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SNAVのフェリーでシチリアへ

ナポリ港からシチリア島パレルモ港へ、大型フェリーで一晩の距離です。船内は、ちょっとしたビルのようです。エレベーターで、船室のある上の階にあがります。

SNAV社のフェリーはナポリ出港が20時です。南イタリアとはいえ、11月下旬では夜のデッキに出ると冷えてきます。目の前には、ヌオボ城がライトアップに浮かび上がっています。出港とともにナポリの街の明かりが後方に遠ざかっていきます。ベスビオ火山の方角に目をやっても、もう真っ暗で何も見えません。

出航前にフェリーのデッキから見たナポリのヌオボ城 船室は2段ベッドの4人部屋を2人で使用

船内の客室は、2段ベッドの4人部屋。洗面台やシャワー、トイレも完備していて、寝台列車に比べると余裕があり、2人で使っていれば十分な広さです。晩秋のこの時間帯では、窓のある外側船室のメリットはほとんどありませんが。

洗面台もあります 室内にシャワーとトイレ付き

 

パレルモ入港

翌朝の入港予定は7時頃だったでしょうか。まだ夜明け前の真っ暗なうちに、船内のレストランで朝食です。やがて、東の空が明るくなってきた頃、シチリア島が見えてきます。左手に街をのぞみながら、船はほぼ定刻に朝焼けのパレルモ港に接岸します。

朝焼けのパレルモ港 船から見たパレルモの街

船から見たパレルモ港は、古い町並みの後ろに岩山がそびえています。接岸から下船できるまで、まだしばらく時間がかかります。

トラックと一緒に下船 イタリア本土とシチリアを結ぶSNAVのフェリー

 


モンレアーレ

トラックと一緒に大きな開口部から下船して、バスに乗り換えます。パレルモの街中を抜けて南西へ8kmほどの郊外にある、モンレアーレに向かいます。バスは坂道を登って駐車場へ、ここから先は階段を徒歩で登ります。

モンレアーレのドゥオーモ 聖母マリア像とドゥオーモを掲げるグリエルモ2世像

街の中心に位置するヴィットリオ・エマヌエーレ広場に、ドゥオモが建っています。12世紀後半に、シチリア王国の国王、グリエルモ2世が建てたものです。ドゥオモの側面の入り口には、グリエルモ2世がドゥオモを差し出すように持って建つ像があり、その先には聖母マリアが両手を広げています。

ドゥオーモの後陣 祭壇 キリストを描いたモザイク

ドゥオモ正面のファザードを見てみると、左右の塔の高さや大きさが異なります。左の塔が未完成なために、バランスがとれていませんが、設計段階からデザインは異なっていたのだとか。左右の塔の間に柱廊が、内部も多くの列柱があり、アラブの雰囲気です。

その壁面はビザンチン様式の黄金のモザイクに覆われ、聖書の物語等が描かれています。後陣中央から、イエス・キリストが見つめています。

列柱が並ぶドゥオーモの内部 モンアーレからパレルモの遠望

標高300m余りの丘の上に位置するモンレアーレから、パレルモの街と地中海が見渡せます。

 


パレルモの街

再びバスでパレルモに戻ってきました。パレルモは人口70万人のシチリア州の州都。地中海の真ん中に位置するシチリア島は、紀元前からフェニキア人、ローマ人、イスラム、ノルマン人、近世にはスペイン、オーストリア、イタリアと支配者が入れ替わってきました。

     
ヌオーヴァ門       カテドラーレ

パレルモを東西に貫くメインストリート、ヴィットリオ・エマヌエーレ大通り(といっても片側1車線ずつの道ですが)の西の端に建つのがヌオーヴァ門 。新しい門という意味だと思いますが、16世紀の建築で、その下を21世紀のクルマが走り抜けていきます。

東に向かうと、通りに面した公園の向こうにパレルモの大聖堂、カテドラーレが偉容を見せています。創建は12世紀後半ですが、その後の支配者による増改築で、ノルマン様式にイスラム色が付加されています。

横断幕を掲げて地元の高校生のデモ行進

クアトロ・カンティに向かう途中で、通りを埋め尽くすデモ隊に出会いました。パトカーと警官隊に先導され、横断幕を掲げた高校生の集団です。もらったビラには、授業料値上げ反対とと書いてあったような。

パレルモの中心クアトロ・カンティ 1階の泉 2階と3階

東西のメインストリート、ヴィットリオ・エマヌエーレ大通りと、南北のマクエダ通りの交差点がパレルモの中心、四つの角、四つ辻を意味するクアトロ・カンティです。交差点に面する4つの建物 は角に面した部分を丸く凹型にして、それぞれ1階に春夏秋冬をあらわす女性の像と泉を、2階には王の像、3階にはパレルモの守護聖女の像を飾ってい ます。はてさて、どれが春夏秋冬だったか……

マッシモ劇場 映画ゴッドファーザーで使われた階段

クアトロ・カンティからマクエダ通りを北へ向かうと、19世紀末の建築であるマッシモ劇場があります。映画ゴッドファーザー3で、ゴッドファーザーの娘が打たれた階段のあるオペラ座です。内部のガイドツアーがあるようですが、残念ながらパックツアーでは参加している余裕がありません。

マクエダ通りをさらに北へ向かうと、凱旋門の上から4頭立て馬車のブロンズ像が見下ろす玄関を持つポリテアーマ劇場があります。ここから先は、モダンな建物や店の並ぶ新市街です。

ポリテアーマ劇場 シチリア島の内陸をパレルモからアグリジェントへ向かう車窓

パレルモから、逆三角形のシチリア島を北から南へ縦断して、神殿の谷のあるアグリジェントへ向かいます。パレルモ−アグリジェント間のイタリア鉄道はローカル線。普通列車は本数も少なく時間もかかるため、バスにたちうちできません。