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ポルトガル第2の都市ポルト

ポルトはリスボンから北へ300kmあまり、ポートワインで有名なポルトガル第2の都市です。ドウロ川を見下ろす丘には、中世以降の様々な様式の建物が混在します。千年以上かけて発展してきたカラフルな街並みは、ポルト歴史地区として世界遺産に指定されています。

上下二層になったドン・ルイス一世橋とポルト市街 ドウロ川 右上がノッサ・セニョーラ・ド・ピラール修道院

ドウロ川の近く、対岸にポルトの旧市街を望むノッサ・セニョーラ・ド・ピラール修道院の展望台に立つと、ドン・ルイス一世橋が目に飛び込んできます。起伏の多いポルトの街にあわせ、上下二層になった鋼鉄の橋で、19世紀末に、パリのエッフェル塔の設計者の弟子によって架けられたそうです。

 


ポルト・サンベント駅の列車

列車でリスボンからポルトへ行く場合は、リスボンのターミナルサンタ・アポローニャ駅から特急Alfaや特急ICで3時間半、急行IRで4時間余り、ドウロ川の高い鉄橋を渡りカンパニャン駅に到着します。

ポルト サンベント駅 ステンレスの電気機関車牽引ローカル客車列車

ローカル列車に乗り換えると、トンネルを抜けて市街地にある頭端式のホームを持つサンベント駅です。ここには、ICやIRは来ませんが、電車、気動車、電気機関車やディーゼル機関車の牽引する赤と白に塗り分けたローカル客車列車など、様々な列車が出入りしています。

ローカル客車を牽引する凸型ディーゼル機関車 ステンレス車体の気動車 半室1等の車両もあり

サンベント駅は、駅舎の外観も立派ですが、内部のコンコースの壁はポルトガルの歴史や生活を描いた青い絵タイル、アズレージョになっていて、これも見事です。

ステンレス車体の国電 国電の車内は4人がけと6人がけのボックスシート

 


ポルト旧市街

サンベント駅に隣接するリベルダーデ広場には、初代ブラジル国王となったドン・ペドロ4世の像が建ち、その奥には市庁舎の塔が高くそびえています。

リベルダーデ広場 正面は市庁舎の塔 カテドラル

サンベント駅からドン・ルイス一世橋の方向に向かうと、市街が見渡せる丘の上に、駅を見下ろすようにカテドラルが建っています。要塞を兼ねた教会として、12世紀に建てられてから改装を重ねて現在に至っています。

     
石畳の坂道 ポルト旧市街       エンリケ航海王子広場に向かって建つポルサ宮

旧市街の石畳の急な坂道をドウロ川に向かって下っていくと、エンリケ航海王子の像の建つ広場に向かって、ポルサ宮があります。19世紀のはじめにポルトの商業組合の建物として作られ、最近まで証券取引所として使われてきたネオクラシックの建物です。

 


ポルトの市電

ポルトの街中に最後の1系統のみ残っている18系統の市電は、サンベント駅前から急な坂を下り終えたポルサ宮の先にあるサンフランシスコ教会のそばが始発です。

走っている電車は、クラシックな単車(同じスタイルで車長をのばしたボギー車も見かけました)で、これでも車内はセミクロスシート。車掌さんが車内で切符を売り、サンフランシスコ教会前の折り返し点では、1本のポールを架線からはずして後方へまわす「ポール回し」までやって見せてくれます。

     
フォス城の近くを走るクラシックなトラム       サンフランシスコ教会近くの終点

クラシックなトラムはドウロ川に沿った平坦な道を西へ、大西洋にそそぐ河口にあるフォス城まで行き、ここで東に方向転換してネアヴィスタ通りを市の中心の方に向かうV字を横倒しにしたような平坦な路線です。市電のレールの幅は標準軌のように思いました。

海岸に建つフォス城 かつてドウロ川でワインの原料や樽を運んだ帆船ラベロ

こんな古典的な電車だけで普通に営業しているところは世界でもほとんどないと思います。ただ、運転本数が少ないのに、停留所に時刻表示はありません。私は、電車に乗るため夕方の6時前からずっと待っていたのですが、やっと現れたのは50分の後。それでもお客さんは私を含めわずか3人でした。

その後、21世紀になってポルトにも新しいLRTの路線が開通したそうです。

 


ポートワインの工場

ポルトといえばワイン工場。ドウロ川の上流では、良質のブドウが作られ、市街地からドン・ルイス一世橋を渡った対岸にあるヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア地区には多くのワインのセラーが並んび、その前のドウロ川には、かつてワインの原料や樽を運んだ帆船ラベロが浮かんでいます。

ポートワインのサンデマン トレードマークの黒マントで見学者を案内

多くのワインセラーでは、無料で見学や試飲ができるようになっています。サンデマンでは、そのトレードマークである黒いマントにつば付きの帽子姿の女性が工場の中を案内してくれました。