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ソ連建築の科学アカデミー

リーガ駅裏(南側)に高くそびえる科学アカデミー。いかにもソ連というスターリンクラシック様式の、よく目立つ建物の上層階には展望台があるということで、駅から歩いて向かいます。

     
リーガ駅裏 高架ホームに停車中の列車       ソ連時代の科学アカデミー

正面入り口を入ると守衛所があり、ラトビア語(多分)で呼び止められます。“タワー”と言うと、英語で入館料の書いた紙を指さします。2Lsを支払うと、今度は“展望台へは、右側のエレベータで15階まで上がって、扉の先にある階段を登る”と英語で書いた紙を指さします。

ダウガヴァ川とテレビ塔 ツェッペリンの格納庫だった丸い屋根の中央市場

科学アカデミーは、いろんな会社が入居して事務所として使われています。一般の人も出入りしていますが、展望台に登る観光客からのみ入場料を徴収している様です。展望台直行のエレベータはなく、各階行きのエレベータと共用です。

科学アカデミーの展望台から見たダウガヴァ川のトラス橋を渡る電車

エレベータを降りてからさらに2階分の階段を登って外へ出ると展望台。360度のパノラマが広がります。科学アカデミーの西側にはダウガヴァ川が流れ、川向こう、南西の方角にはモダンなテレビ塔。北西にはリーガの台所、中央市場が、ドイツの飛行船ツェッペリンの格納庫を流用したといわれる、かまぼこ型の屋根を連ねて並んでいます。

その左手、ダウガヴァ川に架かるトラス橋を渡る電車がよく見えます。

     
旧市街の聖ペテロ教会と大聖堂       ダウガヴァ川を渡るトラムとトロリーバス

中央市場の先の線路を越えると、リーガ旧市街。聖ペテロ教会やリーガ大聖堂の尖塔がそびえ、そこから左へ、ダウガヴァ川に架かる道路橋を、トラムやトロリーバスが渡っていきます。

眼下にはリーガ駅 赤と白は気動車 黄と紺は電車

展望台の北側から、眼下にリーガ駅のホームが見下ろせます。ここは、駅に出入りする列車や鉄橋を渡る列車を見渡せる、鉄道ファン向きの展望台です。

 


中央市場の賑わい

科学アカデミーから、中央市場に向かいます。かまぼこ型の建物の周辺にも、野菜や果物、生花や衣料品、雑貨等、いろんな露天が出ています。商品を山と積み上げ、大勢の買い物客で賑わい、活気に満ちています。

露天の衣料品店 量り売りの果物屋さん

何本も並んだ、かまぼこ型のドームは横につながっていて、野菜や果物、乳製品、肉、魚などの商品別に売り場が分かれています。一角には軽食や喫茶のコーナーもあり、リーズナブルな値段で提供されています。

肉屋のコーナー 乳製品のコーナー
魚屋のコーナー サンマは日本からの輸入品でしょうか

北海やバルト海の魚でしょうか、魚種は類が中心で、多くはラウンドや頭と内臓をを落としたドレスのかたちで並んでいます。冷凍ケースに入った物も多いです。そんな中、ヨーロッパにはいないサンマを見つけました。段ボール箱には○に“永”のマークが入っています。冷凍で日本から輸入しているのでしょうか。

 


トラムに乗って鉄道博物館へ

中央市場から出て、トラムの停留所を探しているときに、ガードの上を電車が通りました。ふと見ろと、丸い正面に6枚窓の、昔ロシアで見かけたソ連顔の電車です。まだまだ現役です。

丸い前面のソ連顔の電車 中央市場前のトラムの停留所

中央市場横の電停から、ダウガヴァ川を渡って西に向かうトラムに乗ります。リーガのトラムは全てチェコが製造しているタトラカー。製造時期により丸い旧型と角張った新型がありますが、いずれも片運転台でドアは左側のみ、前、中、後ろの3ヶ所に4枚折り戸が付いています。

リーガ駅が終点の系統は、中央市場の回りを一周して方向転換します。バスやトロリーバスも含め、運転手には女性も多く、皆さん私服で勤務しています。

タトラカーの側面 運転室にある切符の窓口

地球の歩き方最新版'09〜'10には、トラムやトロリーバス、バスに共通の切符をあらかじめキオスク等で買うと0.4Ls(1Lsラッツ≒200円)、乗車時に運転手から買うと0.5Ls、乗車すると車内の刻印機で時間を入れることと書いてあります。売店で買おうとしたところ、ここでの販売はICカードのみに切り替わったようで、1回券は車内で買うようにとのことです。

つかみ棒にICカードリーダーのあるトラムの車内 座席配置は両側とも1人がけと片側は2人がけになった車両がある

トラムの運転台は仕切られているのですが、ドアに小さな窓口があり、ここでお金を払うと運転手が発券してくれます。すでに時刻が印字されており、刻印は不要のようです。大半の乗客は、ICカードを車内の読み取り機にかざしています。

トラムの連結面 トラムの車窓から中央市場と科学アカデミー

トラムは片運転台のため、車両の後部には何もなく、連結面は写真のような感じです。タトラカーは、米国が1930年代に路面電車再生の切り札として開発したPCCカーのシステムの流れをくむもので、アクセルとブレーキは足踏みペダル。運転手の両手は空いているので、走行中の切符の発券も可能です。

やがてトラムは、ダウガヴァ川に架かる道路橋、アクメンス橋を渡りはじめます。車窓から、並行する鉄道橋を渡る国電と中央市場のかまぼこ屋根、その向こうにそびえる科学アカデミーが見渡せます。