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ミュンヘン旧市街

カールス門から旧市街の中を東に延びる石畳のノイハウザー通りは、歩行者天国になっていて、夜もそれなりの人通りはあります。まっすぐ進むと、通りの隙間からフラウエン教会の葱坊主を頭に乗せた双塔が見えます。残念ながら、奥の塔は工事のためかカバーで覆われています。

ミュンヘン旧市街のノイハウザー通り

その先が、旧市街の中心マリエン広場。その中心には、バイエルン州の守護女神、聖母マリアの像が立ち、北にはゴシック様式の新市庁舎がライトアップされています。新といっても建設は19世紀の後半。広場の東には15世紀の旧市庁舎がありますが、これは第二次世界大戦後の再建だとか。

     
フラウエン教会       ミュンヘン市庁舎
     
マリエン広場の聖母子像       旧市庁舎

旧市庁舎の脇の道を入っていくと、世界で一番有名なビヤホール、ホーフブロイハウスがあります。中をのぞいてみると満席で、皆さん容量1リットルのジョッキを傾けています。ここは15年ぶりですが、一人では割り込みづらく、また次の機会にということに。

ホーフブロイハウス Iビアホールの内部

 


トラムでマックスウエーバー広場へ

ホーフブロイハウスから北に抜けた電車通りに、バイエルン州立歌劇場があります。帰りは、ここからトラムに乗ってバスに乗り継ぐマックス・ウエーバー広場に向かいます。

4車体の低床連接車がいます。一般に、1両おきに台車のあるタイプでは車体は3、5、7のように奇数になるのですが、この車両は各車体の下に台車を持っているようです。

バイエルン州立歌劇場 4車体の連接車

下車したトラムのマックスウエーバー広場の停留所が地下鉄の入り口と離れているようで辺りは暗く、乗り換えのバス停の場所がわかりません。通りかかった女性にUバーンは何処?と訪ねたら、私も行くから付いていらっしゃい。見覚えのあるところまで来て、ホテルに戻るバス停の場所がわかったので、“ダンケ”と礼を言ってそっちに向かおうとしたら、“Uバーンはこっちよ!”と声をかけてくれます。

親切を無にしてはいけないのと、本当はUバーンではなくバスに乗ることをうまく説明できなかったので、とりあえず彼女について一旦地下鉄の乗り場まで階段を下りることに。そうしたら、 駅の構内に古いトラムの車両(あるいは鉄道馬車かもしれません)が飾ってあるのを見つけました。ラッキー。

低床トラムの車内と券売機 地下鉄駅構内にあった古典車両

バスに乗るとき、デジカメで撮った停留所名を液晶画面に表示し、運転士に示して着いたら教えてもらうようにお願いし、一番前の席に座ります。ところが、途中の営業所で運転士が交代し、この件の引き継ぎが行われた形跡は無し。 うーん、ドイツ人もいい加減だ。

 


ミュンヘン市内観光

翌朝は、パックツアーでスロベニアに向かう前に簡単なミュンヘン市内観光です。市の北部にあるオリンピック公園は、東京の8年後、1972年に行われたミュンヘンオリンピックの跡地。スポーツ施設やイベント会場となっていて、ドイツで一番高い290mのオリンピック塔が建っています。

     
オリンピック公園の施設とタワー

市の北西にあるニンフェンブルク城は、王家の離宮として17世紀から200年をかけて造営されました。広い庭園と妖精の城と呼ばれる優雅な建物ですが、今は冬枯れ。噴水も止まっています。豪華な内装や著名な絵画も展示されているそうですが、外から眺めるだけで、はい次に移動です。

ニンフェンブルク城と水の出ない噴水

市内へ戻り、昨晩トラムに乗った旧市街の州立歌劇場前のマックス・ヨーゼフ広場でバスを降ります。広場の真ん中にある像は、初代バイエルン王のマックス・ヨーゼフ。広場を囲んで、隣には王家の宮殿レジデンツが建っています。

工事の足場の外側に写真をプリントしたカバーをかけていますが、この光景はヨーロッパで修復中の歴史ある建物でよく見られます。レジデンツの中は博物館になっているそうですが、ここも外から見るだけ。

王家の宮殿レジデンツ バイエルン州立歌劇場

電車通りを横断して、旧市街の中心ノイハウザー通りに向かいます。王家の墓所のあるミヒャエル教会も、足場を組んで工事中。通りに面した正面は写真です。でも、教会の中はこんなに豪華な内装。

     
旧市街を行くトラム       ミヒャエル教会
     

ミヒャエル教会の内部

     

フラウエン教会

フラウエン教会にも王家の墓所がありますが、こちらは見学する余裕が無く、マリエン広場の市庁舎の前でからくり時計、グロッケンシュピールの始まる11時を待ちます。バイエルン大公の結婚式を祝うもので、等身大の人形が10分間にわたって踊る、ドイツ最大のからくり時計です。

     
新市庁舎       からくり時計
     
聖母マリア像       旧市庁舎

ここでドイツとはお別れ、パックツアーは、バスでオーストリアを抜けてスロベニアに向かいます。

 


旅のヒント

価格につられて、相方と2人で久しぶりにパックツアーを利用しました。ミュンヘンからスタートして、スロベニア、クロアチア、ボスニアヘルツェゴビナを回り、オーストリアのザルツブルグを経てミュンヘンに戻る10日間コースです。ANAのミュンヘン便ですから、現地で正味8日間と、ヨーロッパのパックツアーとしては余裕のある方だと思いますが、それでもバスでの移動距離は極めて長く、盛りだくさんの日程を次から次へとこなす忙しい旅でした。

ミュンヘンから先は全てバス移動で、鉄道には縁のない旅ですが、スロベニアやクロアチアは鉄道が不便で、しかもクロアチア最大の観光地ドブロブニクには鉄道が通じていないため、個人旅行でも路線バスを使うことになります。乗り換えの待ち時間や、毎日の食事のレストランを探してウロウロする、無駄な時間が無いのはパックツアーの楽なところです。

長距離移動を伴うパックツアーでは、途中で離団して私だけ鉄道移動にしたことも何度かあります。今回も、ミュンヘンからスロベニアのブレッド湖まで、半日かけてのバス移動の区間に、同じ時間帯にミュンヘン発ザグレブ行きのECがあり、この列車がブレッド駅にも停車し、ここから湖畔まで路線バスがあることがわかりました。

しかし、積雪の時期であることと、このパックツアーがスロベニアの首都のリュブリアーナにも、クロアチアの首都のザグレブにも立ち寄らないことから、いずれ自分の足で再訪するときに、またミュンヘン便を使うことも考え、列車の旅はこの時まで残しておくことにしました。

ドイツ語圏では英語がよく通じますが、意外なことにクロアチアでも、半日のフリータイムに自分の足と路線バスで行動したドブロブニクでは、街中でごく普通に英語が通じます。個人でも旅行しやすい国です。

 


お役に立つリンク集

これからお出かけになる方や鉄道ファンの方に役立ちそうなリンクをそろえました