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ナポリの沖に浮かぶカプリ島へは、ナポリ港から高速船で40分。左にベスビオ火山をみながら疾走する船のよく揺れること。やがて前方の島影が大きくなって、マリーナ・グランデに入港です。
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カプリ島が見えてきた | マリーナグランデに到着した高速船 |
思った通り、今日は天気は良くても波が高く、青の洞窟へは入れないようで、マリーナ・グランデから洞窟に向かう船は欠航とのこと。
港の目の前に、山の中腹のカプリ地区に通じるフニコラーレ(ケーブルカー)の駅がありますが、バスでより標高の高いアナカプリ地区に向かいます。
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カプリ地区に登るケーブルカー | レモンのお酒 リモンチェッロをはじめとするレモンのお土産 |
島内の道は狭く、走れるのはマイクロバスまで。つづら折れの道を登ると眺めが広がり、本土から突き出たソレント半島が見渡せます。バスの終点はヴィットリオ広場に到着。レストランやショップが建ち並び、お土産品にカラフルなボトルに入った南イタリア名産のレモンのリキュール、リモンチェッロが並んでいます。
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カプリ島の小型バス | アナカプリ地区に向かうバスの車窓 |
ヴィットリオ広場のすぐ横から、カプリ島の最高峰、標高589mのソラーロ山に登るチェアリフトが運転中。リフトに乗ると一気に展望が開け、青いティレニア海が広がります。360度遮るもののない山頂からは、ナポリ湾やサレルノ湾、遠くにはベスビオ火山の勇姿も。
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ソラーロ山の頂上からの展望 |
ナポリ中央駅の片隅にあるホームに、2〜3両編成の私鉄電車やディーゼルカーが発着しています。線路は、エウロスター・イタリア・アルタ・ヴェロチタが発着する同じ駅とは思えないような、まばらなバラストの間から雑草が顔をのぞかせています。
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メトロカンパニーア・ノルド・エスト鉄道の電車 | メトロカンパニーア・ノルド・エスト鉄道のディーゼルカー |
メトロカンパニーア・ノルド・エスト線で、ナポリ中央駅に発着する線はナポリとその北東に位置するベネヴェントを結ぶ電化線と、ナポリの北にあるピエデモンテ・マテーセに至る非電化線があり、それぞれ電車とディーゼルカーを運行しています。この他、ナポリ市内の地下鉄1号線もメトロカンパニーアが運行しているようです。
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メトロカンパニーア・ノルド・エスト鉄道の旧型電車 | イタリア鉄道ガリバルディー広場駅の電車 |
ナポリ中央駅は、ヨーロッパの終着駅に多い頭端式のホームですが、その真下の地下には、同じイタリア鉄道のガリバルディ広場駅があり、こりらは途中駅の構造で、列車は通り抜けていきます。またこの線は、ナポリの地下鉄2号線にも位置づけられています。
15年前に初めてナポリを訪れたときに、ローマからナポリへ行く列車の時刻表に、ナポリ中央駅ではなくガリバルディー広場駅に到着する列車も掲載されていました。東京のイタリア政府観光局でガリバルディー広場駅の場所を尋ねたのですがよく解らず、現地に着いてみたら、何だ同じ場所の地下で駅名が違うだけだった、ことが思い出されます。
15年ぶりに、ナポリの南東に位置するポンペイの遺跡に向かいます。前回は、ナポリ中央駅から乗る路線を間違いながらベスビオ周遊鉄道で何とかたどり着きましたが、今回はガイド付きのツアーバスです。遺跡の見学は、ガイドがいれば迷わなくて済み、また、説明を聞くとよく解りますね。すぐに聞いたことを忘れてしまいますが。
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ポンペイ遺跡の入り口マリーナ門 | ジュピター神殿の向こうにベスビオ火山 |
遺跡は広く、周囲に何ヶ所かの入り口がありますが、メインゲートはベスビオ周遊鉄道ソレント線のヴィッラ・ディ・ミステリ駅にほど近いマリーナ門から入ります。大小の入り口が並んでいるのは、歩道と馬車の通る車道に分かれていたのだとか。
