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旅の車窓から

オランダ アムステルダム・ホールン・ユトレヒト

風車とチューリップの国オランダ。蒸気機関車の走る保存鉄道もあります。首都アムステルダムから鉄道で各方面を巡る旅にご案内します。

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アムステルダム ユトレヒト ロッテルダム

ゴールデンウイークにオランダへ

2007年のゴールデンウイーク、香港のキャセーパシフィック航空の格安航空券が、5月に入ったとたんにゴールデンウイーク料金から通常料金に、わずか1日違いで大幅に下がりました。成田から香港乗り継ぎで、キャセーが就航しているヨーロッパ各地の都市まで、往復7万円台です。のチャンスを逃さないよう、でもこの年の5月は4連休、ヨーロッパに行くには有給休暇を加える必要がありますが、2月段階では仕事の予定が立ちません。

格安航空券のキャンセル料は高いので、料金が多少高くなるのとホテルが自由に選べない点を我慢して、40日前までならキャンセル無料、その後もキャンセル料が割安な、キャセーの格安航空券を使うエアーとホテルだけのパックツアーにしました。行き先は迷ったのですが、この時期ならチューリップのオランダに決めました。

成田空港から、キャセーパシフィック航空の夕刻便で、まずは経由地の香港に向かいます。ゴールデンウイーク後半が始まったばかりなのに、香港行きのジャンボ機の後部にはかなりの空席があります。乗客の大半は、日本に観光にきた帰りの香港人のようです。添乗員同行で、北海道を巡ってきたのでしょう、まだ騒ぎになる前の“白い恋人”の袋を両手に抱えた家族連れや、東京ディズニーランドに行ったのでしょうミッキーやミニーのぬいぐるみを大事そうに抱いた子供連れなどが多く、博品館もおみやげに人気のようです。ここでは日本人は少数派です。

もっとも、毎日数多くの便がある成田−香港間で、香港のホテルチェックインが夜遅くになってしまう夕刻便を選ぶ物好きな日本人は少ないでしょうね。おかげで、離陸後に席を移動して、隣が空席のところで香港までゆっくりと過ごすことができます。

※ 9ページの末尾にそれぞれリンク先を設けました。詳しく知りたい方はご利用ください。

 


香港からアムステルダムへ

成田よりも遠いためか、香港からのヨーロッパ便は、深夜に出発して目的地に現地時間の翌朝に到着します。阿姆斯特丹(中国語でアムステルダム)便の搭乗口で待っていても、ゴールデンウイークなのに他に日本人らしき人を見かけません。だから航空券が安いのかと納得。

指定された席は最後部の通路側、でも横がトイレでなくって良かった。隣 の窓側は、持ち物から見てベトナム観光帰りの団体ツアー客の中年女性。一人はみ出てしまい、アジア人の親父(私のこと)の隣になってしまったようです。離陸前にお友達が“前の方があいているから来ない”と(何故か英語で)呼びに来て、またまた隣が空席に。これでぐっすり寝ていけます。ラッキー!

香港からのアムステルダム便は順調に飛行を続け、翌朝定刻にスキポール空港に着陸。空港の地下にはオランダ鉄道の幹線が通っており、空港送迎は別料金のためパックに含めていません。荷物を受け取ってまずはホテルへ。スキポール空港駅の券売機は英語切り替えボタンがあり、クレジットカードも使え便利です。ホテルは市の南部、アムステルダム・ライ駅の近くです。ノーマルチケットディスカウントチケットがあるようです。よくわからないのでとりあえず安い方、ディスカウントチケットを買います。 これは後日、間違いであることがわかります。

香港国際空港 アムステルダム行き(CXとIBのコードシェア便) 空港駅で乗り間違えた中央駅行きの二階建て列車の車内

券売機の近くにいる人に切符を見せ、“アムステルダム・ライ駅に行きたいんだけど”と尋ねると、“Amsterdam CS”と行き先が表示されたホームへの階段を指さし、あれに乗れと言います。ホームに降りると二階建ての列車が入線しています。ホームにいた係員にチケットを見せ同じことを尋ねると、これに乗れと指さします。

列車はすぐに発車し、途中ノンストップ15分ほどで終点のアムステルダム中央駅に到着。CSはCentraal Station(英語とオランダ語はよく似たスペル)でした。アムステルダム・ライ駅に行かない列車に乗せられてしまいました。いい加減な答えは、オランダ人もまるでイタリア人と同じです。

