HOME  1/8page  2/8page  3/8page  4/8page  5/8page  6/8page  7/8page  8/8page


西太后の頤和園

頤和園の歴史は古く、の時代に離宮の原型ができ、明の時代に整備が進み、乾隆帝が前身である清猗園(猗の字にはさんずいがつく)を造成したのがはじまりだそうです。

 西太后が政務をとり外国使節を謁見した仁寿殿 昆明湖の南湖島に架かる十七孔橋 太陽がスモッグに霞む

アヘン戦争で焼き討ちにあって廃墟となってから放置されていたものを、西太后が海軍の経費を流用して修復し、自分専用の避暑地にしたお気に入りの場所だそうです。でもこれが財政危機を招き、予算が削減された軍は日清戦争に敗れ、清朝滅亡への道を歩むことになります。

290ヘクタールに及ぶ広大な面積の3分の2は人造湖である昆明湖で、掘り出した土で築かれた万寿山の織り成す景色は素晴らしい のですが、この日は北京名物のスモッグで霞み、昆明湖は全面氷結していました。墨絵の世界です。

     
氷結した湖を歩く観光客
後方は万寿山にそびえる仏香閣
      柱の梁に花鳥風月、歴史、
古典絵が描かれた長廊

東宮門から入ると、西太后が政務をとり外国使節を謁見した仁寿殿があります。長さ700m以上に及ぶ長廊を半分渡ったところにあるのが排雲殿。乾隆帝が母の還暦を祝って建てた大報恩寿寺を、西太后が再建した頤和園の正殿で、殿内中央には西太后が座った宝座があります。

長廊が尽きるところに石の船なので石舫とも呼ばれる清晏舫があります。これも乾隆帝の時代に建てられ、沈まない王朝を象徴しています。英国軍の焼き討ちで上層部分が焼失したものを西太后が西洋風に再建 したとか。

排雲門の向こうに排雲殿 後方には仏香閣 氷結した湖と石舫(石の船)

頤和園をあとに、再びバスに揺られて動物園へ。ここで北京駅行きのバスを見つけて乗り換えました。前と中扉の新しい車で、ドアの付近のカウンターがないのでワンマン かと思ったら、中扉の前の席が車掌専用の座席になっていました。天安門広場の近くを通ったので途中下車。

バスやトロリーバスは地下鉄より安く、2003年末現在で1元(13円)均一です。それでも1995年当時は2角でしたから5倍の値上がりです。

 


再び夜の王府井

昨夜に続いて北京の銀座、王府井にやってきました。近くには立派なルネッサンス様式の教会もありライトアップされています。夕食は大きなショッピングセンター新東安市場の上層階にある食堂街で、北京で流行の火鍋にしました。

ライトアップした王府井の教会 牛肉とマトンのしゃぶしゃぶ(火鍋)

牛肉とマトンのしゃぶしゃぶで、一番高いメニューを注文したら、量が多くてとても全部は食べきれません 。それでも、ジョッキのビールを含めて400円ほどですが。

 


香港へ向けて出発

中国3日目は、列車で香港に向けて出発です。その後のダイヤ改正で列車の時刻が変更になっていますが、2003年12月は北京発が奇数日の10時06分でした。切符のケースに、発車の20分までにチェックインを済ませることと中国語と英語で書かれています。始発の北京西駅にはまだ地下鉄の接続がないので、道路の渋滞をさけるため2号線の最寄り駅まで乗って、そこからタクシーにしました。

新しい北京西駅は、JRの京都駅を上回る威容です。一般の列車は2階の改札からホームに降りる構造ですが、香港行きのT97次特快だけはそのまま向かって右の方に進むように との表示が出ています。ここでちょっと失敗をしました。手持ちの中国元が100元(1300円)程度しかなく、ホテルを出るときに両替を忘れたので、先にチェックインを済ませてから朝食と両替に行こうと思っていました。

威容を誇る新しい北京西駅 T97次特快の先頭に立つ韶山8型電気機関車と黄色いテープ

駅の1階にT97次特快専用の入り口があります。まずは荷物のX線検査を通り、次に切符のチェックと荷物預けです。空港と同じ システムです。この時初めて知ったのですが、空港と違う点は荷物が有料!。荷物料に加え施設使用料(一方が20元で他方が30元)とあわせて50元も取られてしまいました。次は出国審査(中国から香港特別行政区に入るにはパスポートが必要)です。

手持ちの現金が50元に減ってしまったので、出国審査のカウンターでこの先の駅のホーム等で日本円から中国元に両替できるか聞いたところ“NO”。食堂車でクレジットカードか米ドル(少し持っていました)が使えるか聞いたら“NO”。それなら両替のために一度外に出たいと申し出たのですが“NO”。カウンターの上に手持ちの中国元を全て並べて、これでは食事もできないと訴えたのですが、 服務員は“香港に着いてから両替するしかないね”。

何とかしてよ!とねばったら、向こう側のカウンタに行けと指示します。気を利かして両替してくれるのかと思ったのですが、日本語の話せる服務員がいるだけで、もう一度日本語で同じことを言っても、“できない”の返答。あきらめて出国審査を通り抜けると、そこはもうホームで、すでに列車が入線しています。

ホームの上にもその先の線路上にも監視員の姿が 京九特快T97次高包車側面の北京西−香港九龍のサボ

とりあえず、先頭の機関車のところで写真を1枚と思って前に行くと、ホームの係員に制止されます。黄色いテープが張ってあり、その先が中国なのでしょう。テープを超えると密入国になるのかもしれません。今いるホームは中国を出国済みということでしょうが、ホームに免税店はありません。あっても中国元の余裕ががありませんが。

出入国の手続は、広州香港の間で行うものと思っていたので、北京西駅で出国とは意外でした。2002年末の上海駅で見た上海−香港間の姉妹列車T99次快速の場合、駅の入場券で香港行きの車両の前まで行けたので、この1年で出入国のやり方が変更になったのかもしれません。

発車前のT97次特快の各車両の入り口には1人ずつ服務員が立ち、乗客の切符をチェックしています。気を取り直して、切符に書かれた10号車の高包車(2人用の個室寝台)に行き、入り口で車掌の小姐に記念に“北京西−香港九龍”と書かれたサボ(行き先札)の前でカメラのシャッターを押してもらいました。なかなかの美人だったので、“一緒に写真を撮ってもいい?”と聞いてみたところ、“仕事中だからダメ”と断られてしまいました。残念。