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長春市電

長春は、香港と東北地方の大連、鞍山とともに、中国で今でも路面電車の走っている4都市の一つです。

長春に一泊した翌朝はホテルの前からタクシーに乗り、市電の始発電停である工農大路まで行きました。長春のタクシーは初乗り5元(75円)と安いのですが、外国人だと思ってメーターを小細工して10元程度のところを2倍も請求するので、10元札を1枚だけ渡して降りてしまいました。運転手は何かわめいていましたが、追いかけてくるようなことはありませんでした。

市電の路線は、今では54路(54系統、おそらくバスと共通で系統番号がふられていると思います)の1系統のみ。工農大路電停は工農大路と紅旗街の交差点でデパートや吉林省人民病院のあるにぎやかなところです。電車はここから紅旗街を南西に走り、寛平大路を右折して北西に向きを変えて国鉄をオーバークロス、道なりに春城大路を北上して西安大路との交差点が終点です。車両は路面電車ですが、全線に渡って道路の端にひかれた専用軌道でホームもあり、都電荒川線のような感じです。

各停留所にある市電の路線図 角張った中国製の300型

料金は1元均一(15円)で乗車時に料金箱に入れます。途中下車をしながら、色々な型式の電車を乗り比べてみました。長春市電は2000年に1年間ほど運転を休止して、線路をはじめ設備の大幅な更新を行っており、PC枕木やセンターポールの架線柱がよく整備されています。

偽満州国時代の200型も第一線で活躍 更新された200型の運転台と女性の運転手

300型は角張った3扉車体の中国製で車掌さんは後部扉に乗車して、中央扉は自動化。200型は偽満州国時代に日本が持ち込んだ車両ですが、車内の木部は美しく更新され、300型も含め制御器は直接制御から前後ハンドルの新しいものに更新されています。後部扉は閉めきりとして中央扉に車掌さんが立っています。新車の800型は新型台車にカルダンドライブ、プラグドアでヨーロッパの観光バスのような大きく目立つバックミラーをつけています。

偽満州国時代の200型の車内 更新されてきれい 車庫にいた長春号 屋根上に台が乗っている

このほか、かつての長春市電のスター、丸い車体の長春号が車庫にいました。車体にひずみが出ており、屋根上に台を乗せていることから、新車が入ったので旅客用から引退して架線修理車としてでも使われているのでしょうか。

新車の800型にはピンクと緑がある シンプルな800型の車内

春城大路は、市西部の郊外を走っており、朝の市電の乗客は通勤客が大半でした。所得水準の高くない労働者の住宅街でしょう、まだ国民服を着ている乗客もいました。

終点の西安大路で拾ったタクシーでホテルに戻りましたが、今度はぼられることはありませんでした。

長春の市電は、こちらでも紹介しています

その後、長春には市電とは別に、長春駅から国鉄線沿いに新しくLRTの路線が開通したそうです。市電とLRTの写真は、こちらにあります