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旅の車窓から

台湾 台北・菁洞・桃園・苗栗・鹿港

羽田空港の国際定期便就航にあわせて台湾に行きました。総統府・台北賓館の公開と、台湾鐵路西部幹線、平渓線、桃林線、苗栗鐵路文物保存館、彰化機関区、西海岸の古い町鹿港にご案内します。

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台北 台中

6度目の台湾は羽田から

2010年10月に羽田空港に新しい国際線ターミナルがオープンし、31日から成田空港の開港以来33年ぶりに国際定期便が羽田に帰ってきました。国際線が成田に移ったあとも、政治的な理由で台湾の中華航空だけは2000年まで羽田に残り、羽田発の台北便やホノルル便には人気がありましたが、この間に台湾に行ったときは2回ともJAA日本アジア航空で、格安航空券の安い中華航空を使うようになったのは、成田移転後のことです。

そういえば、このホームページには、台湾は四半世紀前の阿里山森林鉄路の旅行記をまとめただけで、その後の鉄道による台湾一周等は、一部をトピックスに掲載しただけで、お蔵入りのままです(^_^;

羽田の国際定期便就航に合わせて安い航空券が出ないか、ネットで検索していたところ、往路は早朝便限定で台北往復15,000円台を見つけました。燃油サーチャージや保険、羽田と台北の空港使用料を加えても、新幹線の東京−大阪往復料金でおつりが来ます。

嬉しいことに、羽田便は台北から遠い桃園空港ではなく、街中の松山空港に着きます。ただ、安いのには理由があり、中華航空で往路は羽田発7:00の便に限定、復路は松山空港空の羽田便以外に桃園空港からの成田便も含め、1日5〜6便の中から自由に選べますが、もちろん松山18:55の最終便にします。

※ 10ページの末尾に関係するリンク先を掲載しました。
詳しく知りたい方はご利用ください。


羽田空港国際線ターミナル

E-チケットのURLを送ってきた旅行会社からのメールには、チェックインは出発の2時間前と書いています。7時発の2時間前の5時に空港ターミナルに行く交通手段は、タクシーか自家用車です。パックツアーなら2時間前でしょうが、中華航空のホームページを見ると、事前にE-チェックインを済ませておけば、1時間前までOKとのこと。とりあえず、先に座席指定を済ませておきます。

国際線ビル駅に到着したモノレール モノレール国際線ビル駅の改札

それでも、時間に余裕を持たせるため、JRから浜松町でモノレールの始発に乗り換えます。途中ノンストップで、国際線ターミナル駅到着は5時13分。国際定期便就航から初めての週末とあって、降りる人も結構います。ホームの広告は、ANAの羽田発国際便一色。向かいのホームでは、深夜か早朝に羽田に帰国した大勢の人が、浜松町に向かう始発を待っています。

改札を出るとそこはチェックインカウンター 江戸の街並みを再現

モノレールの改札を出ると、そこには各航空会社のチェックインカウンターが並んでいます。日本にも、香港国際空港のような便利なターミナルができました。中華航空のカウンターに行くと、既に長い行列ができています。前夜にパソコンからE-チェックインした時に、何故かボーディングパスのプリントができなかったので、荷物を預けてカウンターで発券してもらいます。

夜明け前の展望デッキ 大韓・中華・キャセイ・日航・エバーが並ぶ

エスカレータで江戸の街並みを再現したレストランやショップ街に上がってみたものの、まだこの時間では開けている店は少なく、閑散としています。展望デッキに出ると、6時台に出発のシンガポール航空や大韓航空の便、搭乗予定の7時発の中華航空の便がボーディングブリッジにつながり、すぐ向こうの駐機場にはJALのほか、キャセイやエバー航空がならんでいます。羽田の本格的な国際化に感慨ひとしおです。近く、ヨーロッパの早朝便が就航すれば、さらに賑わいを増すでしょう。

 


