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旅の車窓から

スペイン ビルバオ・サンセバスチャン・トレド

イベリア半島の中心に位置するスペインの首都マドリードから北へ、美食の街バスク地方の旅にご案内します。


アフターコロナのスペイン

2019年末に中国武漢から始まった新型コロナの感染爆発により、実質的に鎖国状態が続いて2年以上にわたり海外に出国きず。この長いトンネル先に明かりが見え始めたのが2022年の8月下旬。岸田首相が9月7日から帰国便搭乗72時間以内のPCR検査陰性証明を、ワクチン接種3回を条件に免除すると表明。これで帰国難民に陥る危険性が大きく減少したので、かねてから目を付けていた10月に出発の大手旅行会社のパックツアーを、当日の夜にネット予約。

添乗員付きはペルー以来10年ぶり。同じことを考える人が多かったのか、翌朝には催行確定、夕刻にはもうキャンセル待ちになっていた。スペインへはバルセロナとマヨルカ島以来ほぼ5年ぶりの5回目。首都マドリードは3回目になるが、未訪問のスペイン北部バスク地方を訪れる8日間のツアーで、食事はホテルの朝食のみの昼食と夕食は付属せずにフリーに。美食の街と呼ばれるバスクには、ツアーの団体飯は似合わないので、経費削減ではなく客への配慮でしょう。

以前にマドリードに入りバスク地方を経てフランスへ、TGVでパリに抜けるコースを計画したことがあるが、バスクには高速新線がなく交通の便がイマイチなのと、万一のコロナ感染で帰国が困難になっても現地で旅行会社のサポートが期待できること、石油高騰や円安に加え需要の回復に便数が追い付かず、海外航空券の価格が爆謄中だが、それ以前に仕入れていたのか、予約時点での個人手配に比べて大幅にリーズナブルな価格設定なのも、パックツアーから再開することにした理由。

※ 10ページの末尾に関連のリンク先を設けました。詳しく知りたい方はご利用ください。


成田からドーハ乗り継ぎマドリード

東京駅から格安バスの“エアポートバス東京・成田”で成田空港へ。コロナ前は1時間に8本程度と頻発していた1000円バスも、乗車時点では概ね20分間隔に減便したうえ1300円に値上げ。それでも運賃、頻度と所要時間からみて、JRも京成も選択肢には入らず。その後需要の回復で、2022年11月中旬以降は昼間は10分間隔で運行に戻っている。

成田からマドリードへは、ドーハで乗り継ぐカタール航空。中東経由だが、日本やヨーロッパの飛行機でもウクライナ戦争でロシア上空を避けるため時間を要するようになり、ハンディは縮小。機材はB777だが、国際線では一般的な3-3-3の座席配置に対し、カタールは3-4-3で詰め込みタイプ。これで通路側が確保できないと厳しいが、事前に座席指定のできないパックツアーの包括運賃。せめて48時間前のウエブチェックインで座席指定をと思い、旅行会社にe-ticket番号を問い合わせても教えてくれない。成田空港でのチェックイン時には既に座席が割り振られていて、変更をしようにも通路側は全て埋まっていた。最低クラスの安い運賃だから、文句は言えないパックツアー。

▲ QR807便で2年10か月ぶりの出国

22時30分発の夜便だが、これほど人のいない、店舗や飲食店の大半が閉まっている成田空港は初めて。日本人は少ないが機内は満席で、カタールの法律に基づく飲食時以外のマスク着用は、概ね守られていた。日付が変わった深夜0時半だけど、2年10か月ぶりの機内食が嬉しい。

▲ カタールに機内サービスは良好

窓側席だが心配したほどの窮屈さではなく、そこそこ眠れて日本時間の朝8時(カタール時間の午前2時)頃、2度目の機内食で目覚める。

▲ 到着前の機内食

成田からの飛行時間12時間弱で、ドーハに到着。ハマド国際空港での乗り継ぎは6年ぶり。出発フロアでは、巨大な熊さんがお出迎え。FIFA ワールドカップ カタール 大会 2022 まで、あと1か月余り。

▲ ハマド国際空港の名物

アフリカのルワンダエアなど、羽田や成田では出会えない機体を見るとテンションが上がる。それにしても、出稼ぎ労働者の輸送のためなのか、インドのインディゴエアーが4機も並んでいる 。

乗り継ぎのQR149便も搭乗券は成田で発券されていたが、搭乗口で交渉して通路側席に変更してもらった。有料座席指定の空席が直前に解放されるので、変更できるかもしれないという、成田でのチェックイン時のアドバイス。

▲ IndiGoAir がやけに多いハマド国際空港

機材がA350からB777に変更され座席数が増えたためか、ところどころに空席も。カタール時間の朝9時ごろに、本日2度目の朝食。

▲ マドリード便の機内食

マドリード到着前には軽食が提供され、これが昼食になるのでワインとともにしっかりといただいておくことに。

▲ 到着前の軽食

乗り継ぎ時間も含めると、前夜の成田から23時間。出発翌日の午後に、マドリードのバラハス国際空港に到着。中東経由は時間がかかるけど、半分は寝ていたので、成田発の昼便で深夜に現地に到着するより身体には楽。

