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イタリア鉄道インターシティー

カゼルタ駅にインターシティーが入線して来たとき、食堂車を連結しているようには見えなかったので、前方まで確認に行ってみることに。やっぱりついていなかったですね。ヨーロッパでも食堂車の連結が減ってきているようで、カゼルタ駅の時刻表が古かったのでしょうか。 売店で食料を仕入れるべきだった。

インターシティー2等車のコンパートメントと通路

列車は、機関車の次位に開放式の1等車が1両、その後ろにコンパートメントの2等車が5両の編成です。何故か最後尾の2等車だけが満席で、その他の車両には乗客はまばらです。廊下の壁にある、指定席の区間と乗客の名前の札を差し込むフォルダには何も入っていません。もっとも、私の指定されたコンパートメントにも札が入っていなかったので、今ではもう使われていないのかもしれません。

コンパートメント指定席の札入れ 1等車の車内

満席のままでバーリまで3時間40分は辛いので、席を替えてもらおうと車掌を捜したところ、前方の車両でコンパートメントを1室占領して座っていました。切符を見せて、混んでいるので他の席に替えてほしいと英語で伝えたところ、こちらの言っていることは理解しているようですが、返答はイタリア語です。多分、何処でもいいから座れと言っているのでしょう。

指定された席と異なる車両に乗っていて、途中駅で列車の編成が分割されて予期せぬところへ連れて行かれるのが怖いので、車掌に全部の車両がバーリまで行くのか確認したところ、“シー”の返答。

車販のワゴン 昼食はビールとクロワッサンのサンドイッチ

チリンチリンと自転車のベルを鳴らして車販のワゴンが回ってきます。ビールを注文したところ、英語で“サンドイッチはいかが”と聞いてくるので、昼食用に求めます。高い! 外国人旅行者も多く乗っている列車で、商売人は英語を話します。“写真を写してもいい?”と聞いたら、ポーズをとってくれました。

インターシティーの車窓 フォッジア駅で進行方向が逆に

列車は勾配とカーブ、トンネルの連続でイタリア半島の背骨にあたるアペニン山脈を横断します。山岳地帯から平原に降りると、アドリア海に沿って走る路線と合流する駅、フォッジアです。ここで進行方向が逆になるため、電気機関車を切り離して最後部に付け替えます。念のために、私の乗っている車両が切り離 して置いて行かれないか、確認します。ここで、列車の遅れは40分に増幅しています。

汚れた窓越しにイタリア鉄道のディーゼルカーや私鉄の電車が見える

汚れた窓越しの車窓に、白と緑のイタリア鉄道とは異なる塗色の車両を見かけるようになります。あとで調べてみると、私鉄のバーリ北鉄道の電車のようです。

 


バーリ駅

ローマからのインターシティーは、定刻から40分遅れで終着のバーリに到着です。バーリはアドリア海に面する港町。東地中海の交通や貿易の中心地となっています。

まずは、アルベロベッロに向かうスッド・エスト鉄道(南東鉄道)の乗車ホームに行って、ネットで調べておいた発車時刻に間違いはないか 、確認します。イタリア鉄道バーリ中央駅の一番奥のホームですが、2本ある地下道のうち、ここまで通じているのは1本だけのため迷います。

バーリ駅と駅前広場 バーリに到着したローマからのインターシティー

ホームに出札窓口があったので、先にアルベロベッロまでの乗車券を買い求めてから、バーリ中央駅に出入りする列車の撮影です。レッジョナーレは一端に電気機関車の付いた2階建てや部分低床客車のプッシュプル、短い編成の電車 などバラエティーに富んでいます。長い編成のインターシティー等、いろんな列車が発着し、見飽きることはありません。

2階建ての普通列車 プッシュプルの客車側運転台
車体中央部部が低床になった客車の先頭は制御車 インターシティーが到着

ホームのない中線に、黄色い4車体連接の電車が入線してきます。台車間は低床構造で、正面にはイタリア鉄道のFSマークではなくペガサスマークが描かれているので、バーリ 北鉄道の車両のようです。

バーリ北鉄道の新型電車ETR342 ガルガーノ鉄道の電車

切り欠きホームの片隅に、2両編成の電車がパンタグラフをおろして休んでいます。こちらもFSではなくFGのマークが付いています。1両目の側面は広告塗装で、バーリから北東へ200km、こぶのようにアドリア海に突き出たペスキチ(Peschici)が描かれています。 バーリからフォッジア、ペスキチ方面に路線を持つ私鉄、ガルガーノ鉄道の車両かと思われます。

 


バーリ市街

インターシティーが遅れたのと、バーリ中央駅構内をウロウロしていたので、アルベロベッロ方面の列車の発車時刻まで40分余りになってしまいました。せっかくバーリに立ち寄ったので、旧市街を見ておきたいと、街に繰り出します。

バーリ中央駅の北側に広がる新市街は、道路が碁盤の目のように整備され、公園もあり、高級ブティックやデパートが賑わっています。

バーリ駅前の公園 道路が碁盤の目のバーリ新市街

さらに北へ、東西に走るヴィットリオ・エマヌエーレ二世大通りを渡ると、その先は旧市街。狭い路地が入り組んで、周りの風景は一変します。まだ、シエスタ(昼寝)の時間 が終わっていないためか、人通りがありません。

この旧市街は治安に問題があるようで、ここで掻っ払いに遭ったら最後です。大聖堂サン・ニコラ教会まで行きたかったのですが、列車の時刻も迫ってきたのであきらめて引き返そうとした ところで、道に迷いました。

狭い通りが迷路のように入り組んだバーリ旧市街

偶然、家の前に出ている人を見つけて、“バーリ チェントラーレ スタチオーネ(バーリ中央駅)”と尋ねたら、あっちの方角だけど、こっちへ行ってどこを曲がってと、 親切に指さして教えてくれます。言葉は通じないけど、おそらくそうだと思い、“グラッチェ”と礼を言って別れます。

何とか旧市街を抜け出したところにあった交番のような場所で、念のためにもう一度“バーリ チェントラーレ スタチオーネ”と尋ねたら、早口のイタリア語が。こっちが理解できていないことが解ったのか、“Do you speak English ?”。今度は英語で教えてくれました。“グラッチェ”

 


私鉄のバーリ北駅

途中で市場を見つけたため、また余計な時間を食ってバーリ中央駅まで戻ってきたところで、駅前広場の西に私鉄の駅を見つけました。行きには気付かずに通り過ぎてしまったような、駅とはわかりにくいところです。

隣り合った2つの駅の入り口から階段を登るホームと、降りるホームがあり、下のホームに電車が入ってきたので見に行きました。バーリから北西へ、アドリア海に沿って路線をのばしているバーリ北鉄道バーリ北駅です。

バーリ北駅のバーリ北鉄道の電車 ホームの右上の高架線はアプロ・ルカーネ鉄道

もうここで時間切れ。乗り遅れないように、バーリ中央駅の地下通路を走って、スッド・エスト鉄道のホームに向かいます。

立ち寄ることができなかった、バーリ北駅の階段を登った高架ホームは、観光客も利用する世界遺産のサッシのあるマテーラ方面に向かう列車が発着する、アプロ・ルカーネ鉄道の駅です。架線がないので、こちらはディーゼルカーによる運行と思われます。