、首都圏電鉄の多くの路線は掲載されていません。

※ 最終ページの末尾にそれぞれリンク先を設ける予定です。詳しく知りたい方はご利用ください。


関空乗り継ぎでソウル仁川

2023年5月のコロナ明けのまだ半年前の2022年11月上旬、羽田7時15分発のANA93便で関空へ出発です。東京湾に別れを告げ一路西へ。

▲ 羽田を離陸したANA93便

富士山はうっすらと雪化粧。

▲ ANA93便から見た富士山

ほぼ定刻に関空に到着し、アシアナ便への乗り継ぎは3時間。久しぶりの関空国際線だが、2022年11月段階では昼間の国際線は近距離のアジア便だけで、その中でも半数が韓国便。

▲ 国際線の乗換案内

空港内の大半の店舗がまだが閉鎖中だったが、朝着いた各社の便が折り返す出発便の時刻が重なり、人手の足りない保安検査場だけは長蛇の行列で大混雑。

アシアナ航空の関空-仁川便は、LCCなみに小さな機体のエアバスA320。

▲ 関空から仁川行きOZ111便

座席にモニタもなく、JALやANAでも韓国便ではロクな機内食は出なかった記憶があるが、アシアナはビールも積んでいないとは、サービスのレベルも落ちたもの。乗客をざっと見回したところ、一足先に海外旅行が再起動した韓国人が8割で、日本人とその他が1割程度ずつ程度かな。

▲ OZ111便の機内食はこれだけ


仁川国際空港からソウル市内

仁川国際空港に到着し、検疫では出発前に検疫情報事前入力システム(Q-CODE)に必要情報を登録して発行したQRコードを提示。イミグレもすんなり通過して荷物をピックアップ。

第一ターミナル地下の空港鉄道A'REXの駅に降りるエスカレータに、“磁気浮上鉄道(Maglev Line)”は上の表示。7年ぶりに訪れた韓国では多くの新規鉄道路線が開通しており、仁川空港磁気浮上鉄道もその一つ。空港島内に6駅、5km余りの路線で、無人運転の浮上式低速リニアモーターカー。愛知のリニモの韓国版のようなものらしく、運賃無料。

2013年開業予定がトラブル続きで3年遅れ、コロナ禍で営業を朝と夕方のそれぞれ1〜1.5時間のみに短縮。2022年7月から年末まで、車両整備の遅れを理由に運行を休止していたため乗れずに残念。その後もバス代行を続けたまま復活せず、結局2023年9月1日で運行を終了したのだとか。

▲ 磁気浮上鉄道は↑ 空港鉄道は↓

空港内のコンビニでタッチ式ICカードのT-monyカードを買い、前回の残りの韓国ウオン₩をチャージ。空港鉄道A'REX でソウル市内へ向かうことに。

一時期は仁川空港駅まで、韓国新幹線KTXも乗り入れていたが、今はソウル駅までノンストップの直通列車と各駅停車の一般列車だけの運行。ノンストップと各停で乗車ホームも改札も分かれている。今回は、ソウル駅まで行かずに途中駅でメトロに乗り換えるので、T-monyカードをタッチして一般列車のホームに入場。

▲ 空港鉄道一般車の改札

4扉ロングシートの各駅停車のホームにはホームドアがあるけど、2扉クロスシートの直通列車の方にはホームドアがない。

▲ 一般列車のホームの向こう側が直通列車のホーム

韓国鉄道公社の広域電鉄やメトロ、空港鉄道等の各社をまとめた首都圏電鉄では、ホームドアの整備がほぼ完了しており、しかも天井まである背の高いガラス張りのため、ホームで車両の写真が撮れない。

ソウル行きのA'REX 一般列車の車内では、スーツケースを持っている乗客が目立つものの、途中駅での乗降も多く、通勤電車そのもの。日本もそうだったが、コロナ禍の開けていない2022年秋の時点では、乗客の皆さん車内ではきちんとマスクをしている。

A'LEX 一般列車の車内

車内の両端の扉と連結面間の3人がけはシルバーシート。それ以外にドアの脇に1席ずつ1両に2席、持ち去られないようにか紐のついたA'REX のマスコット人形が座っている赤い席は“妊婦優先席”。足もとの床にピンクのシートを貼り、韓英日中の4か国語で明記しているのは、シルバーシートにはない念の入れよう。

2022年の特殊出生率が、日本の1.26に対して0.78と少子化がより深刻で、将来は国家消滅の危機も囁かれる韓国ならではか。

▲ 赤い妊婦専用席

金浦空港駅で乗り換えたソウルメトロ5号線の車内。以前はステンレス製のクッションのないピカピカのシートだったが、この車両の座席はFRPにビニールシートを貼っている。

