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ブリュッセル南駅からフランクフルトへ

ドイツのトリールから、ドイツ鉄道のディーゼルカーで国境を越えてルクセンブルグに入ってから5日目、ベルギーのブリュッセル南駅からICEインターナショナルでフランクフルトに戻ることになりました。ブリュッセル南駅は、ICEとパリに向かうタリスがならび、ICEの発車前に向かいのホームにTGVが入線し、柵で囲われた向こうのホームではロンドン行きのユーロスターが発車を待っていて、国際色豊かです。

タリスと並ぶICE3 ICE3の2等車車内

駅構内のカフェテリアで夕食を済ませ、乗車したのは電車方式のICE3。ネットの早割で取った指定席は36号車。編成は8両で、31号車から始まっていました。開放室の窓側を指定したのですが、車体中央のコンパートメントの廊下に向かう位置にある一人がけの席でした。ラッキー。

一人がけの席 アーヘン中央駅のドイツ近郊車両

ICE3はブリュッセル南駅を定刻18時25分に発車します。ブリュッセル北駅、リエージュと停車すると次はアーヘンです。どこかで国境を越えてドイツに入国したようで、駅に停車しているのが黄色と白のベルギーの車両から赤いDBの車両に変わります。

次の停車駅はケルン。ドームに覆われた駅に滑り込みます。ケルンを出ると、大聖堂を見ながらライン川を渡ります。この先ICEは高速新線経由のため、ライン川に沿った景勝路線は通りません。

ケルン中央駅 ビストロでビールを注文

20時半頃、ビストロ車に行ってみました。座れるのは4人がけのテーブル席が2組と、2人がけが2組のわずか12人だけ。もちろん満席です。立ち席のテーブルでビールを注文します。5月のドイツの日没は9時半頃。外はまだ明るいのですが、ビールを片手に車窓を楽しむには、時速300kmは速すぎます。

フランクフルト空港駅に停車した後、終着フランクフルト中央駅に21時30分に定刻の到着です。

 


フランクフルトのトラム

前日のフランクフルトへの到着が遅くなったので、ホテルは駅のすぐ横に確保していました。最終日は、夜便で北京に向かうため1日有効に使えます。ホテルのフロントに荷物を預かってもらい、まずは中央駅の中にあるインフォメーションで、トラム(シュトラッセバーン)や地下鉄(Uバーン)、国電(Sバーン)の路線図をもらいます。

フランクフルト中央駅 中央駅前のトラム全低床車

駅前の停留所の券売機で、1日乗車券を買います。市内だけなら5.8€、市内からフランクフルト空港まで使える1日乗車券は9.1€。ブリュッセル 市内の4.5€に比べると高いけど、コインだけしか使えなかったベルギーと違い、ドイツはお札を入れてもお釣りを出してくれる、日本並みの賢い券売機です。

ドイツも、他のヨーロッパ諸国と同様に信用乗車方式。でも、他の多くの国と異なり車内に刻印機がなく、切符に発売した時点の日時が印字されています。どうやら、前日に買っておいてはいけないようです。

Sバーン・Uバーン・トラムの券売機 新型連接車は部分低床車

まずは、12系統のトラムの終点にあり、日曜祝日だけ開館するフランクフルト交通博物館を目指します。路線図を見ると、12系統は駅前を通らないことが判明。次の停留所まで歩きます。停留所には、系統別に時刻表が掲載されています。週末の朝の12系統は運行本数が少なく、20分近く待つことに。

部分低床車の車内 部分低床車の運転台

15年前に来たときに、フランクフルトのトラムの主力として活躍していたデュワグ車は全て引退し、当時の最新型であった角張った全低床車と、その後に登場して現在の主力となっている丸い車体の部分低床車の2種類に統一されているようです。 全車、両運転台で扉も両側にあります。

コストかあるいはメンテナンスを考えてでしょうか、新しい連接車の方は前後の動力台車の部分の床を1段高くした部分低床車とし、客用扉をその後方のフラットな部分に設けています。最前部のステップ付きの扉は乗務員室用です。

 


フランクフルト交通博物館

12系統は、中央駅近くから南西に向かいます。途中から専用軌道となって森の中を走る部分もあり、郊外電車の雰囲気です。終点の Schwanheim Rheilandstrasse は住宅地の中で、立派な駅舎もありますが、今は使われてはいないようです。

トラムの終点 Schwanheim Rheilandstrasse 駅 トラムの停留所と交通博物館

停留所に隣接して、フランクフルト交通博物館があります。車庫の建物を流用しているようで、博物館の中まで線路がつながっています。ここは、1872年にフランクフルトで初めて走った鉄道馬車以来の路面電車シュトラッセバーン、地下鉄Uバーン、それにバスが屋内に保存展示されています。

フランクフルト交通博物館
交通博物館の屋外に信号機が並ぶ フェンスの向こうは小さな動物園

フランクフルト交通博物館は、こちらで詳しく紹介しています

また、屋外には各種信号機が並んでいます。交通博物館とフェンスを隔てた隣は小さな動物園。

 


トラム12系統でレーマーへ

交通博物館の見学を終え、再び12系統のトラムに乗って都心方面に戻ります。郊外の森の中の専用軌道を走る12系統の車窓を動画でご覧下さい。

Schwanheim Rheilandstrasse を発車して12系統のトラムはしばらく森の中を走る

電車は市の中心部に近づくと、マイン川に架かる橋を渡り、中央駅の手前でポイントを渡り旧市街に向かいます。車内に検札の係員が乗ってきます。乗客に乗車券の提示を求め、持っていなかった男が罰金を取られています。

     
ユーロマークと欧州中央銀行本店の近くを走るトラム

車窓に巨大なユーロマークを見つけて降りてみました。欧州中央銀行本店です。観光客がユーロマークと高層ビルを背景に記念写真を撮っています。ここから旧市街の旧市庁舎前広場、レーマーは次の停留所。歩いて向かいます。

レーマー広場と旧市庁舎 旧市庁舎の向かいに建ち並ぶ木組みの家

広場に面した切り妻屋根の旧市庁舎がレーマーと呼ばれています。15世紀のはじめに市がこの建物を買い取って市庁舎にしたのだとか。広場の向かいに建ち並ぶ木組みの家も良い雰囲気を醸しています。広場の一角にはニコライ教会が建っています。

     
レーマー広場 ニコライ教会とその内部

すぐ近くの大聖堂に行ってみたら、日曜のミサの最中で観光客の立ち入りはお断り。また後で戻ってくることにして動物園に向かいます。