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ケディミナス塔のある丘

聖ペテロ & パウロ教会から、トロリーバスの走る通りを旧市街の方向に戻ると、小高い丘が見えてきます。丘のふもとには、小さなケーブルカーの駅があります。

聖ペテロ & パウロ教会近くのトロリーバス 一部には新車も導入

このケーブルカーは、斜めに登るエレベーターと言った方が適当でしょう。レールに小さな車体が乗っていて、レールの下にあるバランスウエイトとの間で、エレベーターのようなつるべ式になっています。

ケーブルカーの駅の横に、小さな石像が立っています。地元ではリトアニアの母と呼ばれている、とても古いものだそうです。

ケディミナス城に登るケーブルカー リトアニアの母の石像 ケディミナス塔

ケーブルカーで丘に登ると、目の前に建つのがケディミナス塔です。かつての城壁の塔で、その上にリトアニア国旗が翻っています。

丘の上から南に目をやると、世界遺産ビリニュス旧市街が一望の下に見渡せます。教会が多いですね。

ケディミナス城からビリニュス旧市街の展望

向かいの丘には、3本の十字架が立っています。ここで磔になった3人の僧侶のために17世紀頃に建てられたそうで、ソ連に破壊されたものを独立の直前に再建したものだとか。

3つの十字架の丘 川向こう新市街の高層ビル

丘の北側には、旧市街と新市街を隔てるネリス川が流れ、その向こうには高層ビルが林立しています。ラトビアの首都リーガやエストニアの首都タリンと同様に、ビリニュスの旧市街もかつては城壁に囲まれていたそうですが、現在はその名残はありません。

 


ビリニュス旧市街

丘の下には、13世紀から16世紀に建てられ、19世紀にソ連に破壊されたケディミナス城の建物の一部が残っています。かつての武器庫は、国立博物館として使われています。

リトアニア国立博物館 カテドゥロス広場に建つ大聖堂

ビリニュスの中心、カテドゥロス広場に建つギリシャ神殿を思わせる大聖堂。その前には高さ53mの丸い鐘楼がそびえています。

大聖堂と鐘楼 再建中の王宮

大聖堂の裏では、ケディミナス城の王宮が再建中。まだ、中には何も入っていないそうです。

王宮の脇から南へのびる、石畳の旧市街のメインストリートはビリエス通り。ここから分かれて細い道を東に入っていくと、ゴシック様式の聖アンナ教会の尖塔がそびえています。

旧市街のメインストリート ビリエス通り 聖アンナ教会

 


KGB博物館

大聖堂の前のカテドゥロス広場から西に延びる、ケディミノ大通りを行くと、1944年から1991年の独立まで、旧ソ連の国家警察、秘密諜報機関KGBが置かれていた建物があります。主に政治犯を収容した地下の監獄等が、KGB博物館として公開されています。

     
旧ソ連の秘密警察 KGB博物館

残虐な方法で行われた拷問や、銃殺処刑に使われた部屋が、そのままのかたちで残っています。わずか20年前までは、これが現実の世界であったことを歴史の証人として、ここで行われてきた事実を今に伝えています。内部は撮影禁止のため、詳細はこちらでご覧ください

台座に刻まれた犠牲者の名前 シベリア抑留慰霊碑

もとKGBの建物の台座の石には、この地下室で命を落とした人々の名前が刻まれています。また、建物の隣のケディミノ大通りに面した公園には、政治犯等としてシベリアに抑留され犠牲になった人々の慰霊碑が建てられ、花が手向けられています。

 


トゥラカイ城

トゥラカイは、ビリニュスから西へ30km。トゥラカイ行きの電車での終点で、バスでも30分余りで行くことができます。湖の中の島に、14世紀後半に建てられた赤煉瓦のトゥラカイ城が浮かんでいます。

湖の中の島に建つトラカイ城

城は長年にわたって廃墟となっていたものを、ソ連時代の1960年代から20年余りの歳月をかけて復元したもので、湖にはヨットや観光船が浮かび、ビリニュスからも近く手頃な観光地として賑わっています。

ラカイ城の入り口 トゥラカイ城の内部

復元された城の内部は、博物館として使われています。この湖で獲れるのでしょうか。露天でウナギの薫製が売られていました。

湖では、親子連れが水遊びをしています。夏のバルト三国では、池や沼で泳いでいる人をよく見かけます。プール等の施設が普及していないのでしょうね。

 
 
城の内部 木造遊覧船と鰻の燻製 水遊びをする親子連れ