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南屏晩鐘

浄慈禅寺は、西湖の南岸の南屏山麓にある、10世紀に創建のお寺。夕刻の鐘の音を耳に眺める西湖は、“南屏晩鐘”として西湖十景の一つです。 日本の僧、道元がここで修行をしたといわれ、清代の末期に火事で鐘楼を焼失し、今の釣鐘は1985年に永平寺が贈ったのだとか。そういえば、鐘が新しいですね。

浄慈禅寺の鐘 本堂の仏様 お母さんと一緒にお参り

 

雷峰夕照と蘇堤春暁

西湖南岸の湖に突き出た半島の雷峰山の頂上に建つのが雷峰塔。これも10世紀の創建ですが、20世紀の初めに倒壊。現在の建物は21世紀になってからの再建だとか。その姿は、西湖のどこからでもよく見えます。この雷峰塔が夕日に照り輝くさまが“雷峰夕照”だそうですが、この日はスモッグで‥‥。

西湖と雷峰塔 蘇堤の向こうに雷峰塔 手前は西里湖

蘇堤は西湖の西を南北に貫く、11世紀に西湖の湖底の泥で築かれた長さ2.8km堤防。蘇堤の東が西湖、西が西里湖と分かれています。今では、この上は柳や桃の木が植えられた遊歩道となっており、通れる車は乗り合いの電気自動車だけ。桃の開花の季節でしょうか、春霞のかかる朝の美しさが“蘇堤春暁”と呼ばれています。

 

断橋残雪

西湖は広いので、南岸からタクシーで一気に北岸に移動します。西湖の北岸にも、東西に延びる堤防、白堤があり、西湖と北里湖を隔てています。白堤に、両方の湖をつなぐ水路に架かる橋があります。ここは雪の名所だそうで、坂になった橋の中央から積もった雪が溶け始めるとき、橋が折れているように見えることから、“断橋残雪”と名付けられたのだとか。

西湖と北里湖(右)を分ける白堤にかかる断橋

西湖の中には3つの島があり、湖岸との間を船で結んでいます。島にも西湖十景があり船で渡りたかったのですが、ガイドのいない個人旅行のため時間が読めず、 帰りの列車に乗り遅れないように、また次の機会に残しておくことにしました。

西湖に浮かぶ島を巡る遊覧船 すごいデザインの船もありますね

結局、西湖十景のうちまわったのは五景まで。残りは次回の楽しみに残しておいて、湖岸からタクシーで杭州駅に戻ります。

 


動車組の和諧号で上海へ

杭州駅の構内にはおいしそうな店が出ています。、私一人ならここで早めの夕食にするところですが、今日は日本の中華料理に慣れている同行者 と一緒なので、手加減なしの本場の庶民の味は日本人の口に合わないだろうと思い、上海に帰るまで我慢我慢。

杭州駅の切符売り場と待合室の入り口 テイクアウト中華の店が出ている

例によって列車別の待合室で時間をつぶして、発車の15分ほど前にやっと改札が始まります。帰りの列車は、動車組と呼ばれる新幹線タイプを選び 、変化を持たせてみました。China Rail High speed だったでしょうか、動車組には側面にCHR、正面に和諧号のロゴがついています。

東北新幹線“はやて”そっくりのCRH2が来るものと思っていたら、意外にもボンバルディアがベースとなったCRH1でした。JR九州のハイパーサルーンのように、ドアが車体の中央に1ヶ所で客室が前後に分かれています。

和諧号CRH1 2編成を併結している

中国まで来て、いつも出張で乗っている“はやて”に乗りたいとも思いませんが、CRH1の座席は1等車でも座席の向きは回転できず、リクライニング角度もわずかで、“はやて”のグリーン車に比べると数段劣ります。2等車は3人がけと2人がけで向きは変えられず、肘掛けすらありません。

