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モンテイゲルドの丘から下りたバスは、高速道路を東へ。サン・セバスティアンからフランスとの国境の街イルンまで、直線距離ならわずか17kmほど。最近はシェンゲン協定加盟国間の国境でも検問に会うことがあり、高速道路の検問所でバスにフランスの係官が乗ってきて、一人ずつパスポートをチェック。腰に巻いているパスポートを引っ張り出すのが面倒だったので、免許証を見せてジャパニーズドライバーズライセンスと言ったら、団体客だからかOKしてくれた。
国境を越えて15km程で着いたのが、フランス国鉄 SNCF のサン・ジャン・ド・リュズ駅前。大西洋に面した小さな街はパリとTGVで結ばれ、スペインとの国境の街アンダイエや、国境を越えた先のイルン行きの列車が停車する駅。
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フランス国鉄サン・ジャン・ド・リュズ駅駅からすぐ近く、港のそばにあるルイ14世広場。背後の建物は1660年に、フランスの太陽王ルイ14世がスペイン王女マリア・テレサと結婚式を挙げるため、1か月以上滞在したというルイ14世の館。
▲ ルイ14世広場とルイ14世の館
広場の横の建物に“マカロン”の文字。
▲ マカロンの店メゾン・アダム
メゾン・アダムは1660年の創業、360年以上の歴史を持つ銘店で、ルイ14世の結婚式に祝いの品として献上されたのが、この店のマカロン。
▲ ルイ14世の結婚式に献上されたというマカロン
1個1ユーロでばら売りもしているので、試食してみることに。うん、素朴な味わい。
▲ マカロンは1個1ユーロ
広場から伸びる細い道が、歩行者天国のレオン・ガンベッタ通り。
▲ レオン・ガンベッタ通り
通り沿いに建つサン・ジャン・パティスト教会。外観はパッとしない小さな教会だが、ここが360年余り前のルイ14世とマリアテレサの結婚式場。
▲ サン・ジャン・パティスト教会
フランスとスペインの30年戦争終結後の講和のための政略結婚の会場に、国境近くのこの街が都合がよかったのかも。
▲ 教会の入り口
豪華な祭壇。バスク様式というらしいが、周囲の壁面にある3段の木製バルコニーが珍しい。
▲ サン・ジャン・パティスト教会の祭壇
船の乗組員の住む港町らしく、天井からぶら下がる船の模型。帆を張っているが、船体の両側面に装備する外輪で走行する動力船でしょう。
▲ 天井からぶら下がる船
▲ 側面の祭壇
ルイ14世広場からこんな路地を抜けると、
▲ 湾に続く路地
大きく湾曲した砂浜の広がる海岸。
▲ 砂浜に出た
ここはグランド・プラージュ。英語にすればグレートビーチ、素晴らしい海岸。海に面した家には、防波堤から橋が架かっていて二階から出入りできる構造。
▲ グランド・プラージュ
夏にはバカンス客で賑わうであろうグランド・プラージュも、オフシーズン10月には静寂そのもの。
▲ 向こう側まで大きく湾曲した湾
湾の向こうにはヨットが浮かび、海に突き出た岬に立つのはソコアの砦。
▲ ソコアの砦
底びき網でしょうか、行き交う小型の漁船の船尾に網がぶら下がる。
▲ 行き交う漁船
わずか1時間半ほどのフランス、サン・ジャン・ド・リュズ滞在。先ほどの漁船の基地なのか、スペインに戻るバスの車窓に漁港。
▲ 車窓からの漁港
サン・ジャン・ド・リュズ駅からバスで15分ほどのところにあるコル・ド・サン・ティニャスに、2軸で木造車体の小さな電気機関車が山上まで客車を押し上げる、ラックレールのラ・リューヌ登山鉄道があるけど、今回はパックツアーで自由が効かず、残念ながら諦めることに。 https://www.rhune.com/
バスはフランス側の国境の街、アンダイエから国境のヒダソア川を渡ってスペインのイルンへ。一般道では、国境の検問に会わなかった。標準軌のフランス国鉄の一部の列車はイルンまで乗り入れ。イルンに軌間変換装置があるらしく、かつては広軌のスペイン国鉄が、パリ行きのタルゴの夜行列車を運行していたが、今は一部の列車がアンダイエまで乗り入れるだけ。
メーターゲージのバスク鉄道も、並行する路線でアンダイエまで顔をのぞかせている。国は分かれても、双方ともバスク人の住むバスク地方。昔から行き来は多いのでしょう。
イルンから海側の隣町、オンダリビアへ。こんな聖人の像があるロータリーを過ぎ、
▲ ロータリーの中央に聖イグナス像
首都マドリードの中心、プエルタ・デル・ソルにある、熊とイチゴの木と同じ像の立つ広場の横で下車。
▲ 熊とイチゴの木
小高くなった坂の上がオンダリビアの旧市街。
▲ 旧市街はこの上
坂を上ると旧市街の入り口、サンタ・マリア門。
▲ サンタ・マリア門
狭い石畳の路地に沿って、バルコニーのある家並が続き、
▲ バルコニーのある家並
坂道の先に教会が見えてきた。
▲ 坂の向こうに教会
旧市街の中心に位置するサンタ・マリア・デ・ラ・アスンシオン・イ・デル・マンサーノ教会は、15世紀に建設が始まり、バロック様式の鐘楼は18世紀に横に建て増ししたのだとか。
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サンタ・マリア・デ・ラ・アスンシオン・イ・デル・マンサーノ教会
祭壇には、キリストを膝に抱く聖母マリア像。
▲ 教会の内部
教会の隣には、窓の少ない古びた石造りの建造物。
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旧市街のアルマ広場に面して建つ綺麗には見えないこの古びた建物は、4つ星ホテルのパラドール・オンダリビア。パラドールとは、スペインの各地で由緒のある建物を利用した、国営のホテル。築1000年以上、10世紀の城らしいが、内部は綺麗に改装されているのでしょう。
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アルマ広場から狭い坂道を下っていくと、
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ヒダソア川の河口。対岸に広がるのは、フランスバスクのアンダイエの街並み。
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オンダリビアで昼食休憩。あらかじめ調べておいた、教会の路地裏にあるレストランへ。
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スペインの昼食時間が近づいてきた13時半頃に入店。家族連れで賑わう店内。
▲ 賑わう店内
予約は入れていなかったが、何とかカウンター席を確保。
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▲ ムール貝のフリット
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大満足の昼食だったけど、日本と違って時間がかかるので、集合時間が近づいてきて焦ることに。注文する品数を少なくしておいてよかった。