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瀋陽の街と旧満鉄時代からの瀋陽駅

瀋陽は中国東北地方一の大都会。改革開放政策のもと、街も人々も活気にあふれています。

宿泊したホテルが、瀋陽駅から10分程度のところだったので、夜の駅まで歩いて行ってみました。新しい瀋陽北駅ができたからでしょう、瀋陽駅は旧満鉄の奉天駅時代のままの赤レンガ造りの駅舎でした。駅前広場には不似合いな、塔の上に乗った戦車が空を睨んでいます。

夜行列車を待っているのでしょうか、薄暗い待合室に大勢の乗客、切符売り場の窓口の前の行列、どこからともなく匂ってくる石炭の香り。そこには、東北新幹線が開通するはるか以前の上野駅にあったのと同じ雰囲気を感じることができました。

瀋陽故宮前の通りの賑わい 旧満鉄奉天駅時代からの赤煉瓦の瀋陽駅

翌朝再び駅を訪れると、周辺は活気にあふれていました。露店が並び、大勢の乗降客、ダフ屋でしょうか駅前広場で“丹東”と書いた札を持って大声で呼びかける男、横断陸橋の上では中国では御法度のはずのポルノ雑誌とおぼしき怪しげな雑誌を並べる男等々。露店で店番の小姐から、筆談で果物を買ってホテルへもどりました。

 

蒸汽机車陳列館

市の南部の郊外、瀋陽鉄路局の蘇家屯机務段(機関区?)に蒸気機関車の博物館、蒸汽机車陳列館があり、旧南満州鉄道の超特急“あじあ”号を牽引したパシナ型751号をはじめ、12ヶ国の機関車が静態保存されているそうですが、移転のために閉鎖された、移転計画は資金難のため中断等の情報もあり、残念ながら私はここへは立ち寄っていません。

その後、関西遼寧協会等を通じた日本からの寄付もあり、市内の植物園内に新しくオープンしたそうです。詳しくは、こちらをご覧ください

 


T454次特快にて大連へ

市内観光と昼食を済ませ、瀋陽北駅13:50発のT454次特快で大連に向かいます。さすがは特快。次の瀋陽に停車した後は大連まで397km、4時間半をノンストップで走ります。停車駅がやたらと多い日本の特急とは格が違うと思ったのですが、途中の信号待ちや徐行により、定刻の18:30から30分以上遅れて大連に着きました。

瀋陽北駅で発車を待つT454次特快 T454次特快のサボ

機関車の次位に電源車が付き、旅客車両は硬座も含め全車冷房完備、軟座車のシートはリクライニングはしないものの、枕も付いてなかなか快適です。

食事を済ませてから乗車しているのでお腹はすいていないのですが、食堂車が付いているのでビールでもと思って行ってみると見事に満席。後でもう一度出直したのですがやっぱり満席。でも、よく見ると食事をしている人はごくわずかで、あとは新聞を読んだりグループでトランプをしたり、寝ているやつまでいます。どうやら座席にありつけなかった硬座客の居候に占領されてしまっているようです。服務員も仕事をしなくて済むからでしょうか、追い出す様子も無く、言葉も通じないことからあきらめました。

T454次特快の軟座車 居候に占領されたT454次特快の食堂車

旧満州、中国東北地方の広大な大とが広がる車窓は、時折すれ違う列車以外は行けども行けども畑とポプラ並木が続きます。所々に街や工場が現れ、珍しい機関車を見かけることもあります。

車窓から すれ違った列車と凸型電気機関車 T454次特快の車内から見た鞍山の市電

大連までの途中、列車が鞍山駅を通過する手前で、長春、大連とともに中国東北地方に残る鞍山市電を見かけました。唯一写真に撮ったのは、長春の300型や大連の7000型と同じ角張ったタイプですが、かつて哈爾浜市電や大連市電でも使われていた日本製と思われる正面5枚窓、張り上げ屋根の流線型タイプも生き残っているのを車窓から見かけました。

残念ながら鞍山市電は、その後廃止になったようです。

T454次特快は、こちらでも紹介しています