HOME  1/7page  2/7page  3/7page  4/7page  5/7page  6/7page  7/7page


ローマ橋とユダヤ人街

メスキータのそばを流れるグアダルキビル川に、ローマ時代からの橋であることからローマ橋と名付けられた石の橋が架かっています。もっとも、何度も改築されて現在に至っているようですが。橋の向こう側にはカラオーラの塔が建っていますが、炎天下は余りの暑さで、向こう岸まで橋を渡る気力がなくなりました。

     
ローマ橋とカラオーラの塔       白い壁に花が飾られたユダヤ人街

メスキータのそばに迷路のような路地が入り組んだ地域があります。かつてユダヤ人街だったという花の小径を歩きます。花が飾られた白壁の家々、ときおり土産物屋やレストランがあります。向こうに見えるのはアルミナールの塔で、ここは撮影スポット。
 

グアダルキビル川に沿った道を、セビリアに向かうバスの車窓から見た街中のデジタル温度計が、44℃を表示しています。

 


セビリア

グアダルキビル川に面したセビリアの街は、人口70万人を超えるスペイン第4の都市。コロンブスの新大陸発見から500年を記念した、1992年のセビリア万博に合わせて開通したスペインの新幹線、AVEで首都マドリードから2時間半です。それ以前の8世紀から、500年にわたってイスラム文化繁栄の中心都市として栄えました。セビリアのランドマーク、ヒラルダの塔や、黄金の塔は、現在も残るイスラム時代の建造物です。

     
セビリアのカテドラル(大聖堂)とヒラルダの塔 右にはアルカサル       グアダルキビル川に面して建つ黄金の塔

レコンキスタで、キリスト教勢力がイベリア半島を奪還した13世紀以降、新大陸を発見したコロンブスがセビリアからグアダルキビル川を下って航海に出たことに始まり、アメリカ大陸との植民地貿易でスペイン最大の商業都市として栄えた歴史ある街です。

大地震で倒壊したモスクの跡地に巨大なカテドラル(大聖堂)が建設されました。この中にはコロンブスの墓があるそうですが、入場が閉館1時間前の午後4時で締め切られ、残念ながらタッチの差で間に合いませんでした。カテドラルの隣にそびえるヒラルダの塔は、もとはモスクのミナレット(尖塔)だったものの上に、鐘楼を追加したものです。

     
アメリカ博会場となったスペイン広場       本場のフラメンコを楽しむ

カテドラルの隣にあるアルカサル(王宮)は、イスラム時代の城をレコンキスタ後にキリスト教徒の王が改築したものです。その周囲には、かつてユダヤ人が住んだ、迷路のように入り組んだ細い道に中庭のある白壁の家が続くサンタクルス街があります。

スペイン広場は、1929年のスペイン・アメリカ博覧会の会場として整備されたそうです。またセビリアは、スペインの民族舞踊、フラメンコの本場でもあります。

 


ミハスとロンダ

4日目は、バスでロンダ、ミハスを経由してグラナダに向かいます。

ロンダは渓谷の上に白い街並みが広がっています。深い渓谷によって隔てられた旧市街と新市街を、18世紀に完成した石造りのヌエボ橋がつないでいます。

ロンダの新市街と旧市街を隔てる谷にかかる新橋(ヌエボ橋) ミハスから地中海とコスタ・デル・ソルの眺め

ミハスは山の中腹にある、レストランや土産物屋が並ぶ小さな街。強い陽の光を反射するためか、家々はみんな白く塗られています。展望台から、青い地中海とコスタ・デル・ソル(太陽海岸)が望めます。

 


グラナダのアルハンブラ宮殿

グラナダに向かう車窓にヒマワリ畑が広がります。すでにヒマワリの季節から1ヶ月以上過ぎているため、残っている場所はわずかですが、最盛期には地平線までヒマワリが広がり、見事な眺めだそうです。

 
車窓のひまわり畑 アルハンブラ宮殿の外観 

グラナダ王国は、コルドバやセビリアが陥落したあと、キリスト教徒に追われたイスラム教徒によるイベリア半島支配の最後の拠点でした。丘の上に建つアルハンブラ宮殿には、15世紀末のレコンキスタの完了により十字架が掲げられ、王はモロッコにへとおちていったそうです。それから500年余りが経過した後も、アルハンブラ宮殿はイスラム様式を今に伝えています。

     
アラネーヤスの中庭とコマレスの塔       天国をイメージしたライオンの中庭

ここにご紹介できるのはごく一部ですが、宮殿の中心にあるコマレス宮の前にはアラネーヤスの中庭が広がり、青い水にコマレスの塔とイスラム様式の回廊が浮かび上がります。

12頭のライオンの像が噴水の水盤を支えるライオンの中庭は、宮殿の中で最も重要な王族のプライベート空間だったとか。

     
夏の離宮内のアセキアの中庭       夏の離宮から見たアルバイシン地区

一旦宮殿の外に出て、隣の太陽の丘にある夏の離宮ヘネラリーフェへ向かいます。ここは、王の休憩場所だったそうです。その中にあるアセキアの中庭は、スペインのイスラム庭園の代表作です。はるか、シエラネバダ山脈から引いてきた雪解け水の噴水のしぶきが涼しげです。

アルハンブラ宮殿に隣接するアルバイシンは、イスラム時代から続くグラナダ最古の街並みが保存されている地区です。