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旅の車窓から
韓国 ソウル・水原・軍事境界線非武装中立地帯 |
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羽田からソウルへ
2006年11月の勤労感謝の日をはさんだ飛び石連休に、韓国ソウルへ行きました。連休になると格安航空券やパックツアーの価格が急騰します。こんな時に1人旅をするのであれば、インターネットで航空会社の正規割引航空券とホテルを個人で手配した方が、格安航空券やパックツアー を使うより安くなる場合もあります。
出発まだ2ヶ月以上前の9月の時点で、すでに大韓航空とアシアナ航空の成田発朝便は売り切れ。それなら少し割高でも、都心に近くて便利な東京羽田−ソウル金浦空港間の便の中から、時間帯と料金 を基準にアシアナ航空の昼便を選んで予約しました。
混雑した狭い羽田の国際線ターミナルから飛び立たってから、わずか2時間余りでソウル市内の金浦空港に着陸します。
※ 6ページの末尾にそれぞれリンク先を設けました。詳しく知りたい方はご利用ください。
金浦空港からソウル市内へ
金浦空港はソウル市の北西に位置し、その地下には地下鉄5号線が乗り入れていて、都心まで乗り換え無しで便利です。 ここに乗り入れる国際線は1日8便の羽田便だけ、仁川に移ったかつての国際線ターミナルは、ショッピングセンターとして大勢の買い物客でにぎわっています。
ソウル地下鉄の車両は日本の電車にそっくりですが、大陸サイズで幅が広く、収容力は大きく、座席がステンレスなのも日本人には奇異に感じます。
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地下鉄5号線金浦空港駅の改札 | 地下鉄5号線の車内 |
ソウル駅や繁華街の明洞(ミョンドン)にも歩けるようにと、ホテルのこの間にある地下鉄4号線会賢駅の近くに確保しました。ソウルの地下鉄も都心部は多くの路線が入り乱れて、東京なみに複雑です。少し遠回りでも、5号線と4号線が直接接続する東大門まで行って乗り換えます。
ソウル駅で切符の確保
翌日は、北朝鮮との軍事境界線の 両側に2kmずつの幅で設けられている非武装中立地帯(Demilitarized Zone)DMZツアーへ、列車で出かけようと思い、まずはソウル駅へ切符の手配に向かいます。
ソウル駅は、2004年の韓国新幹線KTXの開通に合わせて改装されたそうです。秋の日暮れは早く、東京駅に似た赤煉瓦の旧駅舎はライトアップされ、その後方の ショッピングセンターとなった旧コンコースの、ロッテマートのネオンが輝いています。
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夕暮れのソウル駅 左後方のネオンはロッテマート | ソウル駅の案内所 |
どこで非武装中立地帯直近の駅“都羅山”までの切符を買えばよいのか、案内所らしきところでたずねたら、その場で販売してくれるとのこと。ここは、英語と片言の日本語が通じます。
早速、翌朝の列車で出発し、DMZツアーを終えて午後の列車でソウルに戻る切符を発券してもらいました。56kmの往復が400円でおつりがきます。一般の物価が日本とあまり変わらない中で、韓国の鉄道は安い!
このロボット君は列車の案内でしょうか 韓国新幹線KTX専用改札 コンコースには列車の案内でしょうか、ロボット君がいました。また、フランスTGVをベースにした韓国新幹線KTX専用改札口が設けられています。時刻表を買 いたかったのですが、 残念ながら案内所にもコンコースの書店にも置いていません。
隣の大型スーパーマーケット、ロッテマートで土産の下見をしてから、地下鉄1号線に乗って明洞に向かいます。どうやら、 左側通行の国鉄と相互乗り入れをしている地下鉄1号線だけが左側通行で、他の地下鉄路線はクルマと同じ右側通行のようです。どちらから電車がくるのか、ややっこしい。
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夜の明洞 露店の賑わい | サムゲタンで夕食 |
夜の明洞は、通りの真ん中に露店が出ていて賑やかです。アジアの活気を感じるこの雰囲気は大好き!。初日の夕食は蔘鳥湯(サムゲタン )の店に行きました。おいしーい!
京義線の列車で北へ
翌朝、ソウル駅7時50分発の列車に乗るため、ホテルから歩いてソウル駅に向かいます。 韓国国鉄の列車には、速い方から韓国版新幹線の“KTX”、日本の特急に相当する“セマウル”号、急行に相当する“ムグンファ”号、それに普通の“通勤列車(トングンヨルチャ)”があります。また、ソウル近郊には 国電(日本では死語ですね)に相当する“電鉄”があり、地下鉄と相互乗り入れをしています。
朝食に、ソウル駅のコンコースにある24時間営業のマクドナルドでセットメニューを仕入れて、ホームに向かいます。本当は、隣のロッテリアのキムチバーガーに挑戦したかったのですが、こちらはまだ開店前でした。
ソウルから都羅山往復の切符 朝食にマックのセットメニューをテイクアウト 南に向かってKTXやセマウル号が次々と発車していく韓国国鉄ソウル駅 。その一番端のホームから、1時間に1本程度、ローカル線各駅停車のディーゼルカーが北に向かいます。京義線の臨津江行きは“通勤列車”。ディーゼルカーの5両編成です。車内は、セミクロスシートで、扉間には転換式のクロスシートがならび、ロングシートの部分には吊革も、日本の車両とよく似た車内です。
乗車券を見ていただくとわかるように往路は、ソウル7:50→9:13臨津江10:23→10:26都羅山、臨津江で途中下車です。復路は、都羅山13:43→15:14ソウル まで直行です。
ソウル駅に停車中の臨津江行きの通勤列車 通勤列車9500型ディーゼルカーの車内 韓国国鉄の京義線は、ソウルと北朝鮮が鴨緑江を挟んで中国と接する街、新義州を結ぶことからその名が付けられています。日本の植民地時代には、東京から東海道・山陽本線、関釜連絡船、釜山-京城(ソウル)間の京釜線、京義線、南満州鉄道、シベリア鉄道を経て、欧亜連絡のメインルートでした。
通勤の逆方向だからでしょうか、京義線の列車は若干の空席を残しながら定刻にソウル駅を発車します。同じ車両に、“地球の歩き方”を持った2人の若い日本人女性が乗っています。彼女たちもDMZツアーに行くのでしょう。
一山駅 途中駅汶山までの沿線はソウルのベッドタウン こんなのどかな田園風景も 途中、ソウルから4駅目の水色には広い車両基地があり、KTXも休憩しています。9駅目の大谷では、高架を走る地下鉄3号線と接続します。
広がるソウルの都市圏は、北朝鮮の脅威のある京義線の沿線まで押し寄せ、駅の周辺には新しい高層住宅が建ち並んでいます。京義線を通勤の電鉄線へ転換する改良工事が行われているようで、ホームのかさ上げや新しいホームの新設、複線化や電化工事のためでしょう、 高架線ができていたり、すでにポールの立っている区間もあります。