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北京の地下鉄1号線と2号線

故宮(紫禁城)には1995年にも訪れていますので、また別の機会にご紹介することにして次に進みます。天安門の前を東西に走る長安街の下に、前回の訪問時には西単で止まっていた地鉄(地下鉄)1号線が東に延長され、天安門西駅天安門東駅ができています。

1号線の電車は3扉のクリーム色に帯、正面1枚窓の新しいタイプもありますが、冷房はついていません。2002年12月時点で、2号線も含め切符は全線3元均一(1995年当時は5角だったので8年余りで6倍の値上がりです)で 、券売機はなく窓口で購入し、ホームの入り口で係員が手で切り取ります。

北京の市街地を東西に貫く地下鉄1号線

東西に北京の街を貫く1号線は、ロの字型の2号線と、西は復興門、東は建国門で交差しています。2号線に“門”の名前のつく駅が多いのは、城壁を撤去した後の道路の下に建設されたからだとか。建国門駅で2号線に乗り換えます。

2号線の電車も3扉でクリーム色に帯、1号線も含め車体は中国製で側窓は固定式、冷房がなかった当時の日本の電車のように、天井の中央にファンデリヤがならんでいて強制換気式ですが、夏季の暑さに対応できるのでしょうか。

ロの字型に周回する地下鉄2号線 地下鉄2号線の電車の車内 1号線もほぼ同じ

2002年に、郊外の団地の足として新しい城市鉄路(都市鉄道)地鉄13号線が部分開通し、2003年に全通しました。ロの字型の2号線の両肩に当たる東直門西直門で接続し、北京市の北の郊外を逆Uの字型に走っています。東直門駅は 地下にありますが、現段階では2号線からの乗り換えは一旦地上に出て歩かなければなりません。

大阪の地下鉄御堂筋線の雰囲気を持つ2号線東直門駅 13号線(城鉄)東直門駅の通路で見かけた300系新幹線の広告

13号線は運賃が別計算で3元均一、1号線や2号線から乗り継ぐときは、あらかじめ窓口で13号線と言って(私は13号銭(中国ではこう書きます)とメモ に書いて見せました)5元の連絡切符を買います。東直門駅の乗り換え通路で、日本の300系新幹線をあしらった地下鉄の広告がありました。他でも見かけましたので、北京では新幹線といえば300系なのかもしれません。

 

地下鉄13号線の新車

13号線は、当初は1号線と同じ車両が使用されていたようですが、2003年中に全て新車に置き換わりました。流線型でVVVFの4扉車、車体は中国製で北京のメーカと長春のメーカがあるようです。車内は冷房完備のようですが、旧型車にあったシートのクッションは、 紺色の硬いプラスチックに変わっていて、長時間座っているとお尻が痛い。

東直門を出るとすぐに地上に顔を出し、終点の西直門まで約40kmを1時間近く北京郊外の車窓を楽しめます。千葉ニュータウンの北総線を思わせるような、郊外の造成地に突如巨大な高層住宅 やオフィスビルが出現すると駅があるといった風景です。

13号線の一方の終点西直門は
国鉄北京北駅に隣接した高架駅
地下鉄13号線の新車の車内

今まで均一料金だった北京の地下鉄も、2008年のオリンピックに向けて路線の整備が進み、料金も区間制に移行しようとしています。その第一歩として、2003年末から13号線にICカード対応の自動改札機が導入されました。JR東日本と同じ形状の日本製とみました。いきなりSUICAやICOCAの世界に飛躍です。

北京の地下鉄13号線の新車と自動改札機導入は、こちらでもご紹介しています。

翌朝、地下鉄の切符売り場の路線図が変わっているのに気付きました。前日に1号線の延長線、八通線が開通していたのです。でも、香港に向けて出発する日のため、試乗は次の機会までお預けです。

北京の地下鉄の路線図はこちらをご覧ください。 横に走る黄土色の四恵東駅から西の部分が1号線、東の部分(正確には一つ手前の四恵駅から東の部分が八通線、中央の緑の環状が2号線、紫が13号線(ただし2本の枝線はまだできていません)、南北に走る黒が工事中の5号線です。

1号線や2号線も路線の改修と冷房付きの新車への置き換えが計画され、2008年の北京オリンピックに向け、4号線、5号線、10号線の建設に着手したそうです。ここ数年で、北京市内の交通地図は大きく変わりそうです。

 


動物園前からオンボロバスに乗る

話を元に戻して、13号線の西直門駅から外に出ると、自転車タクシーの運転手が客を待っています。故宮天壇公園とならぶ北京の世界遺産、頤和園に行こうと思いバスの始発である動物園まで乗ってみようかな、とも考えたのですが、ぼったくられるのがオチと思い歩きました。

ちょっと乗ってみたい西直門駅前の三輪自転車タクシー 旧式の連結トロリーバスもまだ残っている

パンダで有名な北京動物園は、西直門から歩いて10分ほどのところで、バスのターミナルにもなっています。もう上海では見かけなくなった旧式の連結トロリーバスも、北京ではまだ健在です。

頤和園行きの332路(系統)は、旧式の連結バス。1995年当時は市内路線のバスもトロリーバスも全て連結タイプだったのですが、今ではすっかり少数派になりました。2008年の北京オリンピックが始まる頃には もう残っていないでしょう。

頥和園行きの332系統は旧式の連結バス 運転台の横に飛び出したフロントエンジンのカバー

空車が始発のバス停に来ると、待っていた乗客が一気に入り口に殺到します。突き飛ばされながらも何とか座席を確保しました。連結バスのドアは前の車両に1個所と後ろに2個所、真ん中のドアを除き車内にカウンターがあ って、どんなに混んでも1両に2人の車掌はここに悠々と座って切符を売っています。

連結面から後ろの車両を見る 連結面から前方 カウンターに守られ車掌が座る

オンボロバスには冬でも暖房はありません。横引きのガラス窓は、きちんと閉めても振動でずれてすきま風が吹き込んできます。こうして市内から北西へ、30分程バスに揺られて終点の頤和園に着きました。

バス停で降りても頤和園の入り口がわからずウロウロしていると、おじいさんが“サマー・パレス”と声をかけて教えてくれました。ここは清朝のの離宮で、英語名が“Summer Palace”です。