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半山区のエスカレーター

繁華街のすぐ背後に山が迫る香港島には、世界一の(かどうかはわかりませんが)エスカレーターがあります。

中環の繁華街と山の中腹にある半山区を屋根付きの20台の行人電動楼梯(ヒルサイドエスカレーター)がむすびます。上の方はマンション街になっているため、朝の通勤時間帯は下り、その時間を過ぎると上りで運転しています。

     
中環と半山区を結ぶヒルサイドエスカレーター       MRTにはホームドアの設置された駅もある

一番上まであがってしまうと、下りる方でも並行する階段ではちょっとつらいかなと思い、地下鉄駅までタクシーに乗ってしまいました。香港島の北岸を東西に走る、MRT港島線でトラムの東の終点、筲箕湾に向かいます。

 


香港名物二階建トラム

MRTの筲箕湾駅で地上に出ると、そこはトラムが方向転換するための小さなループ線になっています。カラフルな二階建ての電車が次から次へとやってきては、発車していきます。

トラムの東の終点筲箕湾(シャウケイワン)のループ トラムの車内二階席

12年前には、中環から西の終点堅尼地域を往復したのですが、渋滞に巻き込まれて東側は途中の北角で時間切れになったため、ここは初めてです。始発ですから、真っ先に乗り込んで二階席の最前部、かぶり付きを確保します。

道路を併走する二階建てバスは固定窓の冷房車になりましたが、電車は相変わらずの窓全開です。

トラムの二階席からの眺め 日本の消費者金融も香港に進出

この12年間で、電車は車体が更新されて、二階席のシートも背ずりが転換する木製から、日本の駅のホームにあるような、固定式のプレスチックのベンチに変わっています。

運転台は両側にありますが、終点では常に方向転換をするため、常時使用する運転台は片側で、シートも前向きの固定が合理的です。階段の関係か、最前部と最後部のシートは横向きです。

     
北角のトラム       市場の中の単線を行く

電車は、道幅の広い英皇道(キングスロード)の中央を走ります。この付近は住宅と商店が混在する地域で、香港の庶民の生活を直接目にすることができます。

北角で途中下車です。ここでは、中環方面からきた北角行きの電車が折り返しの方向転換のため、広い英皇道から単線で分かれて1ブロック脇道に入ります。12年前に初めてここにきたときには、通りには露天があふれ、人並みをかき分けるように警笛を鳴らしながらゆっくりとトラムが進む、香港らしい風景が見られたのですが、今では商店はにぎわっているもののずいぶん綺麗になっていました。

     
銅鑼灣にあるΩ型ループになったトラムの折り返し線       跑馬地(ハッピーバレー)への分岐線

日系のデパートも店を構える香港島随一の商業地区、銅鑼灣には、中環方面からきてここで折り返す電車のために、Ω型のループ線があり、本線と平面交差しています。また、銅鑼灣と金鐘の間には、跑馬地方面への単線が分岐して行き、その先では競馬場の周りを一周してきた線路が再び本線に合流します。

 


洋風と中華風ミックスの浅水湾

中環から二階建てのバスに乗り、島の南海岸に向かいます。途中までは山頂(ビクトリアピーク)行きのバスと同じコースをたどり、山の下をトンネルで抜けると突然海岸線が開け、白い砂浜が現れます。浅水湾です。海岸が終点かと思っていたらバスはまだ先まで行くようで、あわてて下車しましたが1停留所分乗り過ごしてしまい歩いて戻ります。

ど派手なレパルスベイの極彩色のオブジェ 風水に従って穴の空いた右側のマンション

浅水湾(レパレスベイ)は、三方を山に囲まれて、高級住宅が建ち並んでいます。ジャッキーチェーンの別荘もここにあるそうです。高層マンションの中層階に穴が開いていますが、後ろの山から龍が舞い降りるときに通り抜けるためだとか。

欧風のビーチの一角には、ど派手な極彩色のオブジェの寺院があります。やっぱりここは香港です。

 


旅のヒント

スイカ、イコカ、ピタパ、トイカ、パスモ、それにエディーも。みんなソニーのFericaの技術を使用したICカードなのに、何でこんなに種類があって、相互に使えたり使えなかったり。

優れたハードを生み出すのに、それを使いこなすソフトは遅れた遅れたまま、日本では本当に不便ですね。

この中でシェアNO.1のJR東日本のスイカが導入されたのが2001年の秋ですが、そのころには日本の技術が香港で一足先に実用化され、一般に普及していました。

オクトパスカード(八達通)です。8種類の乗り物に共通で使えるからこの名前が付けられたと聞いたことがありますが、九広鉄路、地下鉄MRT、軽便鉄路、スターフェリー、香港島の二階建トラムやピークトラム、それに各社のバスなど、香港の公共交通機関全般で共通に使えます。

ピタパやパスモは、1ヶ月の使用回数により割り引きもあるそうですが、オクトパスカードでMRTに乗ると、1回目から割引料金が適用され、スイカ等と同様に、発行時のデポジットはありますが、払い戻しの手数料は不要で、全額戻ってきます。

2002年当時は、オクトパスカードで買い物ができるのは、まだセブンイレブン等の一部お店に限られていました(このころスイカで買い物はできませんでした)が、翌年に訪れたときにはスーパーやドラッグストアなど、多くのお店のレジに読み取り機が設置されていました。

九広鉄路やMRTの券売機はお釣りが出ますが、バスやトラムはお釣りを持っていません。多く払う分には文句は言われませんが、香港にきた外国人も、まずはオクトパスカードを購入すれば、小銭を用意せずに、便利でお得に香港の観光を楽しむことができます。

カード導入前からの名残と思いますが、香港のバスは同じ区間を乗っても系統により運賃が異なるため注意が必要です(2003年末段階)。日本のように、整理券方式の区間制運賃のような複雑な方式を採用してバスには、海外では出会ったことはありません。

複雑なことができないので、均一料金または台北などでは1区間は前のり先払い、2区間は後ろのり後払いとして、区間をまたがって乗車するときには乗車時と下車時に2回運賃を払うシステムもあります。

中環から浅水湾を往復したとき、行きと帰りで乗車したバスの系統が異なり、通ったコースも別の道だったのですが、運賃も異なっていたので気付いたのですが、香港のバスは短距離の系統には安価な運賃を、長距離の系統には高価な運賃を設定していて、いずれも乗車時に先払いする方式です。

都心と郊外をむすぶ長距離の系統だと、短区間だけ乗っても終点までと同じ割高な運賃を払うことになるので、運転台のオクトパスカード読み取り機のところに表示されている運賃を良く確認しましよう。

2002年 4月旅
2007年 4月記

 


お役に立つリンク集

これからお出かけになる方や鉄道ファンの方に役立ちそうなリンクをそろえました (香港の中国語の表示には、ブラウザに繁体字中国語フォントを組み込む必要があります)

 


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