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ヴェンゲルン・アルプ鉄道でクライネシャディックへ

クライネシャディックを目指すルートはもう一つあります。BOBのもう一つの終点、ラウターブルンネンでもやはりWABに接続しており、クライネシャディックヘ登ってくることができます。

ラックレールにかみ合うギヤを持つ電動車が、必ず勾配の下側に付くため、グリンデルワルト側とラウターブルンネン側から登ってきた電車は、いずれもクライネシャディックで 双方に折り返し、線路がつながっているにもかかわらず相手側に直通することはしません。

ヴェンゲルン・アルプ鉄道の新型車の車内 クライネシャディックを発車してラウターブルンネンに下る電車

WABの電車は線路幅が狭いため、BOBや次にご紹介するユングフラウ鉄道(JB)より小型で、ボックスシートが片側4人、反対側は2人になっています。また、前向きと後ろ向きの座席で傾斜を変え、急勾配でも乗客がシートからずり落ちないような配慮がなされています。

 


アイガー・メンヒをトンネルで登るユングフラウ鉄道

標高2061mのクライネシャディックから、ヨーロッパの鉄道最高地点3454mのユングフラウヨッホに向かうユングフラウ鉄道(JB)の軌間は1m、全長9.3kmで1400m近い高度差をかせぐため、最急勾配は1000分の250です。

架線が2本あり、電車の屋根には小さなパンタグラフが2つ並んでのっています。50Hzの三相交流を使用しているためで、電圧は異なりますがツェルマットからゴルナーグラートへ登るGGBと、ここJBの2社だけです。

小さなパンタグラフが横に2つ並んだユングフラウ鉄道 木造車もいるユングフラウ鉄道の車庫 ポイントに注目

オレンジとクリーム色に塗り分けた旧型車は、シュトルプ式のラックレールにかみ合うギヤを持つ電動車が山の下側につき、制御車との2両編成です。多客時には続行便を出し、乗客を立たせるようなことはしません。

車庫から小さな機関車に押されて、木造の客車も出てきました。機関車も含め、時代物のニス塗りの車体は手入れが行き届いています。

   
ユングフラウ鉄道クライネシャディック駅     山を下ってくる新型車と交換

クライネシャディック駅を発車した電車は、冷たい雨の中、緑の高原を登っていきます。途中にユーモラスな顔を描いた小さなラッセル車が休んでいました。

信号所で山を下ってくるオレンジに黄色の帯の新型電車と交換しました。2両編成を2本併結した4両編成で、こちらは両サイドに扉がありますがGGBの新型車と同じスタイルです。

ユーモラスな顔を描いたラッセル車 トンネルの中の中間駅

2つ目のアイガーグレッチャー駅を過ぎると程なく、アイガー・メンヒの中に掘られたトンネルに入り、車窓は闇の中になります。トンネル内に2個所の中間駅があり、ユングフラウヨッホに登る電車だけ両駅で10分程度ずつ休憩をします。ホームの横に掘られたトンネルを歩いていくと、アイガーの絶壁の途中に開けられた窓がある展望台に出ます。

天気がよければ、ここからクライネシャディックやグリンデルワルト方面の下界が望めるのでしょうが、下で降っていた雨が標高の高いここでは8月の雪に変わっています。

ユングフラウヨッホ駅の運転台付きのタンク車 ユングフラウ鉄道開業時の車両の模型 集電装置はトロリーポール

9.3kmを50分程かけて登ってきた終点のユングフラウヨッホの駅もトンネルの中。新型電車と同じ顔をした運転台付きのタンク車がとまっていました。

エレベータで上ったトップ・オブ・ヨーロッパの展望台からは、眼下に広がるアルプスの峰々やヨーロッパ最大のアレッチ氷河の雄大な景色など、目を見張る世界一のスイスアルプスの大景観が楽しめるはずだったのですが、残念ながら吹雪いて視界がほとんどない灰色の世界でした。

氷河の下に掘られたアイスパレス(氷の宮殿)には、氷の洞窟の中に様々な氷の彫刻がならび、それなりに楽しめます。JB開業当時の車両と思われる模型も展示されていて、機関車の屋根上には2本のトロリーポールが立っていました。

ユングフラウヨッホに登る登山鉄道3社は、こちらでも紹介しています。

 


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