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旅の車窓から

ニュージーランド オークランド・クライストチャーチ

ニュージーランド北島にある最大の都市オークランドからニュージーランド鉄道のオーバーランダー号で首都ウエリントンへ、連絡船でクック海峡を渡って南島のピクトンからトランツ・コースタル号でクライストチャーチへ、トランツ・アルペン号で南島横断の鉄道の旅にご案内します。

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オークランド ウエリントン クライストチャーチ

大韓航空でニュージーランドへ

2005年の9月になってから遅い夏休み をとり、航空券が一番安かった大韓航空でニュージーランドに行きました。ロサンゼルスから来た成田経由のソウル行き夕刻便で発ち、夜の仁川で乗り継いだボーイング777機は再び日本の領空へ、唐津から鹿児島へ九州を縦断して海上へ出たあとは、ひたすら南を目指します。翌朝、飛行機が高度を落とし、陸が見えてくるとそこはニュージーランド北島です。

ニュージーランドは、オーストラリア大陸の東側、南太平洋に浮かぶ島国で、北島と南島を中心に、日本の4分の3の面積にわずか400万人余りの国民、でも、その20倍のヒツジが住んでいるそうです。英国のエリザベス女王をとする立憲君主国で、首都は北島の南に位置するウエリントン、最大の都市は北島の北に位置するオークランドです。

オセアニア独自の生態系を守るため、オーストラリアと同様にニュージーランドの検疫は厳しく、入国に際して食料品の持ち込みは申告が必要で、生もの以外でも使用している材料によって没収されます。また、検疫犬が監視しており、すべての荷物はX線でチェックされます。いつもは非常食として持ち込む、レトルトのお粥やカップラーメン も今回はとりやめ、唯一の「のど飴」だけは、キャンディーと言って見せたら問題なく検疫を通りました。

※ 9ページの末尾にそれぞれリンク先を設けました。詳しく知りたい方はご利用ください。

 


帆の街オークランド

日本/韓国とニュージーランドの間には3時間の時差(10月から3月はサマータイムで4時間)があり、空港の外に出るともう正午近くになっています。空港の外、9月のオークランドは春です。勤務を終えた キャビンアテンダントがタクシーに乗り込みます。大韓航空は半袖、シンガポール航空のキャビンアテンダントはカシミヤのコート姿。

空港と町を結ぶ青いエアバスの経路にあるホテルを予約してあり、運転手が乗車時に一人一人にどこで降りるか聞いてきます。ホテルの名前を告げると、クラウンプラザで下車するようにと教えてくれます。エアバスのルートは、インターネットにあった地図をプリントしてきました。居ながらにして世界中の情報が手に入る、便利な世の中になったものです。

オークランド一の繁華街クイーン通り 中央がブリトマート駅 赤いのは無料バス

ホテルではすぐにチェックインの手続ができました。翌日は、北島の北に位置するオークランドから、南にある首都のウエリントンまで、1日にわずか1往復のみの列車“オーバーランダー号”に乗る予定です。オークランド市内には、シティーサーキットという無料のバスが周回しています。ホテル近くのバス停から、“FREE”の表示のあるバスに乗って、 まずは駅の場所を確認に出かけます。

以前は市街地のはずれにあったオークランド駅が、近郊の通勤路線の乗客に便利なように地下で路線を延長し、2003年にブリトマート駅として、オークランド一の繁華街クイーン通りが海と交わるウオーターフロントにあった、もと郵便局の重厚な建物の地下に移転してきました。

ヨットの帆の向こうにマウント・ヴィクトリア デヴォンポートのさんばし 対岸がオークランド市街

近郊路線のチョイ乗りは後に回して、駅のすぐ目の前の埠頭から対岸のデヴォンポートに渡ってみることにしました。デヴォンポートは英国調の古い佇まいを残すで、フェリーはワイテマタ湾を20分ほどで横切ります。オークランドは別名、City of Sales(帆の街)と呼ばれていますが、目の前を何隻ものヨットが横切っていきます。

桟橋からヴィクトリア通りをマウント・ヴィクトリアに向かう マウント・ヴィクトリアからオークランド市街地を望む

桟橋の前の道が、しゃれたレストランやアンティークショップが似合うヴィクトリア通り。まっすぐ進むと小さな死火山、マウント・ヴィクトリアの登り口があります。標高が100m程度ですから、難なく頂上に立てます。風が強かったけれど、ここから南を見たオークランド市街地や、東にあるランギトト島の展望は絶景です。

