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サン・セバスティアンからセゴビアへ

スペイン4日目は、サン・セバスティアンからローマ時代の水道橋があるセゴビアに立ち寄り、首都マドリードまでの長距離移動のスケジュール。セゴビアには、以前に城壁の街アビラと組み合わせてマドリードから日帰りで訪れているので、パックツアーから抜け出して鉄道でどこかに立ち寄ってからマドリードを目指すプランニングを考えてみた。

レオンやビトリア、パンプローナを立ち寄り先の候補に挙げてみたが、在来線は遅くて本数が少なく、途中下車すると次の列車まで半日待つことも。サラゴサまで遠回りすれば、バルセロナから来るマドリード行きの高速列車AVEに乗れるけど、在来線ではサラゴサにたどり着くまでが大変。高速バスを使えば解決できるのはわかっているけど、諦めておとなしくツアーバスで行くことに。

 ▲ 車窓に広がる農地

スペインも、比較的雨の多い北部には農地が広がるが、南下するにしたがって荒れ地になってきた。

▲ 荒れ地になってきた

一旦高速を降りて、ガソリンスタンドでトイレ休憩。1ユーロ150円としても、ガソリン1L当たり270円から292円、軽油はガソリンより高くて298円から312円と、ビックリするような値段。

▲ 軽油もガソリンも高い

サンセバスティアンから途中で昼食休憩をはさみ3時間半あまり、前方の高台にセゴビアのカテドラルらしき姿が見えてきた。鉄道の在来線は、移動時間では高速道路に全く歯が立たない。

▲ 丘の上にカテドラルの姿が見えてきた
 


世界遺産セゴビア旧市街とローマ水道橋

セゴビアのアソゲホ広場でバスから下車。広場を横切る長さ728m、一番高いところが28mのローマ時代の水道橋は、旧市街とともに世界遺産。アセベダ川の水を街まで引くために建設し、接着剤も使わず石組みだけで2000年にわたって立ち続けていているのは、ローマの高度な技術力の証。

▲ アソゲホ広場の水道橋

向かって左の丘がセゴビア旧市街。最上部には現代の水道管を通しているので、今も現役の水道橋なのだとか。

前回訪問時に、水道橋の端がどうなっているのかたどってみたら、上流側は道路と同一レベルになった交差点で終わっていて、旧市街側は城壁を越えた先で私有地の中に入ってしまい確認できなかった。この時は、水道橋の脇にある階段を上って城壁で囲まれた旧市街へ。

▲ 水道橋は高台の旧市街に続く

今回ガイドが旧市街へと案内したのは、広場から伸びる賑やかな商店の並ぶ細い道、歩行者天国のセルバンテス通り。この時、ツアーに一人参加の高齢男性が倦怠感を訴えて、広場のカフェで休んで待っていることに。何だか怪しい。

坂道になったセルバンテス通りの途中で建物が途切れ、新市街が見下ろせる場所がカナレハ展望台。

▲ 旧市街のカナレハ展望台から見下ろす新市街

展望台から先はファン・ブラボー通りと名前が変わり、通りに面して建つ15世紀の建物。壁に無数の突起のあるくちばしの家は、もとは貴族の館だったとか。そういえば、ポルトガルの首都リスボンでも同じような建物を見たような。

▲ くちばしの家

通り沿いの建物の外壁の模様は、漆喰を塗ってから線画を描き、線に沿って漆喰の一部を剥ぎ取り立体感を出す、エスグラフィアド(左官壁塗り)技法だとか。様々な模様の建物があって、見ているだけで楽しい。

▲ 表面の模様は左官壁塗り

同じく左官壁塗りで、窓にヴェネツィアのような装飾のある15世紀の宮殿、アントニオ・オケンドの家。

▲ ベネツィア風の窓のある家

周りが開けたところに出た。ここはメディナ・デル・カンポ広場。銅像は、通りの名前にもなっているファン・ブラボー。16世紀に、この地の反乱軍の指導者だったらしい。

その後方にそびえるのは、トレオン・デ・ロソヤ。13世紀から15世紀頃に建てられた、塔のある複合施設。

▲ メディナ・デル・カンポ広場

広場の階段の両脇には、2体の女性のスフインクスの石像。

▲ スフインクス

広場の隣には、12世紀に建てられたロマネスク様式のサン・マルティン教会。側面には、石の柱の上にアーチのある柱廊式ギャラリー。

▲ サン・マルティン教会とスフインクス

こちら側が教会の正面。鐘楼が工事で囲われているのが残念。

▲ サン・マルティン教会

窓に鉄格子のこの建物は、19世紀まで刑務所として使われ、今は図書館らしい。

▲ もと刑務所

旧市街の中心、マヨール広場。向こうは16世紀に建設が始まり、200年以上かけて完成したゴシック様式の大聖堂(カテドラル)。個人で訪れた前回は入場したけど、パックツアーでは時間的な余裕無し。

▲ マヨール広場のセゴビア大聖堂

でも、ガイドがいない前回は、水道橋の横の階段を上がって直接マヨール広場まで来てしまったので、ファン・ブラボー通りの貴重な建物群を全部見落としていた。

▲ 大聖堂と鐘楼

マヨール広場から、旧市街の一番奥にあるアルカサルまで、下り坂の続く狭いダオイス通り。石畳に埋め込まれた水道橋の金属プレート。この下に、水道橋から続く水路がある印。

▲ 石畳の水道橋のマーク

通りに面した建物の中庭にある井戸も、水道橋からの水路でつながっているのだとか。

▲ 中庭の井戸

丘の上にある旧市街の一番奥。周囲を崖に囲まれたローマ時代の要塞跡に、13世紀に築かれた城、アルカサル。大部分は19世紀の火災後の再建らしい。

▲ アルカサル

アルカサルは深い谷を隔てた先にあり、入口はこの橋だけ。前回訪問時には内部を見学しているが、今回は時間的な余裕は無し。

▲ 谷に架かる橋

崖の下に広がる大地。中央は、13世紀にテンプル騎士団が建てたラ・ベラクルス教会。道路を挟んで左には、サン・ファン・デ・ラ・クルス修道院。

▲ 遠くにラ・ベラクルス教会

アルカサル前の広場から振り返ると、城壁に囲まれた旧市街がよくわかる。右に大聖堂、それより低い左の鐘楼は、塔の女王と呼ばれるサン・エステバン教会。

▲ アルカサルから谷越しに見た大聖堂

アソゲホ広場に戻ってきた。水道橋のの中央部分にある聖母マリア像は、後年に付け加えられたもの。

▲ 水道橋の中央にマリア像

広場からツアーバスに乗り、マドリードに向かう前にアルカサルが綺麗に見えるという崖下のサン・マルコス大草原へ。セゴビアのアルカサルは、ディズニーの白雪姫城のモデルになったらしい。浦安の東京ディズニーランドにあるのはシンデレラ城で、白雪姫城はカリフォルニアのディズニーランド。

▲ サン・マルコス大草原の展望台から見上げるアルカサル

明後日はもう帰国日。成田でのチェックイン前にeチケットの控えを入手したので、航空券番号は既に判明。カタール航空に搭乗48時間前になったので、マドリードに向かう車内からスマホからログインしてウエブチェックイン後に座席指定をしようとしたが、何故か何度繰り返してもまだできないとの表示。