旅の車窓から
米国アラスカ アンカレッジ・デナリ・ウィッティア |
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2004年の夏休みにJALのチャーター便で米国アラスカ州に行きました。 東西冷戦時代、西側の飛行機はソ連の上空を避けるため、日本とヨーロッパを結ぶ北回りの便はアラスカを経由し、給油のためにアンカレッジに降りていました。ヨーロッパからの帰りに、アンカレッジの空港内のうどん屋に立ち寄ると、日本に半分帰った気になったとか。
北回り便がなくなった今、アラスカへは西海岸のシアトル等での乗り継ぎや、ニューヨーク便の一部が立ち寄る大韓航空や中華航空にソウルや台北で乗り継ぐのが一般的ですが、夏の観光シーズンや冬のオーロラシーズンにはアンカレッジ直行のチャーター便が飛びます。
アラスカ州の州都はカナダの太平洋岸に張り付いたジュノーですが、最大の都市はクック入江の奥に位置するアンカレッジで、州の人口61万人の4割、25万人が居住しています。
※ 最終ページの末尾にそれぞれリンク先を設けました。詳しく知りたい方はご利用ください。
夕刻に成田を離陸したJALのチャーター便のジャンボ機は、日付変更線を越えて同日の朝のアンカレッジに着陸します。と言っても、成田を発ってからまだ6時間半、日本時間では午前1時です。機内 では後部が空いていたので、シートの肘掛けを全部跳ね上げて横になることができました。これなら、エコノミーでもビジネスクラスなみ。
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アラスカでは小型機は自家用車代わり | 地震公園の入り口 |
アンカレッジ空港は ダウンタウンの南西10km程のところにあります。空港の外に出ると、水上飛行機が何機も水面に浮き、上空を舞っています。ここでは小型機が自家用車代わりになっています。
空港近くのクック入り江に面した斜面に地震公園があります。1964年のアラスカ大地震を記念したモニュメントが建っています。ここからクック入り江の向こうに、アンカレッジのダウンタウンを望むことができます。
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地震公園のモニュメント | クック入江の向こうにアンカレッジダウンタウンの高層ビル |
アンカレッジのダウンタウンは、通りが碁盤の目の用に配置されたわかりやすい街です。東西の道路は北の1stAve(1番街)から順に2,3,4…と、南北の道路は東のA Streetから順にB,C,D…と番号が付けられています。
一番街の北へ、アラスカ鉄道と川をまたぐ橋が架かり、その下の流れの中をサケが遡上してきます。ここ、シップクリークでは釣をする人も多く見られ、アンカレッジはのんびりとした街です。
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市内を流れるシップ・クリーク | 産卵のため遡上するサーモンの群れ |
シップクリークのそば、一番街に面してアラスカ鉄道のアンカレッジ駅があります。昼間は列車の発着がなく、閑散としていますが、待合室の売店は開いており、カレンダーなどのアラスカ鉄道グッズを買い求めました。駅前にはトーテンポールが建ち、小さな蒸気機関車が 保存展示されています。
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アラスカ鉄道アンカレッジ駅 | 駅前のトーテンポールと蒸気機関車 |
駅の裏、線路の向こう側にアラスカ鉄道の本社が建っています。駅前の坂を登ると3番街、高層のヒルトンホテルがそびえ、その向こう側の通りはアンカレッジの銀座、4番街でデパートや土産物店が建ち並び、観光客で賑わっています。
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アンカレッジ駅から踏切を渡った裏にあるアラスカ鉄道本社 | 短い夏の花が咲き乱れる5番街の公園 |
街中には公園も多く、短い夏に色とりどりの花が咲き乱れています。夕食に、6番街の日本料理店に行きました。八代亜紀の曲が流れる店内で、現地駐在員でしょう、韓国人ビジネスマンが賑やかに話をしている脇のカウンターで は、アメリカ人が一人で刺身で冷やの日本酒をやっています。
私たちも刺身の盛り合わせを注文しました。海老やサーモンはおいしかったけど、マグロと白身の魚は水っぽくてイマイチ。店のおばちゃん(おそらく日本人)に魚の名前を聞くと“ハリバット”。あとで調べてみると、オヒョウのことでした。
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星条旗の翻るディレーニーパーク | スター君はペットのトナカイ |
9番街と10番街の間は、広くて東西に長い公園、ディレニーパークになっていて、ここから南は住宅地です。その一角にある、一般家庭にペットとして飼われているトナカイの名はスター君。朝は飼い主に連れられてお散歩に行くそうですが、こんなものまでガイドブックに載るほど何もない街です。
でも、人口が少なければ犯罪者も少ないのでしょう、アンカレッジはとてもアメリカの街とは思えない、日没後に一人で歩いても怖くない街です。