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香港に向け出発

広州東駅では、ホームの先頭の機関車のところまで行くことができました。北京から牽引してきた韶山8型電気機関車はすでに切り離されており、東風11型ディーゼル機関車が先頭の客車である電源車に連結されます。

広州東から香港までも電化されており、スウェーデン製のX2000などの一端に電気列車も直通していますが、中国と香港特別行政区で電圧や周波数が異なるのでしょうか、最後 の区間はディーゼル機関車がT97次特快を牽引します。

先頭の機関車が切り離された 線路の向こうにも柵が 各車両のデッキ前に立つ服務員 残念ながらシルエット

列車は、香港特別行政区に隣接する深圳まで、高速で走ります。高包車担当の車掌の彼女戻って来て、換票証と引き替えに乗車券を渡してくれます。 張さんは広州に立ち寄る用事ができたそうですが、香港行きのT97次特快に乗ってしまうと広州で途中下車ができないのか、車掌から香港からまた広州まで戻る列車の切符を買っています。ここで私 が北京で買った時刻表が役に立ちました。

広州東を発車してから朝食をとりに食堂車に行こうとしたら、すでに営業を終了していました。残念。

広州東−香港九龍間では
東風11型DLがT97次特快の先頭に立つ
深圳を発車するといよいよ香港

経済特区で近年大きく発展し、高層ビルの建ち並ぶ深圳は時刻表では通過扱いですが、T97次特快は一旦停車しま す。ここまでは中国鉄路、この先の香港特別行政区内は九広鉄路(KCR)の路線になります。機関士が交代するのでしょうか。深圳を発車すると列車は小さな川を渡ります。ここがかつての国境、中国と香港特別行政区の境界だと、張さんが教えてくれました。

鉄道博物館のある大埔を過ぎると初めて海が見えます。最後のトンネルをくぐれば香港の市街地、26時間かけて札幌−鹿児島間に相当する2,400km余りを走り終えたT97次特快は定刻に香港九龍の紅磡駅に到着しま す。

 


香港のMRTと九広西鉄、軽便鉄路

張さんとはここでお別れ。向かいのホームに停車しているスウェーデン製X2000の“新時速”に乗り換えて、広州に戻っていきま す。しかし、新時速はすごい配色ですね。

駅の構内で香港特別行政区への入境手続を終え、銀行のATMで香港ドルのキャッシングをして外に出たところで、預けた荷物の受け取りを忘れたことに気付きました。空港ならもう戻れないところですが、 駅では荷物を忘れたと言えば出口からまた中に入れてもらえます。

広州東−香港九龍間の高速列車
スウェーデン製の新時速
九広西鉄の車庫にならぶ車両

日本からネットで予約したあったMRT(地下鉄)佐敦駅近くのホテルにタクシーで向かいます。チェックイン後、昼食に去年も立ち寄った店でプリプリの海老ワンタン麺を食べてから、佐敦駅で香港の乗り物に共通のICカードの乗車券、八達通(オクトパスカード)を買 います。T97次特快の車内で、張さんから10日前の2003年12月20日に開通したばかりと教えてもらった、九広鉄路西鉄の試乗に出かけます。

九広西鉄の終点屯門で接続する軽便鉄路
新しいタイプの車両
軽便鉄路ホームのオクトパスカード改札機
乗車と下車で色分け

佐敦からMTR(地下鉄)荃湾線美孚へ。新しい西鉄はホームドアが設置されています。美孚を発車した電車はいきなり長い山岳トンネルに入り、抜けるとそこは新界 。多くの編成が並ぶ車庫を過ぎると、超高層アパートが林立する香港のベッドタウンです。

日本製のスマートな電車は、終点の屯門まで、30kmを30分ほどでむすびます。屯門駅をはじめ、3つの駅で同じ九広鉄路(KCR)の経営するLRT軽便鉄路と接続し、乗客は路面電車タイプの電車に乗り換え団地内の我が家に帰っていきます。

九広西鉄については、こちらもご覧ください

     
軽便鉄路の電車の車内       新しいMTR東涌線電車

屯門から軽便鉄路で一回りして、兆康から再び九広西鉄で都心に戻ります。今度は終点の南昌まで乗って 、新空港特急と同時に開通した新しいMTR東涌線に乗り換え、海の下をくぐって香港島の香港駅へ。香港駅はMTR港島線の中環駅に地下でつながっており、乗り換え通路ではフリーのインターネット端末を見つけ、自宅にメールを入れます。

MTRの路線図はこちらにあります

 

二階建てのトラムに乗りに

今日は12月30日なのに、香港はまだクリスマスです。地下道の両側には 、七夕のような願い事を書いた( と思われる)短冊が飾られ、電車通りのビルにもクリスマスの飾り付けが残っています。英国植民地だった香港は、今でもHappy Christmas & Happy New Year で、新暦の正月はクリスマスのオマケのようなものです。

香港島中環のクリスマスの飾り付け 12月30日でもまだ残るクリスマスの飾り付け

地上に出ると、香港名物の二階建てのトラムがいます。東の筲箕湾(シャウケイワン)から西の堅尼地域(ケネディータウン)まで、香港島の北側のメインストリートを東西に走っています。路線の大半、筲箕湾から上環までMTRと並行していますが、安くて本数が多く手軽に乗れるトラムはいつも市民や観光客でにぎわい、活気にあふれています。