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オークランドを走るウエリントンのトラム

交通科学博物館のトラムの屋内展示館から線路が外に延びており、敷地を越えて表の道路につながっています。博物館の正面入り口脇の道路に、方向幕に“動物園”と表示したトラムが乗客を待っています。

257号はもとウエリントンのトラム 257号の運転台

赤とクリーム色に塗り分けられた、もとウエリントンの257号で、交通科学博物館と、その隣にある動物園の間を20分ごとに往復していて、運賃は交通科学博物館の入場料に含めれていますが、トラムにだけ乗るときは片道1Nz$です。

車内は出入り口付近を除いて転換式のクロスシート。といっても、日本と異なり背ずりのクッションは片面だけ。転換すると背ずりが上下に半回転する構造です。

転換式クロスシートの257号の車内 終点の動物園前 まっすぐ行くと交通科学博物館の分館へ

オークランドのトラムの線路幅は標準軌の4フィート8インチ半(1435mm)に対して、ウエリントンのそれは4フィート(ちなみに日本のJRは3フィート半)のため、どちらのトラムも運転できるよう、線路は3線式になっています。

 


交通科学博物館の分館

動物園前でトラムを降りて、運転手に教えてもらったその先の道をまっすぐ行くと、交通科学博物館の分館があります。受付のある飛行機の展示館を通り抜けて敷地の奥へ進むと、展示用鉄道車両の整備を行っている工房があります。

鉄道車両の工房の入り口 古いオープンデッキの木造客車を修復中

建屋の中を覗くと、修復中の小さな蒸気機関車や古い木造客車が所狭しと並んでいます。ここまで見学者が来ることは珍しいのかもしれません。

小さな蒸気機関車 蒸気機関車のボイラだけがむき出しで

作業を行っていた初老の男性が仕事の手を休めて、私のためにわざわざ工房の中を案内してくれます。「これは整備中の蒸気機関車の台枠、あっちにあるのがボイラでこの上に乗せるんだ」と説明してくれているのだと思いますが、私のヒアリング能力では、ニュージーランドなまりの英語は半分も理解できません。

修復を終えて綺麗に塗装された古典客車とその車内

修復を終えて塗装も仕上がり、綺麗になった客車も編成で並んでいます。1両ずつ説明してもらったのですが……。礼を言って、交通科学博物館をあとに動物園に向かいます。

 


オークランド動物園

オークランド動物園には、象やライオン、キリンやカンガルーもいますが、ここの目玉はニュージーランドの国鳥キーウィと、恐竜の生き残りと言われているトゥアタラで、いずれも入り口に近くの小屋にいます。

キーウィは夜行性のため、外からの光を遮った小屋で、照明を使って昼夜逆転の状態を作り、入場者は写真の暗室のようなわずかな赤い光の中、ガラスで仕切られた向こうで、えさを求めて動き回るキーウィを探しますがなかなか見つかりません。キーウィフルーツのような大きさを想像していたのですが、実物は鶏より大きいんですね。

オークランド動物園の入り口 緑に覆われた動物園の中

小屋の中で写真撮影はOKですが、ストロボは禁止。日本と違って、監視員がいなくても、ルールはきちんと守られています。光線の関係で写真が真っ赤になったので、モノクロにしています。

左の暗い小屋の中にはいるとキーウィがいる 中央の丸いのがキーウィ(顔が左側で長いくちばしが下にのびる)

 

トゥアタラは日本語ではムカシトカゲとよばれる、ニュージーランドにのみ生息するトカゲとは異なる原始的なは虫類です。動物園ではキーウィと同じ小屋の一角にいて、のぞき窓の奥に小さな姿を見ることができます。

 


スカイタワー

動物園からバスで都心に戻り、スカイタワーにのぼります。その高さ328mは南半球一。メインの展望台の高さは186m、ホテルにあったタワーの割引券を有効に活用します。

夜のスカイタワー 展望デッキの床の一部はガラス張り

展望デッキからは周囲360度、遮るものはありません。北にはオークランドの、その先にはハーバーブリッジや、6日前に船で訪れたデヴォンポートが、南には死火山の噴火口であるマウント・イーデンが、東に目を転じると旧オークランド駅やその先を行くオークランド地域鉄道の列車が望まれます。

右の緑の丘がマウント・イーデン スカイジャンプのジャンパーが落ちてきた

展望デッキの床の一部はガラス張りになっていて、その上を歩くとスリリングな気分が味わえます。

それ以上にスリリングなのがスカイジャンプです。展望台のさらに上の階から地上に向けての空中ジャンプです。展望台にはジャンプするまでのカウントダウンが表示され、ゼロになると上からジャンパーが落ちてきます。展望デッキの前で宙吊りになったまま一旦停止。あとは観客の見つめる中を、地上に向けて真っ逆さまに。

観光を終えてホテルに預かってもらっていた荷物をピックアップし、青いエアバスに乗ってオークランド国際空港に向かいます。

 


旅のヒント

ニュージーランドの往復には、大韓航空の格安航空券を使いました。2005年現在では、時間が有効に使えて1日得をする往復夜行便で、かつ毎日ニュージーランドへのフライトがあるのは、成田を基準にとると、仁川からの大韓航空とカンタス航空のシドニー経由便になります。カンタス航空は、シドニーからクライストチャーチ等にも直接飛べるメリットがありますが、運賃の安い大韓航空にしました。

大韓航空の機内食は、往路はカルビ、復路はシーフードの違いはあったものの、往復ともビビンバです。サトウのチンするご飯(とは書いてなくKOREAN AIRになっていますが)が出てきます。さすがに、キムチは付いてきませんでしたが、周りの韓国人の乗客は嬉しそうにをまぜまぜしています。日本人にとって、JALやANAの帰国便で寿司や蕎麦が出てきたのと同じなんでしょうね。

ニュージーランド鉄道トランツシーニックでの移動は、各線とも列車本数が1日1本だけ(オーバーランダー号はオフシーズンは週3便に減便したようです)のため、選択の余地がありません。私は、蒸気機関車が牽引するスチームエンジン・サタデーの日程の関係で、当初予定を変更してオークランド → ウエリントン → ピクトン →クライストチャーチのコースにしましたが、首都ウエリントン着が夜間で翌朝出発のため、ほとんど時間をとることができませんでした。逆コースにすると、ピクトンからの連絡船のウエリントン着が午後の遅い時間になるため、多少の観光の時間はとれると思われます。

2006年春(9月、10月)の土曜日の蒸気機関車での運行、スチームエンジン・サタデーは、私が乗車したオーバーランダー号のオハクネ−フェイルディン間以外にも、オークランド寄りの区間や、トランツアルパイン号の一部区間などで運行されたようです。ホームページで確認してください。

小さな政府の成功例といわれるニュージーランドですが、トランツシーニックはオーバーランダー号がさらに減便される等、国鉄民営化以降惨憺たる有様ですが、英国の伝統を受け継いでか、ボランティアによって支えられている各地の保存鉄道は元気なようです。

今回は、南島のマウントクックやクイーンズタウン方面に出かけることができませんでした。ダニーデンからのタイエリ渓谷鉄道等と組み合わせて、またいつかこの国を訪問できればと思っています。

2005年 9月旅
2006年11月記

 


お役に立つリンク集

これからお出かけになる方や鉄道ファンの方に役立ちそうなリンクをそろえました

 


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