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とりあえず、1両目の誰もいないコンパートメントを確保したとことで、定刻に発車です。列車がドーム屋根に覆われたヴロツワフ本駅を抜けると、電気機関車や通勤型でしょうか、2階建ての客車、2軸の木造貨車やレールバス等、いろんな車両が車窓を横切っていきます。
ホームにいた係員は車掌さんでした。発車するとすぐに検札にまわって来ます。
留置された電気機関車と客車 | レールバスと木造貨車 |
車内が異様に暑いことに気付きました。余裕を持たずに駅に来て、切符を買うのに焦って、走って汗をかいたのですが、それに加えてこのコンパートメントには8月だというのにヒーターが入っています。隣のコンパートメントを覗くと、やはりこちらも。とりあえず、窓を開けてしのぎます。
二階建ての客車 | 停車駅で言葉を交わす乗務員 |
1両目の客車で窓を開けていると、さわやかな風とともに電気機関車の吊りかけモーターの音が響き、シャーーというブレーキ音が聞こえてきます。
駅の売店で、昼食を仕入れる時間がなかったことに気付きました。とりあえず、食いっぱぐれたときのために日本から用意してきた非常食のパンでしのぎます。
普通列車の電車 | ローカル線の新型ディーゼルカー |
この列車は急行列車のようで、概ね30分間隔で主要駅に停車して、次々と乗客を拾っていきます。一人で占領していたコンパートメントにも、4人の家族連れと一人旅の若い女性が乗ってきました。下手な英語で話しかけてみますが、全く通じません。そういえば、いつの間にか車内の暖房は切れています。
沿線の車窓は、まるで北海道です。ポーランドは、どこまでも緑の平野が続きます。トンネルは1ヶ所もありません。停車駅では、国電や、ローカル線のディーゼルカーが乗り換え客を待っている場合もあります。
赤に窓上黄色帯は一等車 | 扇形機関庫に並ぶ電気機関車 |
ヴロツワフから190kmに2時間40分かけて、途中で一番大きな駅と思われるカトビツェに到着です。ここから路線が放射状に6方向に分かれていきます。
機関区がありたくさんの電気機関車が休んでいます。1両だけ、活きていると思われる蒸気機関車の姿も見かけました。この駅で乗務員が交代します。
活きている蒸気機関車 | ポーランド国鉄は貨物輸送も盛ん |
よく貨物列車とすれ違います。ポーランド国鉄は、貨物輸送も盛んなようです。なかでも、石炭を満載した貨車をよく見かけます。貨車の並ぶヤードを見ると、かつての日本の国鉄を思い出します。
ラッセル車のようだ | 車窓の教会 |
変わった車両がいました。ラッセル車のようです。両端にヘッドを取り付けているので、前後に自走できる構造でしょうか。冬が来るまで夏眠中です。
ポーランドは、ヨーロッパにおけるカトリックの東端になります。どの街でも、立派な教会が車窓を横切ります。また、沿線のいくつかの街でトラムの活躍が見られます。
放置されている赤錆た蒸気機関車 | タンク機関車とテンダ機関車の廃車体 |
クラクフかなり近いところまで来て、Krzeszowiceという駅に停車したときです。ホームの向こうに何両もの蒸気機関車の廃車体が、赤さびた状態で放置されているのを見かけました。
クラクフに到着
ヴロツワフから268kmを4時間17分かけ、16時22分定刻に列車はクラクフ本駅のホームに滑り込みます。評定速度64.6km、まずまずのスピードです。私も含めクラクフで多くの乗客が下車しますが、また同じぐらいの乗客が乗り込みます。
クラクフ本駅に到着した列車 | いずこも同じ別れの情景 |
ホームでは、いずこも同じ別れの風景が。この列車、ここから東へウクライナの国境に近い、Zamoscまで行きます。終点到着は23時15分、まだまだこれからの方が長い道のりです。
ポーランド第二の都市だけあって、クラクフ本駅には、多くの列車が頻繁に出入りします。電気機関車が牽引する客車列車の他に東欧タイプの旧型国電や、西欧タイプの新型電車、はてはレールバスまであってバラエティーに富んでいます。
クラクフ本駅に到着する国電 | クラクフ本駅の駅舎 |
クラクフ本駅は、旧市街の北東に位置しています。駅前は工事中。今では大きなショッピングセンターがオープンして、買い物客でにぎわっていることでしょう。トラムの走る通りを歩いて、クラクフ旧市街に向かいます。