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旅の車窓から

ドイツ ミュンヘン

スロベニア、クロアチアへの往復時に立ち寄ったドイツバイエルン州の州都ミュンヘン。路線バスとトラム、地下鉄Uバーンで市内巡りにご案内します。

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ミュンヘン

スロベニアとクロアチアの前に立ち寄ったドイツ

2012年の2月に、パックツアーでスロベニアとクロアチアに行きました。主な観光地に鉄道が通じていないか、あったとしても不便な両国はパックツアーでの訪問が楽です。しかもシーズンオフとはいえ、H交通社は個人旅行では考えられない価格設定で出してきました。しかし、安いのには訳があります。ANAのミュンヘン便の売れ残った航空券を底値で仕入れているため、往路も復路も飛行機はドイツ南部のミュンヘンまで。ドイツからオーストリアを抜けスロベニアまでは、バスで延々と走ります。

パンフレットには“乗り継ぎなし”と大きく書いています。嘘ではありませんが、通常なら乗り継ぎ便を使うところをバスによる長時間移動にして低価格化をはかったのが本音でしょう。ホテルの立地に目をつぶれば、コストパフォーマンスは抜群です。そんなわけで、前年の5月のフランクフルト以来9ヶ月ぶりのドイツです。

※ 2ページの末尾にそれぞれリンク先を設けました。詳しく知りたい方はご利用ください。

 


バスと地下鉄を乗り継いで都心へ

ミュンヘンは、ドイツ南部に広がるバイエルン州の州都。ベルリン、ハンブルグに次ぐドイツ第3の都市。フランクフルトより大きいんですね。成田からの直行便は、夕刻にはミュンヘン国際空港に到着します。パックツアーですから、団体バスでそのままホテルへ。ホテルの場所は、事前にネットで調べてありましたが、安いパックツアーに都心の便利なホテルは期待できません。今回も、ミュンヘン市街地から東に離れた郊外で、すぐそばを空港から都心方面を結ぶドイツ鉄道の近郊電車Sバーンが走っているものの、駅まで歩くと20分以上かかりそうな立地です。

ANA便では、到着前の午後のおやつの時間に軽い食事が出ただけで、夜はお腹が空きそう。ネットで調べると、ホテルの近くにバス停があり、バスと地下鉄又はトラムを乗り継げば、旧市街や中央駅へ出られることがわかり、バスの時刻表もダウンロードできます。便利な世の中になったものです。

ホテル最寄りのバス停 190系統の連結バス

せっかくのミュンヘンだからビヤホールに行こうと、相方と話していたのですが、疲れたのでホテルで休むと言われ、夜の街に一人で出かけることに。帰りに降りるバス停を間違えないよう、バス停の名前をデジカメで撮ってから190系統のバスに乗車です。切符は車内の券売機で購入します。コインを入れようとしたら投入口が閉じていて入らず、近くの乗客に使い方を教えてもらいます。先に購入する切符の種類を押しボタンで選ぶと金額が表示され、コインが投入できるようになります。いつも迷うのですがこれが世界標準、先にお金を入れる券売機は日本 だけです(台湾も国鉄だけは先にコイン投入ですね)。

終点のマックス・ウエーバー広場で地下鉄Uバーンに乗り換えます。改札はなく、ホームの入り口には切符の刻印機が並んでいます。先ほどバスで買った切符は、Sバーンや地下鉄、トラムと共通の1ゾーン内有効の1回券で、3時間の間はこれらの交通機関に乗り降り自由。バスの中で使用開始時刻を刻印しているので、地下鉄は素通りでOKです。でも往復乗車はできないルールだそうで、3時間以内でも帰りの切符はもう一度買わねばなりません。9ヶ月前のフランクフルトは刻印なしで、同じドイツでも都市によりシステムが異なるようです。

改札のない地下鉄駅 ボックスシートの地下鉄の車内

やってきたU4系統の地下鉄は、正面3枚窓の旧型車A型。車内はボックスシートで、1964年の開通から72年のミュンヘンオリンピックの輸送にあたった車両ですが、まだまだ現役。2種類の塗色があるようです。旧市街の中心にあるカールス広場駅を通り過ぎ、次のHauftBahnhof 中央駅まで行きます。

ミュンヘン地下鉄A型車

ここは、ドイツ鉄道のミュンヘン中央駅と接続する交通の要。U1〜U8系統まである地下鉄のうち6系統がやってきます。といっても、日本の地下鉄と違って同じ線路を走っても行き先が異なると系統番号を変えるトラムと同じ方式のため、ここに集まる実際の線路は複線が3本だけ。U2系統の電車は、正面1枚窓のB型車。丸いU5系統は、21世紀になってから投入された新型のC型車です。

ミュンヘン地下鉄B型車 ミュンヘン地下鉄C型車

 


ミュンヘン中央駅の列車

地上に出ると、そこはドイツ鉄道でも有数の規模を誇るミュンヘン中央駅。ヨーロッパのターミナル駅に多い頭端式のホームに、新旧ICEや新しい低床式の快速列車REの連接車から電気機関車に牽引される客車列車まで、入れ替わり立ち替わり列車が入線して来ます。隣国、オーストラリア国鉄の電気機関車もいます。フランクフルト中央駅などと同様に、地下にはSバーンのホームがあり、こちらは列車が通り抜けていく構造になっています。

ミュンヘン中央駅正面 ICE1
ICE3 快速列車REの低床連接車
ドイツ鉄道とオーストリア鉄道の電気機関車 アレックス鉄道の列車

赤いドイツ鉄道DBに対して、青い列車はミュンヘン周辺の快速列車等を運行するアレックス鉄道の車両です。ローカル線の経営をDB本体から分離しているのでしょうか。

ミュンヘン中央駅も、駅ナカはいろんなお店で賑わっています。日本と違って改札がないので、列車に乗らなくても利用できます。お腹が空いたので、しばらく食べることのないであろう、アジアンフードの店に入ることに。写真付きのメニューがあり、指さしで注文ができます。ビールは、後でホーフブロイハウスに立ち寄るつもりだったのですが…。

ミュンヘン中央駅の駅ナカ
アジアンフードのお店で野菜たっぷりの晩ご飯

 


駅前のトラムとカールス門

駅前にはトラムが次々と発着しています。ミュンヘンは15年ぶりですが、車両は全て低床車に入れ替わったようです。前回も見かけた熊本市電と同じ顔つきの3車体連接車に加えて、新しい5車体連接車も活躍しています。

新型5車体連接車 熊本顔の3車体連接車
片運転台だが後部も正面と同じ顔つき 旧市街の入り口カールス門

駅前からトラムの線路に沿って東に向かうと、カールス広場に出ます。ここはトラムのターミナルになっていて、各方面から来た電車が集まり、分かれていきます。広場の東に立つカールス門をくぐると、そこはミュンヘン旧市街。