コインブラB駅の列車

コインブラはリスボンの北約200km、リスボン、ポルトに次ぐポルトガル第3の都市ですが、人口は約9万人にすぎません。特急Alfaや特急IC、急行IRはコインブラの郊外、リスボンとポルトを結ぶ幹線上にあるコインブラB駅に停車します。

コインブラB駅のリスボン・サンタ・アポローニャ行き急行列車	ポルト・カンパニャン行き特急Alfa 窓上の黄色いラインは1等車

リスボンのサンタ・アポローニャ駅からAlfa(停車しないものあり)やICでコインブラB駅まで約2時間、ポルトから1時間15分程度です。1等は片側1人がけ、通路をはさんで2人がけ、2等は両側2人がけのシートで、コンパートメントは見かけません。ヨーロッパによくある片側に機関車を付け他端の客車に運転台を設けたプッシュプルも、ポルトガルにはないようです。

コインブラB駅を通過する貨物列車	コインブラB駅を通過する貨物列車

幹線だけあって、貨物列車も頻繁に運転されています。コインブラB駅は1〜7番線まである駅でありながら跨線橋がなく、列車の入線時には構内の踏切に旗を持った係員が立ちます。

また、普通電車の発着番線は決まっておらず、ホームに行き先表示は全くなく、車両にも行き先表示のない電車が多く、ホームのインフォメーションには英語の話せる職員を配置しているとはいえ、あまり親切とはいえません。

本線の気動車　1等と2等の合造車	コインブラB駅に留置の保線用機械

アベイロにあったローカル線用の気動車を一回り大きくしたような、本線用の気動車もいました。やはり1両の中に1等と2等がある合造車です。

コインブラの街の中心にあるコインブラA駅へは、ここで普通電車に乗り換えます。

　

大学の街コインブラ

本線から直通する普通電車は、コインブラB駅から分岐してモンデーゴ川沿いに走り、コインブラの街の中心にあるコインブラA駅に到着します。

コインブラＡ駅の普通電車	コインブラのトロリーバス 右上がコインブラ大学

コインブラにも、かつては路面電車があったそうですが、街中にはその面影は何も残っていません。その代わりでもないのでしょうが、トロリーバスが走っています。リスボン−ポルト間でトロリーバスを見かけたのはここだけです。また、私は行ってないのですが、市電博物館のようなものがあるらしいという話を聞きました。

新サンタ・クララ修道院	新サンタ・クララ修道院から見たコインブラの街

コインブラA駅の先にあるポルタジェン広場の前に架かるサンタクララ橋をわたり、川の対岸の丘に登ると新サンタクララ修道院があります。修道院の庭から、正面のアツカソバの丘の上に建つコインブラ大学をはじめ、コインブラの街が一望できます。

旧校舎構内と時計台とラテン回廊	右がコインブラ大学図書館

コインブラはポルトガルのハイデルベルクともいわれる大学の街で、かつて王宮として使われていた旧校舎や図書館を始め、コインブラ大学そのものが観光コースに組み込まれています。

旧校舎の一角に建つ高い塔は、講義の始まりを知らせる鐘塔で、コインブラの街のどこからでも望むことができます。隣の階段を上がった通路は、かつてここから先はラテン語を話すことを義務づけられたので、ラテン回廊と呼ばれているとか。

コインブラ大学図書館の内部				コインブラ大学図書館の天井画

18世紀の初めに建てられた図書館は、世界で最も美しくポルトガル最高の文化財ともいわれています。部屋の周囲の本棚には金箔を使った美しい装飾が施され、天井には英知の女神が描かれています。

コインブラ旧市街				どこへ行ってもお菓子屋さんが多い

コインブラA駅近くのポルタジェン広場周辺の旧市街を歩くと、お菓子屋さんのお店が見つかります。どこの街へ行ってもお菓子屋さんは繁盛しており、ポルトガル人は、おじさんまで含め、甘いものが大好きなようです。