門の先にある広場の向こうには、ベスビオ火山を背にジュピター神殿が建ち、アポロ神殿やバジリカ、東西のメインストリートアッボンダンツア通りのがのびる、ここはポンペイの中心フォロ。
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裁判所や政治・経済の中心であったバジリカ | 東西のメインストリート アッボンダンツア通りの車止め |
ところでポンペイは、紀元前8世紀ごろからギリシアの植民都市として発展し、後にローマ帝国の属国となって栄えそうです。紀元79年8月24日午前、ヴェスヴィオ火山の大噴火による火山灰や火砕流により、一瞬にして街は埋もれ、2000年前の姿がそのままタイムカプセルと閉じ込められることになったのだとか。
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車道と歩道に分かれたメインストリートと裏通り | 凱旋門とベスビオ火山 |
それから1600年余りの時を経て、18世紀の初めに農夫が古代の壷を掘り起こしたことがきっかけで街が埋もれていることが発見され、18世紀半ばにナポリ王カルロス3世による発掘が始まります。19世紀になると、本格的に発掘工事が行われて、公共建築や住宅などが次々と発見され、神殿、劇場、公衆浴場、各種商店などが並び、現代と同じ水道や車道と歩道に分かれた舗装道路なども既にこの時代に整備されていたことがわかります。
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歩道の敷石に娼館への道しるべ | 娼館のフレスコ画 | 娼館の石のベッド |
ギリシャやトルコの遺跡と同様に、ここポンペイにも人類最古の商売といわれる娼館が何ヶ所もあり、道路にはその方角を示すマークが残っています。発掘され修復された娼館の壁のフレスコ画には、男女の営みを描いたものが多数あり、船でポンペイに来た言葉の通じない外国人の客でも、絵を指し示すことで受けたいサービスの注文が出来たのだとか。
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鮮やかなフレスコ画の残るフロントーネの家 | 噴火の犠牲者の石膏型 |
フロントーネの家は裕福だったらしく、食堂の壁だった場所は美しい壁画で飾られています。その前の人だかりの中のがかすケースには、人間の石膏像が横たわっています。火山灰に埋もれて亡くなった人の遺体が朽ちてできた空洞に石膏を流し込むことで、被災したときの姿をそのまま現代に蘇らせています。
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家の敷地内に雨水をためる水槽 | 公衆浴場の浴槽 | 公衆浴場のベッドと水飲み場 |
スタビア浴場は、典型的なローマ式公衆浴場のひとつ。風呂を備えた社交場のようなところで、お湯をはった浴槽の他、サウナや水風呂、水飲み場や石のベッドまであったようです。
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バール(居酒屋)のカウンター | パン屋の窯 |
公衆浴場を出ると、近所にバール(居酒屋)があります。風呂上がりに、一杯やっていたのでしょう。パン屋の石窯は、2000年を経た今でも同じ構造でピザを焼いています。当時もおいしいパンが焼き上がっていたのでしょう。
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床のモザイク | 壺などの出土品と人の石膏型 犬の石膏型も |
床のモザイクは、当時の技術水準の高さを示しています。日本では、まだ弥生時代なんですね。
発掘され出土した壺や瓶などの遺物の収納庫がありました。ここにも人の石膏像が収められています。身体をねじ曲げてもだえ苦しむ犬の姿も。
ポンペイからバスで首都ローマに向かいます。明日は、ローマの地下鉄・バス・トラムの1日券を買ってローマの街を巡ります。私はローマは3度目なので、今回は主な観光地に同行者を案内するためローマの電車めぐりはお休みです。いずれまた、2003年のローマのトラムや私鉄と一緒にご覧いただくことにして。今回の南イタリア旅行記はポンペイで終わりとさせていただきます。