一等車の車内 二等車の車内
食堂車のテーブル席と立食コーナー 食堂車のカウンター

8両編成が2本併結の16両編成ですが、この日は満席。食堂車と2等車の合造車が連結されていてますが、食堂は発車前から満席。始発の杭州から終点の上海南までノンストップで、1時間20分程度を要したでしょうか、在来線のため電光表示の速度は165km/hが最速でした。

2010年10月下旬に滬杭高速鉄路が開通し、上海虹橋−杭州間200km余りを世界最速の350km/h、45分で結んでいるようです。2010年12月現在の上海鉄路局ホームページの沪杭城際高鉄には、何故か日本の100系新幹線の絵が。こんなものパクっても350km/hはでないよ。

 


豫園

4日目、上海最終日。今日もホテルの朝食はパスして、豫園商城の一角にある小籠包で有名な南翔饅頭店の本店に向かいます。開店がネットで調べた時間と違っていて、朝は値段の高い3階だけで、メニューも蟹味噌入り小籠包だけのようです。とりあえず注文しましたが、同じものばかりでは飽きるので、程々で切り上げ、1階のテイクアウトの行列に並びます。

上海万博をPRする豫園商城 南翔饅頭店の小籠包

テイクアウトの開店時間にならないためか、湯気の上がった小籠包が次々とできあがってくるのに売ってくれません。そうこうしているうちに、並んで待っている客と女性店員との間で言い争いが始まりました。互いに思いっきり大声で怒鳴り合うところが中国です。最終日に無駄な時間を使ってしまいましたが、こちらも豚肉小籠包を入手するまでは引き下がれません。

豫園の内部

おなかが一杯になったところで豫園の見学です。16世紀、明の時代に四川省の役人が父のために造園した古典庭園で、“豫悦老親”(親戚たちと愉快に楽しく)との意味で豫園と名付けたとか。開発の進む上海の中でもここだけは古い中国を今に伝えています。園内にはあちこちに奇岩がにょきにょき。 ガジュマルでできた椅子も奇っ怪な形をしています。これらを珍重する中国の人々の気持ちは、いまいち良く理解できません。

奇岩が珍重される 老城隍廟

豫園商城の店で土産物を物色していたら、近くに道教寺院の老城隍廟を見つけました。入ってみると、きらびやかな神様が鎮座しています。

天気が回復して雲が高くなったので、帰国前に浦東の超高層ビルの展望台へと計画していたのですが、南翔饅頭店で時間を取りすぎてしまい、残念ながら外灘から黄浦江の対岸を見上げるだけで時間切れに。

老城隍廟の神様 やっと浦東のビルが見えるようになった

3日前に、リニアモーターカーに乗りたいといってお引き取りいただいたガイドとともに空港へ。関空乗り継ぎで羽田へ帰ります。

 


旅のヒント

2008年のリーマンショックからいち早く立ち直り、高度成長を続ける中国。その中国経済の先頭に立って牽引する上海。2010年に開催された万博に向けて次々と開通した上海の地下鉄は、今やロンドンを抜いて世界一の路線網に。地下鉄2号線は、東西に延伸され、浦東国際空港と虹橋空港に直結する路線になりました。

また、高速鉄道路線が次々と開通し、レールと車輪では世界最速の350km/h、浮上式では430km/hの営業運転を行う中国の鉄道は、どこ国の技術かは別にして、世界一の鉄道王国といえるでしょう。

上海万博閉幕直前に、上海虹橋−杭州間の高速鉄道が開通し、杭州東から寧波に向けて延伸工事が進行中です。2008年の春に上海と杭州を訪れてから、2年半後にここに旅行記をまとめても、今ではすっかり様変わりして、“あの頃はこんな列車が走っていたんだね”とご覧いただければと思います。

2008年当時は、リニアモーターカーも龍陽路から上海南駅を経由して虹橋空港に至る路線と、杭州を目指す路線が計画されていいるとの情報がありましたが、その後の地下鉄の虹橋空港への延伸と、杭州への高速鉄道の開通開通しており、具体的な動きは止まっているようです。

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お役に立つリンク集

これからお出かけになる方や鉄道ファンの方に役立ちそうなリンクをそろえました