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5日目はバスでグラナダから北へ向かってマドリード近郊、ラマンチャ地方の風車の村、カンポ・デ・クリプターナを目指します。ドン・キホーテが巨人と思いこんで風車の群れに向かって突進した物語の舞台となったのは、この村だったとか。車窓のオリーブ畑の向こうの丘の上に、何基かの風車が並んでいるのが見えてきます。
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車窓から望むラマンチャ地方 オリーブ畑の向こうの丘に風車が並ぶ |
粉をひくためオランダの風車をモデルに作られたラマンチャ地方の風車ですが、今では観光用に残っているだけです。木の枠で作った4枚の羽根に本来ならばキャンパスが貼られていて、風を受けて回転する構造ですが、今ではいくら風が吹いても回りません。
風車の後ろを見ると、円錐形の屋根に長い棒がついています。これを使って、屋根に取り付けられた羽根を、風の来る向きにあわせるよう、屋根を回転したのだそうです。
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カンポ・デ・クリプターナの風車 | 風車の後ろはこんな姿 屋根についた棒で向きを変える |
カンポ・デ・クリプターナは風の吹き抜ける場所なんでしょう、車窓には現代の風車、何基もの風力発電のプロペラが勢いよく回っているのを見ました。
カンポでクリプターナから東へ向かいます。この日のバスの走行距離は600kmを超え、夕刻になってやっとバレンシアに到着。国鉄の近郊線、セルカニアスの駅近くのレストランに入ります。ここのセルカニアスは電化されておらず、気動車で運行されています。
バレンシアの名物といえば、米と肉・魚介・野菜などをオリーブ油でいため、サフランを加えて炊いたスペインを代表する料理、パエリアです。ドングリを食べて育った黒豚の生ハム、ハモン・イベリコも実に美味です。
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バレンシアの近郊線 セルカニアスのマークの立つ駅と気動車 | バレンシアのレストランでハモン・イベリコ(上)とパエリア(下) |
6日目はスペイン第2の都市、バルセロナに向かいます。ツアーはバスで5時間かけて行くため、スペイン第3の都市、バレンシアは郊外のホテルに1泊しただけで、市内を見ることもなくそのまま高速道路に乗ってしまいます。
私たちは、例によって荷物だけバスに積んでもらい、身軽になってスペイン在来線の高速列車、ユーロメッドでバルセロナまで、3時間の列車の旅です。ホテルでタクシーを呼んでもらい、バレンシア駅から1km程のところにある大聖堂に向かいます。運転手に“カテドラル”と言っても通じません。メモに“Catedral”と書いて見せたら“OK”。
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大聖堂とミゲレテの塔 | 世界遺産に指定されているラ・ロンハ |
バレンシアの大聖堂は、ローマ時代に神殿のあった場所に、13世紀に建設が始まり、100年以上かかって完成したとか。隣にある高さ50mのミゲレテの塔に上ると市内が一望できるとのことですが、朝が早くてまだ閉まっていました。
近くには、15世紀末にイスラム王宮跡に交易所として建てられたラ・ロンハがあり、その向かいはメルカード・セントラル、中央市場です。朝から賑わっていて、肉、魚、野菜、果物から雑貨まで何でもあり、通り抜けるだけでも楽しいところです。
バレンシアには、地下鉄1号線と3号線、それにLRTの4号線があるのですが。残念ながら時間に余裕がなく、乗ることができませんでした。その後、2003年には、国鉄のバレンシアノルド駅に接続する地下鉄5号線も開通したそうです。
路線図は、こちらをご覧ください。
中央市場を正面から裏まで通り抜けたのが間違いのもとでした。ガイドブックをバスに預けた荷物に入れてしまったので地図がなく、中央市場の裏口から駅はこちらの方角だろうと思って歩き出したのですが心配になり、道を尋ねてみました。
と言ってもここはスペイン、英語は全く通じません。私がわかるスペイン語は、“レンフェ、エスタシオン”(RENFE=スペイン国鉄、エスタシオン=駅)だけです。身振りを交えながら教えてくれるのですが、よくわかりません。さらに先で別の人に聞いてみると、どうやら遠いと言っているようです。列車の時間まで20分ほどになり焦ってきました。
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近郊列車セルカニアスの電車と中距離列車レジオナレスの気動車 | 近郊線セルカニアスの気動車 |
さらに3人目も道は複雑なようなことを言っているところに、運良くタクシーが通りかかりました。教えてくれようとしていた人に“グラシアス”と礼を言ってから乗り込み、運転手に“レンフェ、エスタシオン”と告げると、なんとラ・ロンハの前を通って バレンシアノルド駅まで行ってくれました。あとで地図で確認したところ、方角を90度間違っていたようです。
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バレンシアとマドリードを結ぶ振り子式のアラリス | バルセロナ行きユーロメッドの入線 |
バレンシア・ノルド(北)駅は、ヨーロッパの中央駅に多い行き止まり式のホームです。白と赤の近郊列車セルカニアスの電車や気動車、Rに矢印の中距離列車レジオナレスの気動車とともに、イタリア製ペンドリーノの広軌版、首都マドリード行きのアラリスが発車を待っています。
バルセロナ行きのユーロメッドは、バレンシアからさらに南にあるアリカンテが始発です。乗車券には号車番号と座席番号は印字されていますが、日本と違ってホームに号車位置の表示がありません。AVEにそっくりの列車が入線してきました。乗客は荷物を持って右往左往。
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スペイン国鉄の電気機関車 広軌だけあって大きい | プッシュプルの客車のようにも見えるがパンタがあり電車でしょうか |
ユーロメッドは、バレンシアで進行方向が変わります。街並みを抜けると、車窓にオレンジ畑が広がります。ここはバレンシアオレンジの産地です。海岸沿いを走るときは、地中海が見えます。時速300km/hの新幹線AVEに対し、在来線のユーロメッドの最高速度は200km/h。それも、最高速度の出せる区間は一部だけのようです。