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旅の車窓から
香港 二階建てトラムと鉄道博物館 編 |
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12年ぶりの香港
初めて香港に行ったのは、植民地時代の1989年です。それから12年余り経過した2002年の春に、このサイトに当時の旅行記をまとめていたら、もう一度香港に行きたくなりました。
何とか2日間の休暇をひねり出し、土日と含めて4日間の日程で出かけることにしました。でも、出発予定日前の3週間を切ってから問い合わせたところ、春休みということもあり大手旅行会社は全て満席、キャンセル待ちも受け付けないと断られてしまいました。
そんな中、格安航空券で有名な会社が手配してくれました。2人で行くなら、航空券+ホテルよりパックにした方が安いとのことですが、パック用の航空券はもう売り切れ。それでもパックの枠外の航空券を+2000円で入手してくれました。空港からホテルの送迎は付きますが、観光という名の土産物屋連れ回しは無しです。
この12年余りの間で、1997年に英国の植民地から中国へ返還されて香港特別行政区となり、さらに5年が経過して返還フィーバーも収まり、落ちつきを取り戻していました。
街中のビルの屋上をかすめるように、急旋回して飛行機が着陸していた啓徳空港がランタオ島にできた新空港に移転し、悪の巣窟といわれた九龍城は撤去されて広い公園に生まれ変わり、街はますます発展してい ます。
※ 4ページの末尾にそれぞれリンク先を設けました。詳しく知りたい方はご利用ください。
地下鉄で黄大仙へ
12年前から比べると地下鉄(MRT)の路線も増え、香港島と九龍半島の間にあるビクトリア湾の下を、2個所でくぐるようになっています。電車も、正面の形状がスマートな車両に交代しています。片側5扉、外吊り扉だからできるのでしょう、扉部分を利用して広告塗装にした電車もあります。
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香港島と九龍半島を縦横に結ぶ地下鉄MRT | MRTのマクドナルドの広告電車 |
車内のシートもブレーキをかけるとお尻が滑りそうなツルツルのステンレス製から、同じステンレス製でも一人ずつの形状を持つバケットタイプの艶消しに替わっています。吊革も、イギリスに良くある先端が玉になったタイプから、日本の吊革によく似た形状に変化しています。
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MRTのシートは硬いステンレス製 | 機場快線(空港特急)と併走する新しいMRT東涌線 |
空港がランタオ島に移転して、九龍や香港島の中環との間に機場快線(空港特急)ができ、これと並行するMRT東涌線も走り始めました。
道教寺院の黄大仙
MRTに乗って、観光に出かけます。まず始めに向かった先は、道教寺院の黄大仙です。MRT観塘線の黄大仙駅で下車して地上に出ると、入り口の門があります。階段を登って中に入ると、線香などを売る店が並んでいます。香港の線香は中国や台湾と同様に、日本の線香に比べ太くて長く、黄土色をしています。
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黄大仙の入り口の門 | 線香の煙が立ちこめる境内 |
境内に入ると、線香の煙が立ちこめています。人々は、火のついた線香を捧げ持ち、本堂に向かって何度も礼をしています。
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長い線香を手に礼拝する信者 | お備えをして占うおそろいの黄色い帽子の観光客 |
床に果物などのお供え物を置き、おみくじのような箱を使って、一心に占いをする人々もいます。団体観光客でしょうか、お揃いの帽子姿も。
九広鉄路
九広鉄路は、香港の九龍と中国の広州を結ぶ鉄道の香港特別行政区内の部分です。MRTによく似た通勤電車タイプの電車が頻繁に運行され、その間をぬって香港と広州を結ぶ長距離列車が通過していきます。
MRT観塘線の黄大仙駅から2つ目の九龍塘駅で、MRTと九広鉄路が接続しています。改札口は、どちらも磁気カードとICカードが使える自動改札機で、日本と異なり一人ずつバーを開店して通るタイプです。
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バー回転式の九広鉄路の自動改札 | 九龍塘駅で九広鉄路の電車 |
九広鉄路の電車も、この12年ですっかり新しくなっていました。今ではMRTによく似た5扉で、2等はかつての3扉プラスチックのクロスシートから、MRTと同様のステンレスのロングシートに替わっています。英国タイプの吊り玉も吊革に。
MRTとの違いは、頭等(一等車)を連結していることです。窓上の黄色いラインが目印で、2扉になっています。
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黄色い帯が目印の頭等(一等車)は2扉 | MRTとよく似た九広鉄路の電車の車内 |
さらにその後、2003年には香港の西側にも九広鉄路の路線が開通して九広西鉄と名付けられたことにより、従来の九広鉄路は九広東鉄と呼ばれるようになっています。
九広鉄路に乗り換えて、香港鉄路博物館に向かいます。