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運賃無料の桃林鉄路

早起きしたのは、桃園から平日朝夕2往復のみの桃林鉄路に乗るため。何故か時刻表には林口線の名で掲載されています。11月では、夕刻の列車は日没後となり、車窓が楽しめるのは朝の1往復だけ。桃園駅のホームは2面3線だけ。前日の七堵駅の様に、切り欠きホームから出発かと思っても、それらしきものはありません。

2扉の區間車は南アフリカ製の電車 桃園駅舎

桃林鉄路の海湖行きがどのホームに入線するのか駅員に聞くと、改札の外を指さしています。どうやら、一旦改札を出てから乗り換えるようです。駅舎に向かって左側の駐車場の入り口に朝ご飯の屋台の軽トラが停まっていて、その先の駐車場の入り口の看板の下に桃林鉄路の表示があります。

駐車場と並んで桃林鉄路の看板 駐車場の奥に桃林鉄路の桃園駅

駐車場を抜けた先に。桃林鉄路桃園站の看板を掲げた小さなホームがあり、6時55分の発車までまだ20分以上ありますが、すでに2両編成のディーゼルカーが停車してドアを開けて待っています。桃林鉄路は貨物線に旅客列車を無料で運行しているので、改札の中で乗下車を扱うと面倒なことになりますね。

今日も、最後部運転席横の展望席をゲット。列車種別の普快は台湾鉄路で残り少ない冷房無しのクラス。それに、冷房付きのステンレス車を投入しているこの列車は大サービス。

高校生が続々とやってきた 西部幹線と併走区間

発車時刻が近づくと、青と黄色の制服姿の高校生が駐車場を抜けて続々とやってきます。遅くなったのか、親にバイクで送ってきてもらう子も。

高校生を乗せて満員になった通学列車は、遅れて走ってくる子を待って定刻を少し過ぎてから発車。しばらく北に向かって西部幹線と併走したあと、西に向きを変えます。

終点海湖駅に到着した列車 単線片面だけの海湖駅 列車は平日に朝晩1本ずつ

高校生は、次の桃園高中駅で全員下車。ここから先は住宅地や畑、工場の点在するのんびりとしたローカル線。運転席のスピードメータを見ていると、30km/hになるとノッチオフ。車内は空席が目立つものの、途中駅では少しずつ乗り降りがあります。

終点の海湖は、住宅や畑、空き地が点在する中に、単線に片面だけの駅。ここまで桃園から40分。乗客を降ろした列車は、そのまま行ってしまいます。

桃園行き普快が入線 工事中の桃園機場捷運の駅と高架橋

桃園国際空港が近いので、頭上を次々と飛行機が通ります。10分程待つと踏切警報機が鳴り始め、先ほどの列車が戻ってきます。先頭の展望席を車掌さんに取られてしまった! ドアが開くと、何故か既に先客が乗っています。折り返し点で便宜乗車させているのでしょうか。

桃園に戻る車窓を、台北から桃園国際空港を経て中市に至る桃園機場捷運の高架線と工事中の駅が横切ります。

※ 桃林鉄路林口線は2012年末で廃線となりました。あの高校生達は2013年からはバス通学でしょうか。

 


區間車で苗栗へ

往復1時間半の桃林鉄路の旅を終え、桃園には8時27分に戻ってきましたが、駅が離れているので30分発の自強号に間に合いません。やむなく、次の苗栗行きの區間車に乗り継ぎます。車掌さんが検札に来て、乗客に切符を持たせたまま、検札印を押していきます。これが台湾式かと思ったのですが、次の列車の車掌さんは日本と同じやり方。

車掌さんが検札 終点苗栗駅に到着した區間車

西部幹線は、竹南山線と勾配の少ない海線に分かれます。列車本数は台湾第3の都市、台中を経由する山線の方が多く、苗栗は山線の途中駅です。

苗栗駅 ハチロクこと日本の8620型と同型機

苗栗には、台湾の鉄道博物館に相当する苗栗鐵道文物展示館があります。かつて、日本統治時代の台湾総督府鉄道から戦後の鉄路管理局、阿里山森林鉄路や台湾製糖の専用線で活躍した、広い範囲にわたる車両が余生を送っています。

ALCOのキュウロク 阿里山シェイ28号機の後ろ姿

苗栗鐵道文物展示館の詳細は、こちらをご覧下さい

次の予定があるので、苗栗鐵道文物展示館を早々に切り上げて、40分ほどで苗栗駅に戻ります。

 


區間車で台中へ

苗栗から三度目の區間車で台中に向かいます。山線は勾配を緩和するために長大トンネルを掘り、線路を付け替えた部分があります。最近この急勾配の廃線区間を復活させ、蒸気機関車CK124の牽くイベント列車が運行され人気を博しているのだとか。

     
苗栗駅に區間車が入線       工事用のクレーン車

三義駅に設置されたばかりの新しいホームがあります。イベント列車は、ここから分かれて旧線の勾配に挑むのでしょう。區間車は駅を発車するとすぐに長いトンネルに入ります。

三義駅に新しいホーム 台中駅の自強号

3駅先の豐原で再び旧線と合流するはずですが、車窓からはよくわかりません。區間車は、お昼時に台中駅に到着し、ここで一旦下車します。入れ替わりに、駅弁を手にロングシートの區間車に乗ってくる人もいます。

工事用車両でしょうか 日本型の貨車が現役

台中駅の構内には、工事用車両と並んで、日本型の有蓋貨車が留置されています。日本ではコンテナ以外の貨物列車はほとんど見かけなくなりましたが、台湾ではまだまだ現役です。

台中駅舎は、1917年に建設された歴史のある建物で、国家二級古蹟に指定されています。待合室の一角には、ここにも鉄道グッズを扱う台鐵本舗が店を出しています。土産に2011年の卓上カレンダーを買い求めます。

1917年に建てられた台中駅舎 台中駅前の高速バスターミナルと米国製のバス

駅前には元国鉄バス、國光客運の高速バスターミナルがあり、台湾でも新幹線、在来線の特急と高速バスが熾烈な競争をくり広げています。