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南島へ渡る連絡船

ニュージーランドの北島と南島を結ぶ連絡船は、ニュージーランド鉄道とは別会社のインターアイランダーが運航していますが、ニュージーランド鉄道トランツ・シーニックのホームページで、ウエリントン発、ピクトンで船から鉄道に乗り継いでクライストチャーチまで、割引料金で予約できます。

インターアイランダーの船は、夏期のみ運航(この時は運休中)の双胴の高速船リンクスがウエリントン駅前にあるリンクスフェリーターミナル、大型の連絡船は駅から1kmほど離れたインターアイランダーフェリーターミナルに発着するのですが、この時は期間限定で朝の便のみリンクスフェリーターミナルから乗船することになっていました。

南島に渡るインターアイランダー号 リンクスフェリーターミナル 船内は椅子席の他にソファーもある

リンクスフェリーターミナルでは、空港と同じようにチェックインをしてボーディングパスをもらい、荷物を預けます。荷物はそのまま列車に積み替えられ、受け取りはクライストチャーチ駅になります。出航時間が近づくと、係員に案内されて停泊中のインターアイランダー号に向かいます。航走するクルマの乗客でしょうか、船内にはすでに多くの乗客が乗っています。

船内のカフェテリア 船内の食堂で朝食

ニュージーランド北島の南端にあるウエリントンの西に、南島の北東端近くにあるピクトンが位置する関係にあり、北島から南島への連絡船は、両島の間のクック海峡を東から西に横断します。定刻9時30分、インターアイランダー号はウエリントンの桟橋を離れ、一旦東に向かいます。大きく半島を迂回してから西に向きを変え、クック海峡に乗り出していきます。

ウエリントンとピクトン間の所要時間は、日本の国鉄の青函連絡船よりやや短い3時時間。船内は広く、椅子席の他にソファーもあり、ゆったりとくつろげます。さすがに、青函連絡船のような座敷席はありませんが。まずは、船内の食堂で朝食にします。セットメニューもありますが、量が多いのでアラカルトに。

南島の狭い入り江を大型船が通る ピクトンの港 背後に航送を待つ貨車が並ぶ

南島のピクトンは、細長い入り江の奥に位置します。クック海峡を渡り終えた船は、狭い水道をゆっくりと進みます。この日はお天気が悪く、強い雨に見舞われたため、残念ながら上部甲板にでることはできなかったものの、雨の吹き込まない側の屋根のあるデッキでは、大勢の観光客が景色を楽しんでいます。

やがて、入り江の奥にピクトンの街がみえてきました。港の背後には、航送を待つ貨車が並んでいます。

 


トランツコースタル号の旅

フェリーターミナルで、ピクトン駅の場所を聞いたところ、目の前に停車中のマイクロバスに乗れとのこと。満席になった頃合いを見計らって、運転手が乗ってきます。バスは30秒も走らないうちにピクトン駅に横付けします。

駅の外には、サンドイッチのチェーン店、サブウエーの大きな看板が出ています。民営化したニュージーランド鉄道は、一日に発着する列車が一本だけの駅を、サンドイッチ店に貸して収益を上げているようです。

サンドイッチのサブウェーの店になったピクトン駅 ピクトンに停車中のトランツコースタル号

店の一角でチェックインの手続きをしています。フェリーターミナルから歩いてきた乗客が先に着いており、順番待ち。ネット予約時にメール添付ファイルで送られてきたバウチャーを示し、窓側の席を要求したのですが、書き込んでくれた席は通路側でした。予約時点で席が決まっているのかもしれません。

ピクトン発クライストチャーチ行きのトランツコースタル号の編成は、先頭のディーゼル機関車の次に客車が4両、一番前の客車は小さな開閉式窓の旧型車のようです。その後ろに窓ガラスのない吹き抜けの展望車、最後尾が荷物車兼電源車です。車内は4人がけのボックスシートで、大きなテーブルが付いています。

ボックスシートのトランツコースタル号の車内 昼食は車内でチキンカレーとビール

ピクトン発クライストチャーチ列車は、1日に1往復だけ。朝7時にクライストチャーチを出た列車は、途中6駅に停車し、5時間あまりかけて12時13分にピクトンに着き、そのまま13時に折り返します。発車時の乗車率は50%程度で、昨日のオーバーランダー号に比べると乗客は多いようです。

売店の開店を待って、チキンカレーとビールの昼食にしました。やはり、カレーはチンするだけでドリアのような感じですが、まずまずで○マル。次のブレンハイム駅で大勢のグループ客が乗ってきてほぼ満席になりました。日曜日の行楽帰りのような感じです。

展望車からトランツコースタル号 車窓に放牧の牛

雨が小降りになってきたので、展望車に行ってみました。吹きさらしで寒く、他に乗客は誰もいません。壁際に寄り添って風を避けながら、緑の牧草地や丘陵地帯を行く車窓を楽しみます。展望車の壁には、大きく「禁煙」の文字が張ってあります。マナーの悪い日本人が多いのでしょうか。ちなみに中国語は「禁止吸烟」ですから、日本人向けの注意書きです。

カイコウラの駅はホエールウオッチングの事務所 窓がない吹き抜けの展望車

3番目の停車駅、カイコウラに近づくと列車は海岸に沿って走ります。でも今日は残念ながら鉛色の海です。カイコウラの駅舎はホエールウオッチングの事務所になっています。

5番目の停車駅ワイパラには、廃止されたローカル線を使って、毎月第1と第3日曜日に蒸気機関車の観光列車を運転しているワイパラパス鉄道があります。この日は第3日曜日でしたが、蒸気機関車は機関庫に引き上げたあとか、車窓から見ることはできず、駅に隣接して旧型のドッグノーズ型のディーゼル機関車や貨車が留置されていましたが、夕刻で暗くなり写真に撮ることもできません。

 


クライストチャーチに到着

トランツコースタル号は、定刻の18時21分より20分遅れで終着のクライストチャーチ駅に到着します。ホームには、ベルトコンベヤーがあり、荷物車から降ろされた荷物が流れてきます。駅は市の西の郊外にありますが、街中までの公共交通機関がありません。ネット予約してあるB&B(ベッドアンドブレックファースト、西洋民宿)にタクシーで向かいます。

夕食はビュフェタイプの店で クライストチャーチの夜 大聖堂

チェックイン後、部屋でしばし休憩してから夕食をとりに歩いて市内に出ます。ビュフェタイプ(バイキング)の店を見つけて入り、ニュージーランド料理の数々を少しずつ味わうことができました。クライストチャーチの中心にある大聖堂広場に立ち寄ると、お天気が回復して月がかかっていました。でもこれが嵐の前に静けさとは、この時は知る由もありません。

 


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