今では高速新線ができた、ミラノ−フィレンツェ−ローマ−ナポリのの路線に比べ、南イタリアの鉄道は、ナポリからシチリア島に至る幹線でも列車本数は少なく、所要時間もかかります。まして、ローカル線となれば、バスにたちうちできる路線は多くはありません。また、アルベロベッロやマテーラなど、多くの観光客が訪れる世界遺産も、ローカル私鉄の単線の線路がつないでいるだけです。
列車の旅をするのであれば、事前にイタリア鉄道やそれぞれの私鉄のホームページで時刻を調べて、しっかりとプランニングする必要があります。特に、私鉄では休日は全面運休やバス代行もあるため、注意が必要です。イタリア名物ストライキにも気をつけましょう。ストの予定は、運輸省のホームページで確認できます。各鉄道会社やスト情報には、下記からリンクしておきました。
イタリア鉄道の列車の指定席や寝台は、ホームページで日本から予約できます。クレジットカード決済で、E-チケットで発券することもでき、大半便利です。
イタリア半島のヴィラ・サンジョバンニとシチリア島のメッシーナ間では、今でも連絡線による車両航送が行われています。日本なら、橋ができているであろう、わずか3kmほどの距離です。ローマとパレルモやシラクーサを結ぶインターシティーや夜行のインターシティーノッテは、客車の編成を分割して連絡船に押し込みます。海峡を渡ると引き出して再び編成を組み立てるという、鉄道ファンにとっては興味深いものの、輸送上は非効率なことが行われています。
このメッシーナ海峡に架橋する構想は、過去に何度も浮かんでは消え、最近では2008年に着工し、2015年には明石大橋を凌ぐ吊り橋が完成する計画で、日本の某大手企業が落札したものの、政府の財政赤字削減のために中止になったとか。
ここしばらくは、車両航送を含む列車と船の旅が楽しめますが、私の乗った夜行列車では、その醍醐味が味わえません。やはり、明るい時間帯にメッシーナ海峡を渡る列車を選ぶべきです。
次にシチリア島を訪れる機会があれば、昼間のメッシーナ海峡や、エトナ山を巡る周遊鉄道、今回訪れなかったシラクーサやミューシネマパラダイスの舞台となったチェファールを訪ねてみたいと思っています。
2009年11月 旅
2010年10月 記
これからお出かけになる方や鉄道ファンの方に役立ちそうなリンクをそろえました
- イタリア政府観光局 (日本語) イタリアに行くときはまずここを見ましょう
- Italy right now (英語) 今のイタリアをビデオで紹介
- イタリア鉄道 (イタリア語・英語) 列車の時刻検索や予約ができます
- Comune di Napoli (イタリア語・英語) ナポリ市公式サイト
- metronapoli (イタリア語・英語) ナポリ地下鉄1号線と6号線とケーブルカーを運行
- ヴェスヴィオ周遊鉄道 (イタリア語・英語) ナポリとポンペイ、ソレントを結ぶ私鉄
- Azienda Napoletana Mobilita (イタリア語) ナポリの市電と市バス公式サイト
- ノルド・エスト鉄道 (イタリア語) ナポリの私鉄
- Pompei Online (イタリア語・日本語 他多数の言語) ポンペイの遺跡
- The Royal Palace and Park of Caserta (英語) カゼルタの王宮と庭園
- Comune di Bari (イタリア語) バーリ市公式サイト
- FERROTRAMVIARIA (イタリア語) バーリの私鉄
- FERROVIE APPULO-LUCANE (イタリア語) バーリからマテーラ方面へ行く私鉄
- スッド・エスト鉄道 (イタリア語・英語) バーリやターラントとアルベロベッロを結ぶ私鉄
- アルベロベッロ (イタリア語) アルベロベッロ公式サイト
- シチリアクラブ (日本語) シチリア島タオルミーナからの最新現地情報
- Comune di Palermo (イタリア語) パレルモ市公式サイト
- パレルモ観光局 (イタリア語・英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語) 珍しく英語サイトも充実
- see Palermo (英語) パレルモのガイド
- see Palermo Monreale Abbey (英語) see Palermo の中のモンレアーレの紹介
- The Vally of the Temples (英語・イタリア語・フランス語・スペイン語・ポルトガル語) アグリジェント神殿の谷の案内
- Comune di Taormina (イタリア語) タオルミーナ市公式サイト
- イタリア運輸省のストライキ情報 (イタリア語) ストライキのイタリア語はscioperi