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カジミエーシュ地区

クラクフ旧市街の外部、南東の方角にカジミエーシュ地区があります。第二次世界大戦前のポーランドは、ヨーロッパ最大のユダヤ人社会があり、クラクフには6万人が暮らしていたそうです。

1939年にナチスドイツがクラクフに侵攻し、41年にはこのカジミエーシュ地区に、ユダヤ人を壁で隔離した1ヶ所に集めるゲットー(居住区)が作られます。クラクフのユダヤ人はゲットーや他の収容所に送られます。

ユダヤ教会シナゴーグ ダビデの星の付いた碑

ドイツ人実業家のオスカー・シンドラーがユダヤ人が所有していた工場の払い下げを受け、ゲットーのユダヤ人を 使って操業します。44年になると、戦況が不利に展開するドイツ軍は、ユダヤ人をアウシュヴィッツ等の死のキャンプに送り込みはじめます。シンドラーはチェコに工場を移すという理由で、ユダヤ人労働者を要求して死のキャンプ行きから救い、リストアップされたのが1200人。

映画、シンドラーのリストの舞台になったのが、ここカジミエーシュ地区のゲットーです。いくつものユダヤ教会シナゴーグが残り、一部はユダヤ博物館となっています。また、ダビデの星の付いた碑 やユダヤ人墓地に、わずか60年あまり前の近代史をかいま見ることができます。

ユダヤ人墓地 温めて飲む蜂蜜のお酒

クラクフ旧市街のレストランで珍しいお酒に出会いました。ここは、ブドウが採れずワインができないからでしょうか、蜂蜜の酒です。日本酒のように温めて飲むため、ミニコンロのような火のついた容器の上に乗ってきます。

 


アウシュビッツ・ビルケナウ

クラクフから西へ、列車やバスで1時間半あまりのところに小さな町、オシフィエンチムがあります。ポーランド国立オシフィエンチム博物館は、ドイツ語のアウシュビッツという名前で一般に知られています。

アウシュビッツ博物館入口の管理棟 ゲートの“働けば自由になる”の文字

第二次世界大戦中にポーランドを占領していたナチスドイツ軍は、ヨーロッパ各地からユダヤ人をはじめとする他民族絶滅計画のもと、多くの人々をアウシュビッツ強制収容所に送り込みました。ここで殺害された人々は、110万人とも150万人ともいわれていますが、正確な数字は今もわかりません。

収容所は、ポーランド国立オシフィエンチム博物館として、煉瓦造りの収容棟の一部は展示室となり、ガス室が復元されています。

囚人棟の周囲の鉄条網に380Vの高圧電流が流されていた ビルケナウ収容所の入口 死の門からのびる引き込み線

アウシュビッツ強制収容所の収容力が不足すると、2kmほど離れたより広大な敷地に、さらに大規模なビルケナウ収容所をつくります。ヨーロッパ各地から収容者を運んできた、鉄道の引き込み線がそのまま残っています。

ビルケナウでは、木造バラックの収容棟の一部が復元されていますが、ソ連軍に追われたナチスドイツ軍が撤退時に証拠隠滅をはかって爆破したガス室は、60数年前の瓦礫のままとなっています。

粗末な木造の囚人棟 撤退時にナチスドイツ軍が破壊したガス室

詳しくは、ポーランド アウシュビッツへ続く鉄道 をご覧ください。

 


ヴィエリチカ岩塩採掘場

クラクフから東へ、列車やバスで20〜30分のところに小さな町、ヴィエリチカがあります。この町の地下には岩塩の鉱脈があり、13世紀半ばから20世紀の半ばまで、700年にわたって塩の採掘が行われてきました。

ヴィエリチカ岩塩採掘場 鉱山用エレベータで地下に下りる

今では、複雑に入り組んだ地下の坑道や採掘現場跡の一部が、観光客に公開されています。言語別のガイドの案内で、見学します。地底に降りていくエレベーターは、現役時代に坑夫を運んでいたもので、小さなカゴが上下に4つつながった4階建ての構造になっています。

言語別のガイドツアーで内部を見学 昔の採掘の様子の展示

エレベーターを途中階で降り、坑道を進んでいきます。途中には、人形を使って昔の採掘の様子が展示されていたり、岩塩でつくった王の彫像やコペルニクスの像などが並んでいます。

岩塩でできた王の彫像 坑内には祭壇もある

黒く見える周囲の壁を舐めてみるとしょっぱい! 本物の塩です。塩の滴りから鍾乳石もどきができているところもあります。

階段を下りていくと、採掘跡の広大な空間を利用した礼拝堂に出ます。床も壁も天井も全て岩塩、天井から下がったシャンデリアは、透明な塩の結晶でできているとか。

     
天井からシャンデリアがさがる礼拝堂       シャンデリアも塩の結晶でできている

礼拝堂の壁には、レオナルドダビンチの最後の晩餐をはじめとする、名画のレリーフも刻まれています。さらに降りていくと地底湖があり、音と光を使ったパフォーマンスも行われ、観光客を飽きさせない工夫がうかがわれます。

岩塩の壁に掘ったイエスキリスト最後の晩餐のレリーフ 地底湖でパフォーマンスが行われる

コースの最後には採掘や製塩の博物館のようなところや、地下の土産物売り場もあります。ここで調理用の岩塩を買い求めましたが、地上の土産物屋より、多少割高でした。

再びエレベーターに乗り、一気に地上に戻ります。

 


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