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オーバーランダー号の旅

パパクラから先に行く旅客列車は、1日に1往復のオーバーランダー号のみです。線路は単線になり、3つめの停車駅プヘコヘで貨物列車と交換のために停車します。ホームが1本だけの駅で乗降客はありません。乗務員も乗客も車外に出て、しばし休憩です。

貨物列車と交換待ちのオーバーランダー号 長い貨車を引き連れた貨物列車の通過

ディーゼル機関車が長い貨車を引き連れた貨物列車が通過すると発車です。貨物列車が遅れていたようで、オーバーランダー号の遅れも20分以上に増えました。

オークランドを出発してから、3時間近くたって、初めて街らしいものが見えてきました。4つ目の停車駅ハミルトンは、北島北中央部の中心となる市で、人口約18万人はニュージランドで第4位、北島ではオークランドとウエリントンに次ぐ規模です。

ハミルトンで子供達が乗ってきた オーバーランダー号の車窓 黒いのは放牧の牛

最近まで、ここから温泉とマオリ文化の観光地ロトルアに向かう路線が分岐し、オークランドから直通のディーゼル急行も運転されていたのですが、バスに勝てずに廃止されてしまったようです。

ハミルトンで前の車両に、子供達の団体が乗車してきました。車窓は緑の絨毯で、黒い点は放牧の、白い点はヒツジです。子供達は二駅だけ、6つめの停車駅テクイチで下車するまでの一時間足らずしたが、展望車に行ったりしてみんな列車の旅を楽しんでいます。

牧草地に白く見えるのは羊 入れ換え用の凸型ディーゼル機関車

ハミルトンから先は電化区間になります。貨物列車は電気機関車が牽引していますが、オーバーランダー号は、そのまま重連のディーゼル機関車が牽引します。7つめの停車駅タウマルヌイで1人の乗客が下車しました。観光客以外の利用客もあるようです。入れ換え用でしょうか、側線に凸型のディーゼル機関車が休んでいました。

オーバーランダー号の売店 昼食はラムのキャセロールにスモールピザとビール

線路の工事でしょうか、駅の途中で停車があり、列車の遅れは50分に達しています。お昼時になったので、売店に行ってラム肉のキャセロールポテトと野菜添え、スモールサイズのピザとビールを注文します。いずれも、電子レンジでチンするだけです。ニュージーランドビールは○ですが、ラムのお味は△、ピザは×でした。満腹にはなりました。

重連のディーゼル機関車に電源車兼荷物車が2両 その後ろには客車が4両つながる

オーバーランダー号の客車は、展望に配慮した広い窓ですが開けることはできません。デッキは手動ドアですが、運転中は閉じられています。荷物車兼電源車には、両端にオープンエアーの小さなデッキが設けられていて、ここで沿線の風景や列車の写真を撮ることができます。

列車はニュージーランド北島の中央部、山岳地帯に入ってきました。右に左に急カーブが続きます。 車掌が、沿線の見所を車内の放送で案内してくれますが、ここの英語はほとんど聞き取れません。

 

ナショナルパーク駅で列車交換

8番目の停車駅は、トンガリロ国立公園の入り口にあたる国立公園(ナショナルパーク)駅です。その手前に、線路が螺旋状に敷かれたラウリム・スパイラルがあります。3つの大きなカーブと2つのトンネルを通って、列車は220メートルの高低差一気に登ります。

最後尾の展望室はフリースペース トップ・オブ・ザ・スパイラルの国立公園駅

すでに、オークランドを出発してから6時間半が経過し、列車は12時50分の到着予定から1時間近く遅れてナショナルパーク駅に到着します。 トップ・オブ・ザ・スパイラルの表記があります。ここ、ナショナルパーク駅で、今朝ウエリントンを出たオークランド行きのオーバーランダー号と交換するはずですが、むこうも遅れていてまだ到着していません。

ナショナルパークに停車するオーバーランダー号 ホームにかかる旅客車は3両だけ

時刻表では、ここで45分停車することになっています。乗客は、手荷物を持って下車します。でも、荷物車に預けたトランクやバックパックを受け取る人はごくわずか。日本と違って、停車中にちょっと車外に出るときも、席に手荷物を残してはいけません。

駅舎の中では、カフェテリアが営業していますが、駅の周囲には他に何もありません。先ほど、車内で昼食を済ませたばかりなので、駅の周囲をぶらぶらして過ごしましたが、結果的にはここで食料を仕入れておくべきでした。

     
オークランド行きが入線       一旦駅を通り過ぎてからバックでホームにつける

やがて汽笛が聞こえ、オークランド行きのオーバーランダー号がディーゼル機関車に牽かれて1時間5分遅れで接近してきます。こちらは、機関車が1両、荷物車兼電源車が1両に客車が4両の編成です。ニュージーランド鉄道全線のうち、1日に1度、この駅でだけ行われる長距離旅客列車の交換です。

ナショナルパーク駅はホームが1本だけです。どこに停車させるのかと見ていたら、私たちの列車の脇をすり抜けて一旦駅を通り過ぎてからポイントを切り替え、同じホームの後方に展望客車を先頭にバックで入線してきました。

 


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