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聖ペテロ教会の東隣、ブレーメンの音楽隊が見つめる先に建つのが、聖ヨハネ教会です。やはり13世紀に創立され16世紀に再建されたゴシック様式で、生きた人間を壁に塗り込めて災いから建物を守る言い伝えに従った、2人の修道士の人骨が、300年後の修理で見つかったそうです。

聖ヨハネ教会 外壁に修道士の顔 聖ヨハネ教会の内部

また、窓の上辺とほぼ同じ高さの外壁に2ヶ所に、口を開いた修道士の顔が埋め込まれています。これは、この裏側に神父が立つ小部屋があり、外部に向けて説教が行われていたのだとか。

旧市街の家 猫の家 火薬塔

旧市街には、人が外をのぞいたり屋根に乗った彫像の付いた家があります。聖ヨハネ教会から北へ、リーヴ広場に面して、左右の両方の屋根に伸びをする2匹の猫が乗っているのが猫の家。その先の円筒の煉瓦造りは、14世紀に立てられ17世紀に建て直された火薬庫で、高さ26m、壁の厚さは3mもあるのだとか。今は、隣の建物とあわせて軍事博物館になっています。

リーガ旧市街は、13世紀から18世紀まで、外敵から街を守る城壁によって囲まれていました。今では、城壁は火薬塔のそばの旧市街北東部に残っているだけになっています。火薬塔の煉瓦は、撤去した城壁のリサイクルだそうです。

旧市街の城壁 スウェーデン門

リーガに唯一、中世から残る城門が、スウェーデン門です。17世紀末に城壁を再利用して住宅が建てられたとき、住宅の下をくりぬいて門としたもので、当時向かい側の兵舎に住んでいたスウェーデン兵が利用していたことからこの名になったとか。スウェーデン兵とリーガの娘の悲恋の物語が語り継がれています。

スウェーデン門から西へ、旧市街を一周してリーガ城に戻る途中に三兄弟の家が建っています。リーガに中世からある商人の住居で、兄弟のように3棟並んでいることからその名が付けられたのでしょう。

白:長兄 黄:次兄 緑:末っ子 兄弟の家

白い長兄は15世紀に建てられたリーガに現存する最も古い民家で、当時は窓税があったため窓が小さいのだとか。黄色い建物の次兄の17世紀は窓税がなくなったため窓の大きい見栄えのする造りですが、緑の末っ子の時代になると間口の狭い窮屈な作りになっています。土地が不足していたとか、今度は間口税が課せられたためとか、いろんな説が。

旧市街の観光を終えて、バスでリーガから南へ、リトアニア国境に近いバウスカを目指します。

 


リーガの長距離バスターミナル

今では、バルト三国の首都を結ぶ列車は運行されていません。国内も、リーガ近郊の国電区間を除き、列車の運転本数は少なく、国内移動の足はバスが担っています。

リーガの長距離バスターミナル 国内外の各地に向かう長距離バス

リーガの長距離バスターミナルはリーガ駅の西隣にあり、トラムやトロリーバス、市内バスを利用して人々が集まってきます。各ホームには、国内線、国際線のバスが次々と発着しています。

 


ルンダーレ宮殿

バウスカは、リーガから南へ、バスで1時間半程度でバウスカの街に着き、そこからさらに15分ほど行った郊外に、バルトのベルサイユといわれているバロック様式のルンダーレ宮殿があります。その規模は、フランスのベルサイユ宮殿とは比較になりませんが、ウイーンのシェーンブルン宮殿のマリアテレジアイエローを思わせる配色です。

ルンダーレ宮殿の正面 黄金の間

ルンダーレ宮殿は、ロシアの女帝アンナに愛され、貧しい貴族からクールランド大公にまでのぼりつめたビロン公が、アンナのために夏の宮殿として建設したものです。ロシア・サンクトペテルブルグの冬宮(エルミタージュ)などを手がけた、イタリアのラストゥレリという建築家が、18世紀半ばに30年ほどの歳月をかけて造ったものです。

白の広間 中央奥に磁器の間 磁器の間

中に入ると、まずは公の戴冠式が行われた黄金の間。四方の壁に人造大理石と金箔、天井にはフレスコ画。その装飾に目を奪われます。舞踏会が開催された白の広間。奥には陶磁器の間があり、東洋の陶磁器の中には伊万里も。

公の寝室 バラの間
青の間 左の椅子は公婦人のトイレ
フランス庭園 宮殿の側面

ピンクのバラの間、緑のベッドの公の寝室の窓からは、宮殿の南側に広がるバロック様式のフランス庭園が見渡せます。公婦人の寝室から隠し扉で通じた秘密の部屋には、中央には椅子型のオマルが。そういえば、宮殿には風呂やトイレが無いような。

宮殿の屋根にコウノトリの巣を見つけました。

コウノトリの巣 無人のラトビア−リトアニア国境

バスは、さらに南へ。隣国リトアニアの首都ビリニュスを目指します。今では、ラトビアもリトアニアもEUの一員となり、シェンゲン協定に加盟しています。国境のゲートに係官はいません。バスはノンストップで国境を越えます。