悠遊卡とMRT

CI223便は高度を下げ、淡水川を越えると台北市街地の真ん中にある松山空港に着陸します。ほぼ定刻に着いたので、荷物を受け取って空港の外に出てもまだ10時過ぎ(時差1時間)。ちょうどこの日に開幕した、台北花博のモニュメントが出迎えてくれます。まずは、地下のMRT(地下鉄や新交通システム)松山空港駅で、台北市内のMRTやバスに乗車できるICカード悠遊卡、を買い求めます。窓口で、“ヨーヨーカ”と言ったら、すんなりと通じました。

臺北松山國際機場ターミナルビル 台北花博のモニュメント

ホテルは、MRT民權西路駅近くにある日本のビジネスホテルチェーン、サンルート台北をホームページから週末3連泊プランで予約しています。桃園国際空港行きのバス停が目の前にある等の立地と、シングル中心の設備、それに価格から、最近は1人で台湾に来るときは定宿にしています。

松山空港から民權西路へは、MRTを使うと四角形の3辺を遠回りするかたちになるので、再び地上に戻って市内バスに乗ります。お釣りのでないバスでは、悠遊卡は便利で、しかも1乗車15元(約40円)が2割引の12元になります。

台北市内と近郊で使えるICカード 悠遊卡 民權西路駅の改札と無料試乗の案内

松山機場から乗ったバスは、最寄りバス停の民權中山路口まで15分。台北の市内バスは、日本並みに次の停留所の案内放送とLEDあるいは液晶画面による表示があり、漢字が読める日本人には安心です。サンルート台北のチェックインは正午からとのことで、とりあえずフロントに荷物を預かってもらって身軽になり、近くの民權西路駅に向かいます。

民權路と中山路の交差点を西に渡ると、以前にはなかった地下への入り口ができています。新しくMRT蘆州線が開通したばかりで、改札には悠遊卡で1ヶ月間、線内に限り無料の案内が出ています。

MRT台大醫院駅 赤煉瓦の台湾大学醫学院附設醫院

まずは南北に走るMRTのメインライン、淡水線に乗って台大醫院駅に向かいます。地上に出るとルネッサンス様式の重厚感あふれる建物赤煉瓦の建があります。1924年に建てられた日本統治時代の遺産で、台湾大学醫学院附設醫院外来問診部として現役です。

 


台北賓館

MRT台大醫院駅で降りたのは、病院に行くことが目的ではなく、台北賓館の一般公開です。台北賓館の前身は、日本統治時代の台湾総督府官邸。1901年に日本政府が威信をかけて建設したネオルネッサンス様式の建物で、官邸であるととも迎賓館ととしても機能し、皇太子時代の昭和天皇のほか、数多くの国賓を迎え入れたとか。

1946年以降は中華民国の迎賓館として使用され、米国のクリントン元大統領も訪れているそうです。長く非公開とされてきましたが、一般に公開されるようになったのは2001年からで、2010年は概ね月に1回程度の公開日が設けられています。西新橋にある台湾観光協会東京事務所にあったチラシを見て、台北到着日がちょうど公開日に当たっていたため、訪れてみました。

     
台北賓館の正面       各部屋には説明が

現在の台北賓館は1913年に改築されたもので、正面から見るとギリシャ神殿様式の円柱を多用したバロック風の2階建て。1階は会議室やパーティー会場等のパブリックスペース、2階はプライベートスペースとなっています。

入場は無料で、受付には日本語の案内パンフレットも用意されています。それによると、下の写真は1952年に、ここ台湾賓館で行われた日本と中華民国の間の“日華条約”調印の様子で、その後の批准書交換・発効により台湾の中華民国への帰属が確定したのだとか。

台湾賓館の内部 1階2階の各室の他、什器なども展示

台湾観光協会東京事務所のチラシでは、内部撮影完全禁止と書かれていますが、皆さん写真をバシバシ撮っていたので、私も一緒になって写してきました。

建物の裏 日本庭園

台北賓館の裏に回ると日本庭園が広がり、その一角には瓦屋根に縁側の障子と畳の部屋に床の間を備えた、日本家屋も大切に保存されています。ときおり小雨の降る天気にもかかわらず、大勢の人々が見学に訪れています。

瓦屋根の日本建築 畳と床の間