HOME 1/10page 2/10page 3/10page 4/10page 5/10page 6/10page 7/10page 8/10page 9/10page 10/10page 


西部幹線七堵駅

台湾2日目は、日曜日。今日は列車に乗って、台湾北部のローカル線平渓線と人気の観光地、千と千尋の神隠しのモデルともなったといわれる九份を訪ね、時間に余裕があれば基隆から金山に行ってテレサテンの墓参りでもしようかという計画です。

台湾北部の天気予報は雨ですが、台北市内は曇り空。何とかお天気が持つことを期待して、MRTに乗って台北駅に向かいます。

基隆行き區間車は韓国大宇製 區間車の車内

台湾鉄路管理局の列車時刻表は、ホームページからExcel型式のファイルで入手できるので、プリントしたのですが、日本に置き忘れてきたようで、ホテルであらためてダウンロードして保存したノートパソコンを持って行きました。

平溪線の途中駅で一旦下車するつもりで、台北駅の出札窓口で十分駅までの乗車券を買い求め、西部幹線の基隆行き區間車(各駅停車)に乗ります。韓国大宇製のステンレス車体の電車で、車内はビニールのロングシート。

新型通勤電車の愛称はスネ夫 振り子式の太魯閣号が通過していく

西部幹線の地下区間が伸び、以前は松山駅の手前までだったものが、南港駅の先でやっと地上に出たら、外は雨が降っています。平溪線の列車の多くは、西部幹線から東部幹線/宜蘭線が分岐する八堵が始発になっています。基隆行きの区間車で八堵までいっても、接続時間が有り余るので、手前の西部幹線の操車場のある七 堵で降りてみます。

ホームの端でカメラを構えていると、日立製の振り子電車太魯閣(タロコ)号が通過していき、日本車両製や台湾車両によるライセンス生産で、南アフリカ製や韓国製に代わる新しい通勤型電車、スネ夫が入線してきます。連結器カバーからのび太の友人の骨川スネ夫を連想するのだとか。

七堵の操車場に台湾製のディーゼルカー 操車場の入れ換え用DL

ホームの向こうには、台湾製のローカル線用ディーゼルカーが留置されています。日本車両製のステンレス車に置き換えられて、もう使われていないのかもしれません。その隣には、最近引退したと思われる 英国製の自強号の電車らしき姿も。

入れ換え用のディーゼル機関車が行き交い、操車場から七堵始発となる西部幹線南行き、両端に南アフリカ製の電気機関車を配したプッシュプルで、中間の客車が韓国製の自強号が入線してきます。

操車場から出てきたプッシュプルの自強号 平溪線のディーゼルカーが到着

七堵駅の切り欠きホームに、平溪線のディーゼルカーが3両編成で入線してきました。この駅で折り返すようですが、時刻表では客扱いは隣の八堵駅からになっています。

 


八堵駅から東部幹線/宜蘭線

基隆行きの區間車で八堵に向かいます。今度はスネ夫が来ました。車内はMRTと同じ配置の背ずりの低いセミクロスシート。MRTの椅子はプラスチックですが、こちらはモケットが張ってあります。トイレは車いす対応の広いもの。おむすび型の吊革が日本です(と思ったら韓国製や南ア製の電車も同じ)。

基隆行き區間車のスネ夫 セミクロスシートのスネ夫の車内

八堵駅では、基隆へ北に向かって直進する西部幹線と、東に向きを変える東部幹線/宜蘭線のホームが分かれています。ホームのベンチにまで博愛座(シルバーシート)の表示があります。

駅のベンチにもシルバーシート 八堵駅を通過するタロコ号

カーブしたホームを太魯閣号が振り子を使って通過していきます。向かいのホームに車体にペイントした平溪線から直通のディーゼルカーが入線してきます。乗客を降ろすと、回送で七堵に向かいます。

入れ替わりに、七堵で折り返してきた菁桐行きが空車で入線してきます。

八堵に到着した平溪線からのディーゼルカー 七堵で折り返してきた平溪線菁桐行區間車

DRC1000型は日本車両製で、1998年頃に冷房付きのディーゼルカーとして、復興号に使用するために、入線した当初は回転式のクロスシートを装備していましたが、同じ運賃ながら區間車や區間快に格下げされてロングシートとなり、今では窓の上に指定席当時の座席番号だけが空しく残っています。車内の丸い仕切がいかにも中国していますが、日立製の自強号なども含め、この中にエンジンの排気管を収めているのだとか。

ロングシートのディーゼルカー区間車の車内 運転台横の展望席

そんなDRC1000型ですが、両運転台で西部幹線では下り側になるトイレの奥の運転台の横に、展望席があります。展望席が先頭になると、踏切事故のことを考えると怖いのですが、菁桐行ではここが最後尾。始発から乗ってこの席を確保すると、複線区間の東部幹線/宜蘭線ではすれ違う列車が楽しめます。

ディーゼルカーの自強号とすれ違い ELの牽引する貨物列車とすれ違い

 


東部幹線/宜蘭線から平渓線へ

自強号も停車する瑞芳駅では、大勢の乗客が乗ってきて車内は満員に。展望席の前まで立ち客でいっぱいになります。台湾はローカル線ブーム。台北から近いため、雨でも日曜日は大勢の乗客で賑わうのでしょう。

瑞芳駅の駅弁屋さん 東部幹線/宜蘭線から平溪線へ分岐

瑞芳駅のホームでは、便當便當(ベンタンベンタン)と、駅弁屋さんのかけ声が響きます。冷めないように弁当の入った箱には毛布をかけて販売しており、暖かい弁当が買えますが、ロングシートの満員列車ではちょっと。

瑞芳から2つ目の三貂嶺駅は山峡の小さな駅ですが、平溪線の分岐駅で、列車はポイントを渡り、東部幹線/宜蘭線と分かれて山に分け入ります。

トンネルを抜け川沿いに走る平溪線 吊り橋と並行する鉄橋

平溪線に入ったとたんに列車の速度ががくんと落ちます。カーブもきつく、目の前の運転台のスピードメータを見ていると、30km/hまで加速するとエンジンがアイドリング運転になっています。川沿いを走り、十分瀑布近くの吊り橋と並行する鉄橋を渡るころから雨が一段と激しくなってきました。

十分の町の商店街を線路が縦断 十分駅で列車交換

両側に商店がならぶ中を列車が通る写真をよくみる、十分の商店街を抜けると十分駅に到着し、ここで列車交換です。十分の商店街は、想像していたより短い距離で、あっという間に通り過ぎます。ここで一旦下車して、周辺を散策してから、次の列車で菁桐に向かう計画にしていましたが、雨のためそのまま乗って終点まで直行します。

台湾鉄道では、乗り越し精算をすると5割り増しとの掲示を駅で見たような気もしますが、大した金額ではないので気にしない気にしない。