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サンモリッツを発車

客車の側面には、GLACIER EXPRESS のロゴとマーク、途中の経由地、それに行き先のZermattが大きく書かれたサボがぶら下がっています。ツアーの団体客に割り当てられた車両のサボには、ツアー名と利用区間が書かれています。

サンモリッツからツェルマット行きの氷河急行のサボ 先頭から機関車・パノラマ1等車・2等車・2等車の編成

氷河急行の長い編成は、電気機関車に牽かれて定刻に、標高1775mのサンモリッツを発車しました。 すぐにティラノに向かうベルニナ線が右に分かれていきます。まずは10分ほど北東の方角へ向かい 、スクオル・タラスブ方面の路線が分岐するサメダンで、北西に向きを変え高度を上げていきます。

標高1820m地点にある、長さ6km近いアルブラトンネルにさしかかりますが、その手前にある信号所で一旦停車。やがてトンネルの奥にヘッドライトが見え、サンモリッツ方面の列車と交換です。スイスの列車はクルマとは逆の左側通行です。

アルブラトンネル手前の信号所で列車交換 深い山の中を長い編成の赤い氷河急行がゆく

アルブラ峠が分水嶺になっていて、南のサンモリッツ側に降った雨はイン川からドナウ川を経て黒海へ、トンネルを抜けた北側ではアルブラ川からライン川を経て北海へつながります。いずれも、国際河川の長い道のりです。

 

ランドバッサー橋から州都クールへ

アルブラトンネルを抜けると、今までの明るく開けた風景は一変して深い山の中です。サンモリッツは晴れていたのにこちらは霧がかかっています。標高が高いため雲の中なのかもしれません。ときおり雨が車窓を濡らします。

列車は勾配を下っていきます。ここにレーティッシュ鉄道の見所の一つ、右回り・左回り・右回り3連続のループ線があり 、アルブラ川を4回渡ります。雲の切れ間から車窓の下の方に、直角に交差してトンネルに消えていく線路や、谷の向こうに並行してこれから降りて行くであろう線路が見えましたが、 写真にはうまく撮れませんでした。

氷河急行の名所ランドバッサー橋 線路はトンネルから石造りの橋につながる

ダヴォスへ向かう線を分岐するフィリズールを発車した列車は、レーティッシュ鉄道最大の見所、氷河急行のポスターやパンフレットに必ずといっていいほど登場する、高さ65mの石造りのランドバッサー橋を渡ります。トンネルを抜けるといきなり 視界が広がり、空中に飛び出します。客車の下降式の窓を開けカメラを構えて明るくなった瞬間を捕らえたとき、残念ながら列車の編成が長すぎて、もう先頭の機関車はその先のトンネルに入っていました。後ろを振り返ってもう1枚。

     
クールの駅で白い電気機関車に交代       京浜急行の500型にそっくりの電車

列車はアルブラ川の深い渓谷を、短い鉄橋やトンネルでつなぎながら下っていきます。やがてサンモリッツから1200m以上の標高差を下り、ライン川との合流点である海抜604mのライヒェナウまで降りてきま す。 ここがクール方面とディセンティス方面のジャンクションになっています。

先発の氷河急行はここでスイッチバックしてディセンティス方面に向かいますが、私たちの乗った次発の氷河急行はそのままライヒェナウを通過し、ライン川に沿って州都であり国鉄との接続駅でもあるクールに向かいます。

 

フルカ・オーバーアルプ鉄道との接点ディセンティスへ

クールでも多くの乗客が氷河急行の到着を待っていました。停車時間中に電気機関車が最後部に連結され、ここで進行方向が変わります。クール駅では区間運転の電車でしょうか、4扉に更新される前のロマンスカー時代の京浜急行500型にそっくりのレーティッシェ鉄道511号を見かけました。

先頭の機関車が遠くに見える16号車の車窓 ライヒェナウからディセンティスに向かう氷河急行の車窓

標高585mのクールを発車した氷河急行は、再び今来た道をライン川に沿ってライヒェナウまで戻り、フルカ・オーバーアルプ鉄道との接続駅、標高1130mディセンティスに向け、ゆっくりと高度を上げていきます。車窓には、広がる緑の絨毯 の上に、窓に赤い花を飾った家々が点在するスイスの美しい風景が展開し、見飽きることはありません。

やがて、車窓に小さな村に不似合いな立派な修道院が見えてくるとディセンティスに到着です。

レーティッシェ鉄道はこちらでもご紹介しています。


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