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アーサーズパスに到着

列車は広い河原を持つビーリー川に寄り添いながら、美しい山岳風景のなかを進みます。クライストチャーチを発車してから2時間余り、定刻から少し遅れて列車は10時40分過ぎにホームに小さな三角屋根の駅舎のある峠の駅、5番目の停車駅アーサーズパスに到着します。

山間部をいく列車 窓ガラスのない吹き抜けの展望車の乗客

ここは標高700m余りで沿線の最高地点、ニュージーランド南島の南北連なる南アルプスの北の端、アルプスアーサーズパス国立公園です。列車の乗客の1/3程が下車します。多くは現地ツアーへの参加者で、観光バスに乗り換えて川下りの高速ジェットボートやヒツジの毛刈りショーを楽しんだあと、そのままバスでクライストチャーチに戻るコースが一般的です。

沿線の最高地点アーサーズパス駅に到着 ここで先着の貨物列車(右)を追い抜く

個人客の場合、ここで下車すると西海岸のグレーマスで行ってから折り返してくる、クライストチャーチ行きのトランツアルパイン号まで5時間あり、デビルス・パンチボウル・フォール滝をはじめ国立公園内のハイキングコースで山の雰囲気を楽しむことができます。

 

西海岸のグレーマス

トランツアルパイン号は、アーサーズパス駅で先行の貨物列車を追い抜きます。駅を発車するとすぐに長さ8.5kmのトンネルに入るため、窓ガラスのない展望車は締切扱いとなります。少し疲れたこともあり、売店でコーヒーを買って席に戻ります。観光列車のためか、オーバーランダー号やトランツコースタル号よりコーヒー代が少し高い3Nz$。

編成中間の電源車兼展望車 グレーマス駅にて 南島西海岸のグレーマス駅で多くの乗客はバスに乗り換える

長いオティラトンネルで分水嶺を越えると、列車は西海岸に向けて下っていきます。おおむね20分ごとに停車駅が現れますが、乗降客はほとんどいません。

11番目の停車駅が、西海岸の小さな街、グレーマスです。列車は定刻から10分あまり遅れて13時少し前に到着します。ホームが1本だけの駅に下車した乗客の多くは、駅前でインターシティーなどの定期バスに乗り換えて旅を続けます。貨物列車が運転されているのでしょう、線路はグレーマス駅と通り過ぎて海岸の方向に延びています。トランツアルパイン号もその先へ引きあげていきます。

 

再びトランツアルパイン号でクライストチャーチへ

グレーマスの郊外には、19世紀に金が発見され、そのゴールドラッシュ当時の街並みを再現したシャンティ・タウンがあり、園内には昔の蒸気機関車の走る鉄道もあるそうですが、折り返しのトランツアルパイン号の発車まで、列車が遅れて到着したこともあり、わずか50分程度。

駅の横を流れるグレー川の堤防上を散策し、街中の100円ショップ(Just 2$)で土産にカレンダー(6〜8月が冬景色です)を仕入れて駅に戻ります。

材木を積んだ貨物列車 高原の湖

昼食用にサンドイッチを仕入れていると、クライストチャーチ行きのトランツアルパイン号の入線です。駅のカウンターで座席の指定を受け乗車します。乗客数は往路の半分程度ですが、乗客全員を中間の展望車から前方の車両にまとめたため、概ね満席。後方の車両は空車で回送状態です。

復路は吹きさらしの展望車も空いています。列車はグレー川に沿って羊や牛がのんびりと草を食む酪農地帯や田園地帯を走り、材木を積んだ長い編成の貨車が停まっている駅もあります。近くには高原の湖があるモアナ駅では、往きの列車で下車した3人が再び乗ってきます。

車窓に放牧の牛 車窓に広い河原が広がる

貨物列車と交換した長いトンネルのオティラ駅では、車掌が展望車の乗客に、これから長いトンネルにはいるため席に戻るように言って連結面の扉を施錠します。トンネルを抜けるとアーサーズパス駅です。今朝、あれだけ多くの乗客が下車したのに、みんなツアー客だったんですね。ここから乗ってきたのはわずか1名。しばし休憩の後、列車はクライストチャーチに向けて下っていきます。

白銀の南アルプスを背にスプリングフィールド駅で小休止 長いホッパー車を連ねた貨物列車と交換

山を下り終えたスプリングフィールド駅で、貨物列車と交換のための停車です。2両の機関車に牽かれた長いホッパー車を連ねた列車が、エンジンのうなりをあげて南アルプスに向かって通過していきます。

 


再びクライストチャーチのトラム

クライストチャーチ駅から市内へのシャトルは、大型のワゴン車の乗合です。アジア系の運転手が一人ずつ降りる場所を聞いて、市内を回るルートを決めます。

今日の夕食は、トラムウエーレストランを予約しています。車内をレストランに改装した専用の路面電車で、19時にカセドラルジャンクションを発車して、ゆっくりと市内をめぐりながらコース料理をいただきます。トラムウエーレストランの詳細は、こちらをご覧ください

     
トラムウエーレストランカー       大聖堂を背にトラム11号

3泊したクライストチャーチも最終日。午後の国内線でオークランドに戻ります。9月も半ばを過ぎ、雪の一昨日とはうって変わり春のポカポカ陽気です。トラムもクライストチャーチオリジナルの178号と、ダニーデン出身の11号の2両での運行体制です。

エイボン川の橋の上の11号 ニュー・リージェントストリートを行く178号

カセドラルジャンクションの近く、カフェやお店が入るスペインコロニアル風の建物の連なるニュー・リージェントストリートは、トラムと歩行者だけのトランジトモールです。

 


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