マウント・ヴィクトリアからのランギトト島の展望 頂上にあるオークランドを守った砲台

湾の入り口に位置するため、頂上にはかつてオークランドに入港する船を見張った砲台が残されていました。

 


オークランドからオーバーランダー号に乗車

オーバーランダー号のオークランド発車は7時25分。乗り遅れないように早めにホテルをチェックアウトしました。バスの時刻はチェックしてあり、駅まで歩けない距離でもないが、念のためにタクシーを呼んでもらいます。ニュージーランド人の英語と違い、フィリピン人運転手の使う英語のわかりやすいこと。でも、しっかり遠回りされました。以前の駅と場所を間違えたって、オークランドで18年も運転手をやっていて、間違えるわけないだろう。

重厚な駅舎とは対照的に、モダンな構内です。3方向の近郊線があり、それぞれに1本ずつホームが割り当てられていて、1番線から6番線まであります。電化はされておらず、近郊線はディーゼルカーまたは一端にディーゼル機関車がついて他端の客車にも運転台がある、プッシュプルタイプの列車が運転されています。

3番ホームに横付けされたオーバーランダー号 オーバーランダー号の先頭には重連のディーゼル機関車

1日に1本だけの長距離列車は、既に3番線に入線しています。割引チケットを日本でネット予約し、メール添付ファイルで送られてきたバウチャーをプリントして持ってきたのですが、駅の切符売り場に職員がいません。機関士に聞くと、ホームの中程で待てと言います。

この日のオーバーランダー号の編成は、先頭に重連のディーゼル機関車、次いで荷物車と電源車の合造車が2両、客車が4両で(車内のパンフレットを見ると通常は客車3両に荷物車1両の編成ですからこの日は増結しています)、最後尾は大きなガラス窓の展望車になっています。

チェックインの手続をして大きな荷物を荷物車に預ける オーバーランダー号の車内 向こうは開店前の売店

やがて、乗客が少しずつ集まってきたところで、荷物車の横のホームに仮設のカウンターが設けられ、チェックインの手続が始まります。切符と引き替えることはなく、添付ファイルをプリンターで打ち出したバウチャーに直接、号車と座席番号を ボールペンで書き込み、大きな荷物は荷物車に預け、クレームタグをもらいます。X線の検査はありませんが、空港と同じシステムです。

車内は片側二人がけのリクライニングシートで、全て前方を向いています。最後尾4両目の最前部左側、前が壁の席を指定されてしまいました。しかも右側はトイレと機械室で窓が無く展望がききません。車内はガラガラだったので、適当な席に移動しようかと も思ったのですが、ホームのカウンターまで戻って席を替えてくれるように言いました。今日は満席なんだよなーと言いながらも、2両目の売店の2つ前の席をくれました。

コーヒーとホットサンドイッチで朝食 オークランド近郊線の終着パパクラ駅

定刻になっても発車しません。やがて、バックパッカーが2人、息をはずませて駆け込んできました。これで全員揃ったのか、4両に全部で20人ほどの乗客を乗せて、10分遅れで出発するとすぐに地上に出て、 ホームが残る廃止された旧オークランド駅を通過します。ここに三角線があり、列車の編成ごと向きを変え、常に展望車が後部になるようにしているようです。

先ほどのホームのカウンターでチェックインにあたっていた男性は、駅員ではなく車掌さんでした。列車が動き始めると売店が開店、民営化したニュージーランド鉄道では、もう一人の女性車掌とともに、 私の注文に応じてコーヒーを入れ、ホットサンドイッチを暖めます。 席に戻り、肘掛けに前の席のポケットに入っているアルミ製のテーブルを差し込みセットします。この朝食は○マルでした。

30分余りで最初の停車駅ミドルモアです。まだオークランドの郊外で、乗客が2人乗ってきました。車掌は、列車が駅に着くと売店の扉をを閉めて客扱い や発車の合図などの業務をこなし、発車するとまた開店。忙しいそうですが、乗客が少ないため一段落すれば売店は閑散としています。 私の後ろの、売店に一番近い横一列の席は、車掌の休憩場所になっていました。どうやら、そのすぐ前の車掌持ちの席に替えてくれたようです。

50分ほどで2つ目の停車駅パパクラです。マオリの言葉でしょうか。オークランドの近郊区間の大半の列車はここが終点です。ステンレスの2両編成のディーゼルカーが折り返し待ちで停車していました。

 


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