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車窓の氷河

列車は 、ターナゲン入江に沿って奥深くに入ってきます。車窓から見る湿原の中に、多くの立ち枯れた木々が現れます。海水が侵入してきたのでしょう、北海道野付半島のトドワラの規模をずっと大きくしたような風景です。

車窓の湿原に立ち枯れた木々の風景が続く 列車の前方に氷河が見えてきた

列車の進む方向に氷河が見えてきます。ボーテージ氷河です。今では、スイスの氷河急行の車窓に氷河を望むことはできませんが、ウィッティア行きやスワード行きのアラスカ鉄道は本物の氷河急行です。

ターナゲン入江がつきると、列車はウィッティア方面とスワード方面の分岐駅、起点のスワードから64マイル地点のボーテージに到着します。駅の側線には貨車が並んでいます。

ボーテージ駅に留置された貨車 向こうの山には氷河 紅葉の絨毯が敷かれた湿原地帯をいく列車

ここで、アンカレッジからスワードに至る本線が右に分岐していき、列車はウィッティアに向かう支線に入ります。ボーテージ駅に入らずに、ウィッティア方面とスワード方面を直接結ぶ線路も敷設されていて、 これらで三角線を形成しています。

 


ウィッティアに到着

左右の車窓に氷河をいただく険しい峰が迫ると、列車はトンネルに入ります。単線のトンネルで、抜けるのに10分以上かかります。

以前はウィッティアに至る道路がなく、自動車を貨車に積載してこのトンネルを抜けていたのですが、2000年にトンネルを改修してその中を舗装し、列車と自動車道路の併用となったそうです。列車が優先、しかも時間を区切っての交互の一方通行となるため、トンネルの 両方の入り口には信号待ちの自動車用に広い駐車場が設けられています。

ウィッティアに抜けるトンネルの手前 氷河の溶けた滝が流れ落ちる ウィッティア港に停泊中の豪華客船

列車はトンネルを抜けて仮設駅のようなところに停車します。大半の乗客は下車しますが、一部の人は車内に残っています。案内放送が良く聞き取れなかったので、ドアのところにいる係員に尋ねたところ、ウィッティアは次とのこと。目の前に豪華客船が停船しており、ここで下車したのはアンカレッジから船に戻る乗客だったようです。

貨物列車が出入りするウィッティア港の桟橋 小さなコンテナ船が接岸

列車は再び発車したかと思ったら、すぐに終点のウィッティアに着きます。アンカレッジから2時間30分、ほぼ定刻です。

ウィッティアには、舶用コンテナが陸揚げされ、ここからアラスカ鉄道の貨物列車で内陸に運ばれていきます。

 


26氷河クルーズに乗船

ウィッティア港でクルーズ船に乗船します。本来ならば全員が双胴の大型船に乗船するはずだったのですが、数日前に故障したとかで、小型船2隻に分乗です。日本人のツアー客と、それ以外の一般客に分けられたようで、私たちの船には日本人はほとんど乗っておらず、案内は英語のみです。

船の周囲をカモメが舞い、海に向かって幾筋もの滝が落ちる やがて船の向こうに氷河が現れる

26氷河クルーズは、プリンスウイリアム湾の26の氷河を見ることができることから名付けられたとか。クルーズのコースは、こちらをご覧ください

ウィッティアは狭い入り江の奥まった位置にあります。13時に出航したクルーズ船は、高速で航行します。船内では、コーヒーやソフトドリンクはフリーです。また、ランチも乗船料金に含まれています。

クルーズ船の船内 コーヒーコーラはフリー クルーズ船のランチ

やがて、船がカレッジフィヨルドにはいると、山に氷河が現れます。カレッジフィヨルドにある氷河には、その名の通り大学の名前が付いており、ハーバード氷河エール氷河などが海に落ちています。

ハーバード氷河 エール氷河

季節は夏の終わりですが、船が氷河に近づくと、周囲の温度が急激に下がり、冷え込んできます。

船は氷河の前でしばし停船後、Uターンしてカレッジフィヨルドを抜け、今度はバリー入江からハリマンフィヨルドに入っていきます。