中央駅から快速トラムでライ駅へ ライ駅で折り返すループ線上のトラム

列車から降りてきた女性の運転手を捕まえて切符を見せ、下手な英語で“ライ駅へ行くのに空港駅の係員がこの列車に乗れと言った”と抗議したところ、駅員のところに連れて行かれます。女性の駅員が“Discount Ticket ?”と怪訝な顔をしながら携帯端末をタッチペンで操作し、“中央駅を○時○分に出る△△行きに乗って□□駅で××行きに乗り換え……”。“もういいよ”と言って諦め、中央駅を出て地下鉄の切符を買って51系統の快速トラムでライ駅に向かいます。

アーリーチェックインは追加料金必要とのことで、ノボテルに荷物を預け再びライ駅前から中央駅へ、今度はトラムで戻ります。トラムは5車体連接の全低床車コンビーノで、最後部に車掌が乗っています。地下鉄で買った切符の有効時間がまだ残っていたので、使えるか聞いてみたところOKの返事。

 


アムステルダム中央駅

トラム4系統は、アムステルダム市街地を南北に縦断して、オランダ鉄道のアムステルダム中央駅とアムステルダム・ライ駅をむすぶ、便利な系統です。再び中央駅に戻ってきました。アムステルダム中央駅は、他の多くのヨーロッパのターミナル駅が行き止まり式になっているのと異なり、日本の駅のように列車が通り向ける構造です。

オランダ訪問の目的の一つは、アムステルダムの北にある港町、ホールンメーデンブリックをむすぶ蒸気機関車の保存鉄道です。ネットで調べたところ、この日のホールン発の列車は午前と午後の各1本ずつとの情報です。念のためにアムステルダム中央駅のインフォメーションに立ち寄り尋ねると、11時発の1本だけとのこと。今からでは間に合わないため、ネット情報では午後の便もあることになっていたので調べてほしいと粘ったのですが、窓口の若い女性は1日1本だけと言って譲りません。

中央駅のドームと日本の485系に似たインターシティー 二階建てのインターシティー ホーム中央の両渡り線

とりあえず、アムステルダムの近くでオランダ名物の風車が保存されているザーンセ・スカンスへ向かいます。インフォメーションで電車の時間と番線を教えてもらいます。オランダでは、長いホームの中間付近の線路に両渡り線が設けられていて、1a番線、1b番線のようにホームの前後を2本の列車で使い分けることが多く、乗り間違わないよう注意が必要です。

ザーンセ・スカンスへ向かう3両編成のローカル電車 ローカル電車の車内

切符を買うのに券売機に並んで順番が来たら、空港駅と違いVISAもMASTERも受け付けません。あとでわかったのですが、どうやらオランダで発行されているデビットカード専用のようです。隣にコイン も使える券売機があったので、売店に行ってペットボトルの水を購入してコインに崩します。水が高い! 紙幣が使える券売機は無いようです。

 


風車の村ザーンセ・スカンス

やっと切符を買って、ホームに駆け上がる直前にドアが閉まり、電車は行ってしまいます。時刻表を見ると、どうやら15分間隔のようです。次の電車は別のホーム。インターシティーなど、ドーム屋根のアムステルダム中央駅に出入りする列車を撮っていると、すぐに時間が過ぎます。

コーフ・ザーンディク駅 橋が開き船に牽かれた艀が通る

アムステルダム中央駅から各駅停車で15分ほどで、コーフ・ザーンディク駅に着きます。駅からザーンセ・スカンスに向かう途中にザーン川が流れていて、橋の中央が上に開いて手前で車が停車しています。やがて、貨物列車のように荷物を積んだ何隻もの艀がつながってタグボートに牽かれて通り過ぎていき、橋が 降りて閉まります。

ザーンセ・スカンスの風車群

この橋の向こうがザーンセ・スカンス、橋の上からザーン川沿いにいくつもの風車が並んでいるのが目に入ります。ここは、村全体が風車博物館のようなところです。

川を挟んで風車群と対岸には美しい街並みが続く

芥子の粉をひく水車、製材の動力源になっている風車、塗料の製造に使われている風車、種や木の実から搾油する機械を動かす風車等、ここでは風車は様々な用途に使われています。内部が見学できる風車もあります。

ザーンセ・スカンスの風車群

木の橋で小川を渡るとおみやげの店があり、駐車場には観光バスが止まり、急ににぎやかになります。手作りチーズのお店では、実演もしてくれます。次の切符を買うため、有料トイレと売店で2回に渡ってお札をくずしてコインを貯めておきます。

木の橋を渡ればおみやげ屋さんがにぎわっている 手作りチーズのお店

再び橋を渡って、コーフ・ザーンディク駅に戻りますが、みんなクルマかバスの団体客のようで、他に歩いている人は見かけません。