▲ メトロ5号線の車内

メトロや広域電鉄にも、1両に2席の妊婦優先席ができていたが、座面の色を変えているだけで縫いぐるみは座っていなかった。ラッシュ時の満員電車を除けば、シルバーシートや妊婦席は空けてあることが多く、日本より韓国の方が車内マナーの良さを感じた。

▲ ピンクは妊婦専用席

メトロ5号線の新吉駅で下車。今日から4泊は日系ホテルの東横イン永登浦(ヨンドンポ)。チェックイン後、翌日からの切符を買いに韓国鉄道公社の永登浦駅へ。

▲ 東横イン永登浦に4泊


永登浦駅から市庁

駅に向かう大通りを行き交う路線バスがすっかり様変わり。次々と電気バスがやってきて、日本と同様に中国BYDも進出しているそうだが、ヒョンデ(現代)やエジソンモーターズなどの韓国製電気バスが主力。現代には水素燃料電池車もあるらしい。

日本では見かけなくなったが、屋根上に大きなボンベのカバーのある圧縮天然ガス車も多く、従来のディーゼル車はもはや半数程度。

▲ エジソンモーターズと現代の電気バス

韓国鉄道公社の主な列車種別は新幹線相当の高速列車KTX、特急相当のセマウル号(客車)とITX-セマウル号(電車)、急行相当のムグンファ号(客車)とヌリロ号(電車)。各駅停車のトングンヨルチャ(通勤列車)は、今では湖南線の区間運転にわずかに残るのみ。準急相当のトンイル(統一)号は2004年、普通列車のピドゥルギ号は2000年に廃止済み。

ソウルと釜山を結ぶ京釜線と、メトロ1号線に直通する広域電鉄1号(京釜)線の永登浦駅は、駅ビルにロッテ百貨店も入る大きな駅。ソウル駅に発着する高速列車KTXも在来線を走行する区間にあたり、この先で高速新線に上がるKTXは通過するが、テジョン(大田)まで在来線で行くKTXと大半のセマウル号やムグンファ号が停車する。

▲ 永登浦駅の切符売り場 右に券売機 左は出札窓口

切符売り場には券売機もあるが、駅名をアルファベットで書いた紙を出札窓口で見せ、翌日の永登浦→大田のITX-セマウル号と、折り返し大田→ソウルのKTX-山川を購入。復路は、ソウル側のターミナルがスセ(水西)になるが、同じKTX-山川を使用する格安高速列車SRTの方に乗ってみたかったが、安くて人気があるのに外国人はネットで事前購入ができず、窓口では既に満席。

▲ 翌日の永登浦→大田のitxセマウルと大田→ソウルのKTX山川のチケット

券売機ではJRによく似たカードサイズの切符が出てくるが、窓口で購入するとこんな縦長で、スーパーのレシートのようなペラペラの紙。

翌日の大田往復は正しい切符だったが、3日後の東海岸方面からソウルへの帰りの切符が、ソウルのCheongnyangni(清凉里)とメモ用紙に書いて見せたはずなのに、間違ってJeongdongjin(正東津)で発券されていたことにホテルに帰ってから気づく。明日変更しておかねば。

▲ 3日後のソウル→正東津  正東津→汾川 汾川→清凉里が間違って汾川→正東津になっていた

スマホに2種類のソウルメトロのアプリを入れて使ってみたが、韓国鉄道公社の広域電鉄線も含め、経路検索から電車の時刻確認まで大いに役立った。

永登浦駅から広域電鉄1号線に乗ってソウル方面へ。ソウル駅の手前で地下に潜り、メトロ1号線と相互乗り入れ。メトロでソウルから1駅目の市庁駅で下車。メトロは路線により複数の会社が運行しているが、広域電鉄や空港鉄道なども含めて運賃が共通で通算され、会社が変わる毎に初乗り運賃がかかって割高になる日本に比べ消費者目線の良いシステム。その代わりに、たとえ並行区間でも鉄道公社の列車と広域電鉄の切符は別になっていて、相互に乗車することはできないシステム。

市庁駅で地上に出ると、ソウル広場に面して市庁舎が建ち、その手前には、“I・SEOUL・U”の大きな文字。最近の流行なのか、世界の各地でよく見かける切り抜き文字の看板。その台座に書いてあるハングルにスマホのカメラを向け Google 翻訳で日本語にすると、“あなたと私のソウル”。

▲ I・SEOUL・U

ソウル広場から南山タワーの見える明洞方面に少し歩くと、銀杏並木の近くにレートの良い両替屋が並ぶ一角があり、ここで日本円から韓国ウオンの現金を入手。両替スプレッドの高いユーロなど、ヨーロッパではクレジットカードのキャッシングがお得だが、韓国ではATMの設置者が独自に手数料を上乗せすることも多く、レートの良い両替商で現金取引。

▲ 銀杏並木の向こうに南山タワー