▲ バラハス国際空港に着いたカタール便

スペイン渡航者対象の健康状態申告書(SpTH)の登録は直前に廃止されたが、入国時にワクチン接種証明等の提示義務が残っていた(その後廃止)もののノーチェック。やっぱりラテン系はテキトーだ。

▲ バラハス国際空港ターミナル4

賑わうバラハス国際空港ターミナル4。2022年の秋は、ここではまだマスク姿が見られたが、一歩空港の外へ出れば、日本人以外は既にノーマスクの世界。


バラハス空港からブルゴスへ

空港からツアーバスで直接ブルゴスへ。安いパックツアーではバスの定員まで詰め込むことが多いが、コロナ感染防止のためか大型のバスに18名+添乗員で、2人分の席が使えて移動はラクチン。一人参加の客が男女それぞれ4名ずつと半数近くを占め、その中には女子大生をはじめ若い人もいて、年寄りが大半だったコロナ前とは異なる客層。

▲ 緑豊かな車窓

北上するにつれ車窓には緑が増え、乾燥して赤茶けた大地のスペインのイメージとは違う豊かな自然。

夕刻に到着したのは、ブルゴス旧市街の入口に建つ修道院を改装した、立地も設備も申し分のないホテル。

▲ 修道院を改装したホテル

何でこんな良いホテルにと思ったら、添乗員からいつも使う郊外のホテルが満室だったので(旅行会社としては)やむを得ず、との説明に得した気分。

▲ ツインの部屋

カスティージャ・イ・レオン州のブルゴスは、サンティアゴ巡礼の道の途中にある街。ホテルの前を流れるアルランソン川。石橋を渡ればブルゴス旧市街。

▲ アルランソン川の向こうが旧市街

14世紀の建築で、16世紀に改築されたサンタ・マリア門をくぐり抜けて、明かりの灯り始めた旧市街へ。門の上から聖母マリア像、天使像、その下に6人の英雄像。

▲ サンタ・マリア門

その先にそびえるのは、13世紀に建設が始まり300年かけて完成した、世界遺産ブルゴス大聖堂、カテドラル。セビーリャ、トレドのカテドラルに次いで、スペインで3番目の規模を誇るのだとか。

▲ ブルゴス大聖堂

中央に噴水のある、サンタ・マリア広場に面したファサード。聖堂内の見学は閉館1時間前までに入場とのこと。既に閉館時間も過ぎていて、残念ながら間に合わず。

▲ サンタ・マリア広場側のファザード

大聖堂中央の八角形の尖塔は、高さ54mだとか。

▲ ブルゴス大聖堂

大聖堂の裏にある建物の壁画。この絵をGoogle画像検索からGoogle翻訳すると、MonkeyBird の壁画“ミメシス、存在、場所”。よくわからん。描かれたのが新しいのか、2019年のストリートビューではこの壁面には何もない。

▲ MonkeyBird の壁画「ミメシス、存在、場所」(Google画像検索からGoogle翻訳)

 

夕食は旧市街のバル巡り

ヨーロッパの西に位置するスペインの秋だが、本土ではグリニッジ標準時+1時間の中央ヨーロッパ時間を採用し、10月下旬までサマータイムなので、20時を過ぎても空に明かりが残っている。

▲ 夕暮れの旧市街バル街

大聖堂からマヨール広場に向かうパロマ通りはバル街。もうコロナは終わったかのように、行き交う人々にマスク姿は皆無。まずは、マッシュルームのピンチョスの看板が出ている店へ。

▲ マッシュルームの看板

ここは専門店で、メニューはマッシュルームだけらしい。注文したら、今焼いているのでちょっと待って(多分そう言っているのでは)。

▲ 厨房でマッシュルームを焼いている

ヴィーノ・ブランコ(白ワイン)を飲みながら待っていたら、土台のバゲットに4階建てのマッシュルームのピンチョスが出来上がってきた。

▲ マッシュルームのピンチョス

すっかり暗くなったパロマ通り。スペイン人の夕食の時間、21時が近づいてくると人出が増えてくる。

▲ 賑わうバル街

次は、カウンターの上のガラスケースに並んだ料理を指さしで注文できるバルへ。

▲ カウンターのガラスケースから指さしで注文

今度はセルベッサ(スペイン語でビール)とともに。

▲ ビールとともに

ライトアップで夜空に浮かぶブルゴス大聖堂。

▲ 大聖堂のライトアップ

サンタマリア広場では、ファザードとともにキリストを抱く聖母マリアの噴水もライトアップ。

▲ サンタ・マリア広場の噴水もライトアップ

白く輝くサンタマリア門を抜け、

▲ サンタ・マリア門もライトアップ

石橋を渡ってホテルへ帰ります。

の対岸から見た旧市街