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スペイン国鉄アトーチャ駅

スペイン国鉄のマドリードの主要駅は、パリやリスボンからの国際列車が到着するチャマルティン駅と、新幹線AVEをはじめとするアンダルシア方面や、バレンシア、バルセロナ方面の列車の発着するアトーチャ駅です。両駅は地下鉄に接続するとともに、地下の国鉄線で直接結ばれています。

アトーチャ駅から中世のたたずまいを今に伝える古都、トレドまでは近郊電車セルカニアスで1時間余り。トレド往復に加え、翌日のコルドバまでのAVEと3日後のバレンシア−バルセロナ間のユーロメッドの切符を買いに。何と、ここはヨーロッパの首都の中央駅なのに窓口のおばさんには全く英語が全く通じません。

アトーチャ駅のドームの中は植物園のよう フランスのTGVをベースにしたスペインの新幹線AVE

アトーチャ駅は、AVEなど長距離列車の駅と近郊電車セルカニアスの駅に分かれています。おそらく以前には長距離列車が発車していたと思われる天井の高いドームの中は、植物園のようになっています。

スペイン国鉄は、在来線の線路幅が1668mmの広軌ですが、将来のフランスとの直通をにらんででしょうか、AVEの走る新幹線は1435mmの標準軌で建設されています。

電気機関車に牽かれてタルゴが到着 イタリア製の振り子式 バレンシア行きのalaris

標準軌の長距離列車のホームでは、フランス製TGVをベースにした新幹線AVEが停車し、在来線のホームではカーブを高速で走るため振り子式のイタリア製ペンドリーノの広軌版、アラリスが発車を待っています。

在来線と新幹線の線路幅の異なる路線を直通するため、軌間を変換する車輪を装備したスペイン製の客車タルゴが新幹線のレール上を標準軌の電気機関車に牽かれてアトーチャ駅に到着します。

 


近郊電車セルカニアスで古都トレドへ

近郊電車のホームでは、丸い矢印のマークを付けた、白をベースに赤と窓まわりを黒に塗り分けた3扉の電車が頻繁に出入りしています。ヨーロッパの普通列車には冷房のないものが多いのですが、さすがに灼熱のスペインでは固定窓に冷房完備です。

マドリードの近郊電車セルカニアス トレド行きの近郊電車の転換クロスシートの車内

世界遺産の街トレドへはチャマルティン駅始発の快速が1時間間隔で運転されています。地下のトンネルを抜けてアトーチャ駅に入線してきます。 一般車の3扉に対して、こちらは2扉車で車内はヨーロッパでは珍しい転換クロスシート。この電車、意外と日本製なのかもしれません。

大型ディーゼル機関車と国電 車窓に見るスペイン国鉄の貨物列車

アトーチャ駅を発車すると快速運転で、小さな駅は通過していきます。 アランフェスで本線から分かれ、トレドに向かう単線の支線に入ると各駅に停車。線路の規格が低いのでしょう、いきなり揺れが大きくなります。本線を行く貨物列車が車窓を横切ります。

※ 2005年に、マドリード−トレド間に新幹線AVEが開通して所要時間35分になりましたが、アランフェス−トレド間のローカル線は廃止になったようです

 


古都トレド

駅前にタクシーがいません。終点のトレド駅から丘の上の街に行くには、20分余り歩くかバスに乗り換えです。バスを待つ間、直射日光を受ける停留所の暑いこと。大半の観光客はツアーのバスかマドリードからの直通バスを利用し、ここまで電車で来る人は多くはなく、特にアジア人は他に一人もいません。

トレド駅に到着したマドリードからの国電 駅からトレドに向かうバスの車窓にアルカサル

冷房の効いたバスに乗ってほっと一息。車窓に街の頂きにそびえる要塞アルカサルが見えてきます。バスは城壁に開けられた門の一つ、ピサグラ新門をくぐってトレドの中心、アルカサル近くのコソドベール広場に着きます。 中世そのもののトレドの街中は狭い路地が入り組んでいて、他にバスが走れる道はありません。

川と城壁に囲まれたトレドの入り口ピサグラ新門 タホ川の流れとトレドの全景 中央にアルカサル 左にカテドラル

コソドベール広場から出発するトラムツアーを見つけ、乗ってみることにしました。道路を走る遊園地の豆列車のような乗り物です。一旦トレドの城壁の外に出て街の東側でタホ川に架かるアルカンタラ橋を渡り、川越しにトレドの全景が見渡せる道路を半周します。再び西側のサン・マルティン橋でトレドの街中に入り、狭くて曲がりくねった路地をくぐり抜けてコソドベール広場に戻る40分ほどのコースで見応えがありお薦めです。

トレドのカテドラル(大聖堂) 極彩色の主礼拝堂中央祭壇

トレドの象徴、カテドラル(大聖堂)はスペインカトリックの大本山。13世紀の着工から160年かけて15世紀末に完成したとか。