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201路の市電と101路のトロリーバス

大連駅前広場の西端から西へ、国鉄の沙河口駅前に向かう201路には、流線型の2000型と四角い箱の7000型が入っています。2000型は、かつては大連、長春、哈爾浜にあり、鞍山に今でも現存する正面5枚窓の流線型の旧型車の車体更新車ではないかと思います。8000型と同様にコントローラはワンハンドル化され、電気ブレーキを常用していますが、旧型台車に釣かけモータです。車内も8000型と同様プラスチックのロングシートで、つり革もなくつかみ棒だけの簡素なものです。7000型は、長春の300型や鞍山の写真と同じタイプで、長春との外観上の違いはヘッドライトが1つだけ。こちらは直接制御の大きなコントローラをつけています。

2000型 車庫前のポイントは手動式 バールでこじ開ける 201路の2000型 可愛い小姐の運転手

長春と異なり、大連では運転手も車掌も全部女性。写真のような可愛い小姐の運転手さんもいます。皆さん大切な私服を汚さないようにか、40年前には日本の事務屋もしていたような腕カバーをつけています。

四角い箱の7000型 101路の無軌電車(トロリーバス)

中国ではどこへ行っても見かける2両連結の無軌電車(トロリーバスのことです、市電は有軌電車)。でも、ここ大連では大連駅からの101路だけ。そういえば、坂道が多いからでしょうか、大連では自転車の大群も見かけません。ロシア風の建物や日本の遺構も残る大連は、あまり中国を感じさせない街です。

 


大連の街

朝の市電めぐりの一仕事を終えたら、雨が降り出してきました。私にとって、あとはオマケの大連市内観光です。

まずは市の南西にある星海公園へ。日本の占領時代には星ヶ浦と呼ばれていたそうです。旧南満州鉄道の沿線の内陸から大連を訪れる中国人の観光客には、ここで生まれて初めて海を見る人も多いとか。

砂浜の広がる星海公園 虎の石像のある老虎灘

続いて、南の海外沿いに老虎灘(ランフータン)を訪れました。三方を山に囲まれた岩場の多い入江で、風光明媚な所です。若者が人魚を襲った虎を退治したという伝説に基づくのでしょう、大きな虎の石像があります。

近くの住宅地には八百屋や魚屋が並び、買い物客でにぎわっています。パン屋さんで1つ0.5元(7円)のアンデニッシュのようなパンを買ってみましたが、ちょっと油っぽくて……。

老虎灘近くの住宅地の魚屋さん(氷は使っていない) 中山広場の大連賓館 旧大和ホテル(右)と旧市役所(左)

市の中心部に戻り、コンテナの荷さばきでにぎわう大連港を見てから、旧市役所、旧南満州鉄道直営の大和ホテルをはじめとする、日本時代の建築物が建ち並ぶ街中をドライブし、昼食を済ませた後、空港に向かいました。

2001年5月旅
2001年12月記
2004年2月改

 


旅のヒント

中国東北地方の列車と市電の旅、最後までお付き合いいただきありがとうございます。これだけ列車や市電に乗りに行ったのだから、個人の自由旅行だと思われるでしょうが、実は近畿日本ツーリストクラブツーリズムのパッケージツアーです。それも、日本から添乗員同行の全行程食事付きで自由行動無しです。

5月のはじめは日本のゴールデンウイークに中国のゴールデンウイークが重なり、このような時期に個人の自由旅行では、列車の座席を確保するのは至難の業と思われ、限られた日程ではパッケージツアーに頼らざるを得ません。

最近は中国でも高速道路が発達してきていますが、他の国と異なりパッケージツアーでもまだまだ中距離の移動には列車を使用するのが一般的なようで、大連−哈爾浜間の往復を、列車種別も夜行列車を含む特快、快速、普快、車内設備も軟臥、軟座、それに外国人はあまり乗れない硬座まで、バラエティーに富んだ旅を楽しむことができました。団体行動ですから、ホームに入る時間も制約され、ちょっと列車の写真を撮りになどという迷惑をかけられないのはやむを得ません。

ツアーには、もちろん市電の乗車などは含まれていません。長春では2時間ほど早起きをして、6時頃ホテルを出て市電に乗りに行き、大連ではホテルチェックイン後の夜間10時過ぎと翌朝6時頃からに分けて3系統の市電の乗車を楽しんできました。

全行程がセットされたパッケージツアーでも、努力次第で観光をキャンセルしなくとも自由行動を楽しむことが可能です。市場や商店街巡りも大好きなのですが、各都市で土産物屋に立ち寄り、買い物のためにかなりの時間を割くスケジュールになっていますので、この間を利用して地元の人々でにぎわうお店巡りを楽しむことができました。瀋陽や大連では夜間にも出歩きましたが、治安面での心配が少ないのも中国のよいところです。

実は、帰りの大連空港が霧のため、朝から1便も着陸できないというトラブルに見舞われました。私たちの乗るJALは何回かトライを繰り返した後、何とか強行着陸してくれましたので日本に帰ることができましたが、ANAは目的地を北京に変更して行ってしまったそうです。飛行機の欠航のようなトラブルに巻き込まれたとき、手配旅行では個人的に解決しなければなりませんが、旅行会社の主催旅行なら添乗員に任せれば良いわけですから、慌てなくて済むのも大きなメリットです。

中国国鉄も近代化され、最近では160km/hで走行可能な高速列車も増えています。日本ではもう乗車することのできない、機関車の牽引する長大編成の客車列車が縦横に走り、長距離列車には食堂車も連結されており、鉄道王国の魅力あふれる列車がいっぱいです。

最後に、発展のめざましい中国ですが、2001年5月の東北地方では、クレジットカードの使い勝手は今ひとつです。私は、現地の通貨は、クレジットカードのキャッシングで調達するようにしていますが、中国の街中でATMをほとんど見かけません。また、旅行会社が連れて行く土産物屋では問題ありませんが、瀋陽の中心にあるの新世界百貨店の地下の超市(スーパーマーケッ)のレジでさえVISAカードがうまく読みとれず、現金で支払うことななってしまいました。その代わり、ホテルで両替しても、レートは銀行とあまり変わりません。中国はまだカード社会には遠いようです。

 


お役に立つリンク集

これからお出かけになる方や鉄道ファンの方に役立ちそうなリンクをそろえました(中国語の表示には、ブラウザに簡体字中国語フォントを組み込む必要があります)

中国 上海・蘇州・無錫・南京 編、中国 上海編のリンク集もご覧ください