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旅の車窓から

中国 廈門の新交通システム?

中国福建省の廈門(アモイ)。中国国鉄の廈門駅に降り立つと、すぐ前の駅前大通りの中央に、青い高架橋が延びています。自動改札を抜け高架橋のホームに上がると、やってきたのは・・・・・・。

廈門の気温と時刻 クリックすると天気も表示 

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中国福建省廈門へ

2008年の年末に中国廈門(アモイ)に行きました。 廈門は華僑のふるさと、福建省の南東部九龍江の河口に位置する港湾都市で、台湾海峡を隔てて台湾と対峙しています。廈門は天然の良港であり、清朝がアヘン戦争に破れて結んだ南京条約により開港した港の一つです。

廈門の中心は、本土と橋で結ばれた直径13km程度の円形の廈門島で、高崎国際空港も島内にあります。また、廈門島の南西にあるコロンス島は、南京条約で開港以降の古い洋館が建ち並ぶ異国情緒豊かな観光地となっています。廈門島の東にある金門島は、台湾が実行支配していています。

1980年には経済特区に指定され、華僑資本や日本企業が進出しており、2009年現在で成田からはANAが毎日とJALが週に3便の、関空からも週に数便のANAと廈門航空の直行便が就航しています。

※ 4ページの末尾にそれぞれリンク先を設けました。詳しく知りたい方はご利用ください。

 


スモッグでかすむ廈門へ

成田を発ったANKエアーニッポンが運行するANA便が高度を下げると、最近の他の中国の都市と同様にスモッグにかすむ廈門近郊の街並みが眼下に見えてきます。

スモッグにかすむ廈門近郊 九龍江が蛇行して流れる本土側廈門近郊

蛇行して流れる九龍江が見え、一旦洋上に出たあと、市街地や本土と廈門島を結ぶ廈門大橋を横をすり抜けて、島の北端にある廈門高崎国際空港に着陸です。

 


まずは路線バスで廈門駅へ

鉄道は本土から廈門島に乗り入れ、廈門駅が終着駅になっています。島内の主な交通機関は路線バス。バスは、正面の窓上に始点と終点および系統番号が書かれており、バス停には系統別に途中の停留所名も明記されているので、漢字が読める日本人には便利です。

カラフルな廈門の市内バス 市内バスの車内

ホテルの前のバス停に、“火車站”行きのバスが来たので乗車します。乗車時に運賃1元(2008年12月現在で約13円)を料金箱に入れます。廈門駅はこのバスの終点のため、乗り過ごす心配はなく安心です。

廈門駅と駅前のバスターミナル 乗車口には空港と同じセキュリティーチェックが

乗客は、廈門駅前のバスターミナルで全員下車。廈門駅は全ての列車が始発のため、切符の入手が比較的容易かと思い、出国前にネットで列車の時刻表を調べプリントして持ってきていました。次の停車駅までチョイ乗り(と言っても快速列車で片道1時間ですが)を楽しみ、また廈門に折り返してこようと思い、駅の切符売り場へ行ったところ、中国はどこでもそうですが長蛇の行列。しかも、電光掲示板には“無”、“無”、“無”…、と表示されています。

廈門駅の切符売り場は長蛇の行列 廈門駅前の新交通システムの駅?

列車への乗車は取りやめ、駅の中だけでも覗いてみようかと思ったのですが、乗車口には係員だけで乗客がいません。この時間に出発する列車がないため、列に並んで入場券を買っても改札口を通してもらえない可能性が高いと思い、構内への入場も諦めました。

 


廈門の新交通システム?

廈門駅前の大通りの中央には、新交通システムのような水色の高架橋が延びています。道路中央の橋脚の部分は整備中で、最近になって完成したことを伺わせます。ちなみに、2008年12月に発刊した地球の歩き方には、これについてまだ何も掲載されていません。

駅前バスターミナルの横には、BRTと書いた建物があり、“火車站”の駅名が表示されています。路線図を見ると、丸い廈門島を南西から北東に路線が延び、途中で東と北に別れ、北に向かう路線は集美大橋を渡って本土へ入ってからさらに二手に分かれ、3系統の路線で運行されています。

     
BRTの切符売り場と改札口 BRTの路線図

切符売り場には有人で、券売機はありません。とりあえず南西方向は“第一埠頭”(埠頭の字は中国語では字が異なります)となっていますが、何と読むのかわかりません。とりあえず方向を指さして“ファイナルディスティネーション”と言ったところわかってもらえました。

バスが1元なので運賃は2〜3元かと思い5元札を出したところ、青いICチップ入りのトークン(台北の地下鉄と同じです)と4.5元のお釣りが返ってきました。区間制のようですが、最低運賃はバスの半額の5角(0.5元、約7円)。安い!

自動改札機にICチップ入りのトークンを近づけて通る ホームドアと“文明乗公交”の標語

トークンを自動改札機にかざすと、バーが回転できるようになり、改札口を通ります。エスカレーターと階段で高架に上がると、道路に面して相対式のホームがあり、ホームドアが整備されています。次に来る系統と行き先がLEDで表示されています。

ホームドアには“文明乗公交”の標語が、ホームの床面には“先下后上”の乗車マナーが書かれています。各ホームには1人ずつ係員がいて乗客の整理をしています。

やってきたのは普通のバス BRTの駅に停車するバス

やがて、向こうからやってきたのは列車ではなく青いバス。ホームに停車すると、ホームドアとバスの前、中扉が連動して開きます。BRTは、Bus Rapid Transitでした。

ワンマン運転は同じですが、一般道を走るバスに比べ、BRTはノンステップの新車です。建設費と人件費、輸送量からみて、廈門にとっては高価な無人運転の新交通システムより、交通信号や渋滞の無い高架道路を走るバスが合理的なのでしょう。