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エストニア鉄道タリン駅

エストに鉄道タリン駅は旧市街の外、北東の緑の多いところにあります。駅前にはトロリーバスが発着し、駅裏にはトラムの停留所があり、乗り換えは便利です。

タリン駅電停のトラム エストニア鉄道タリン駅

タリン駅のホームの配置は頭端式。ヨーロッパ大陸には珍しく、日本や英国のような車両の出入り口とあわせた高いホームになっています。1時間に数本の近距離電車と、ときおり気動車による中距離の列車が発着し ていますが、駅舎内の切符売り場は閑散としています。

閑散としたタリン駅出札窓口 駅の外には蒸気機関車が展示

駅の横には、巨大な蒸気機関車が展示されています。旧ソ連時代には、エストニアを含むバルト三国の鉄道は、リトアニアの西にあり今ではロシアの飛び地となってしまったカリーニングラード州も含め、バルチック鉄道の管轄下にありました。5軸の動輪を持つ貨物用でしょうか。ボイラがずいぶん高い位置にあります。旧ソ連時代にこの地で活躍した蒸気機関車でしょう。

 


タリン近郊の国電

エストニアの鉄道は、線路幅1520mmのロシアと同じ広軌で、独立後の1992年に国が設立した国鉄(Eesti Raudtee)が線路を保有し、国内やロシア、ラトビアを結ぶ貨物列車が主体ですが、タリン近郊の電化区間で通勤電車も運行しています。

ソ連顔の国電 こちらは正面2枚窓

エストニアの国電は、ラトビアRVR製の3〜6連です。紺に黄色の帯、側面には白をあしらった派手な塗色になっていますが、車体の側面にリブのある、ちょっと古い旧共産圏の車体です。

大きな窓の半流線型 簡素なプラスチックシートの国電車内

正面にはLEDの方向幕を付け、車内も更新で綺麗になっています。隣国、ラトビア鉄道の電車と同様に、正面はご覧のような3種類の顔がありますが、いずれも吊りかけモーターです。

頭端式のタリン駅のホームに並ぶ国電と 南西鉄道の気動車

 

中距離の気動車列車

タリンとタルトゥを結ぶ中距離列車等、タリン近郊の電化区間を越えて中距離を走る列車は、1997人に設立された民間企業である南西鉄道(Edelaraudtee)が正面に“E”のマークを付けた気動車で運行しています。

3両編成の動力車は1両。一端に運転室と機関室を持つ動力車を配し、他端は制御車になっています。隣国のラトビアやその隣のリトアニアでも同じ車両を見かけますが、制御車の 何故か制御車のマスクが異なっています。

一端に機関室を持つ気動車 3両編成の気動車の他端は制御車

4両や6両の長い編成は、両端が動力車になっています。車両は、ファーストクラス(1等車)、セカンドクラス(2等車)、レギュラークラス(3等車)に分かれています。編成 単位で、1等と2等のみで構成する列車と、レギュラークラスのみの列車に分かれているようです。1等車でも冷房はなし。

ヨーロッパでは一般的ですが自転車の持ち込みが可能で、車両の一端に固定できるようになっています。

自転車OKのマーク レギュラークラス 車端は自転車スペース

車内は写真でご覧ください。内装は更新で綺麗になっていますが、ソ連時代からの車両を使っているようで、1等や2等は座席を交換したのでしょう、窓と座席の位置が合っていません。また、シートの向きは固定で、回転できないようです。

セカンドクラスの車内 飲み物のカウンターがあるファーストクラス

1等と2等の違いは、シートが多少広いことと大きなテーブル、それに1等の車内にはカウンターがあり、コーヒーや紅茶が無料という点でしょうか。タリン−タルトゥ間113kmの運賃が、1等155EEK、2等125EEK、レギュラー105EEK(1EEKが約8円)となっています。

MTUのディーゼル機関 コンプレッサーでしょうか

旧ソ連には、気動車の床下にエンジンを納める技術がなかったのでしょうか。動力車の運転台と客室の間にある機関室の部分は、屋根が一段と高くなっています。かつては、この中にソ連製の巨大なエンジンが収まっていたのでしょうか。機関室の窓が開いていたので、ホームからのぞき込んだところ、MTUの高速エンジンに換装され、機関室は広々としていました。今は、旧ソ連の車両に旧西ドイツのエンジンが搭載される時代です。

 

モスクワ行き夜行列車

エストニアの鉄道には、もう一社、夜行列車を運行するGO Railという民間会社があります。 タリン駅のホームに、GOのマークが描かれたディーゼル機関車を先頭にした客車列車が入線しています。

Edelaraudteeの気動車列車とGO Railのディーゼル機関車牽引の客車列車

GO Railは、タリンとロシアの首都モスクワの間に、1日1往復の夜行寝台列車を運行しています。発車時刻まで時間があるため、まだ乗客はいません。客車の扉は閉められています。

GO Railのモスクワ行き夜行列車 夜行列車の最後尾

客車は、車体にリブのある旧共産圏タイプです。かつては、緑に黄色の帯だったのでしょうが、今では青と灰色、それに白帯の塗色になっています。 日本の国鉄がJRになったときも塗色変更をした例がありましたが、それと同じで似合いませんね。

座席車 座席車の車内

寝台列車にも冷房はないようです。暑いのか、編成の中間に窓の開いている車両があります。車内をのぞくと、食堂車に乗務員が集まりお茶を飲みながらくつろいでいます。カメラを見せて車内の写真を撮らせてもらえないか尋ねてみましたが、ダメでした。

     
寝台車       2段寝台の個室

列車の編成は、ディーゼル機関車列車の次に先頭から、座席車1両、2人部屋の1段の個室寝台1両、4人部屋の2段の個室寝台2両、食堂車1両、6人部屋3段の寝台が3両の8両編成です。

食堂車でしょうか ホームに列車の行き先と時刻表示

一部の窓にカーテンの開いているところがあったので、車内の写真が撮れました。