HOME   1/8page  2/8page  3/8page   4/8page  5/8page  6/8page   7/8page  8/8page


アンカレッジ発フェアバンクス行きの列車

アラスカ鉄道の起点は、太平洋に面したスワードです。アンカレッジはスワードから114.3マイル地点にあり、沿線の線路脇には起点からの距離を表すマイルポストが設置されています。

夏のアンカレッジ駅を発車する列車は1日に3本。6時45分に南の港町、スワードに向けて1番列車が出発します。続いて8時15分にフェアバンクス行きが北に向かいます。最後は10時発の、氷河クルーズに向かう観光客を乗せたウィッティア行きが南に向かいます。

ディーゼル機関車が重連で牽引するフェアバンクス行きの列車 乗客の預けたトランクを荷物車に積み込む

これらの列車の中でハイライトは、ディーゼル機関車が重連で、展望車を含む長い編成を牽く、タルキートナ、デナリ経由のフェアバンクス行きです。朝7時を過ぎると、駅には観光客が続々と集まってきます。大きな荷物は列車にチェックイン時に預けると、荷物車に積み込んで、そのままホテルまで運んでもらえます。

1両目の客車は荷物車 2両目は食堂車 3両目の客車は屋根が高い 食堂と売店のようだ

デナリまで乗車した日は、ゆっくり列車の編成を見ている余裕がなかったので、3日後にアンカレッジに戻った時に駅まで写真を撮りに出かけました。

先頭の2両のディーゼル機関車に続く先頭の客車は荷物車で、乗客の手荷物が積み込まれます。2両目は食堂車、3両目も食堂と売店のように見受けましたが、係員に制止されてこれらの車両には近づくことができません。

4両目から7両目の客車は座席車 うち2両は展望ドームつき 展望ドーム付きの車両 デッキで乗客を迎えるスタッフ

4両目から7両目はゆったりとしたリクライニングシートの座席車で、シートは全て前を向いています。窓が2連になったタイプの車両はシートピッチがやや狭くなっていますが、料金は変わらないと思われます。5両目と6両目の2両 の客車は車体の中央に展望ドームが突き出ています。

ここまでの、紺とオレンジの塗色にALASKAと書かれた車両が、アラスカ鉄道の所属です。プラットホームがないため、各車両のデッキ 下には踏み台を置いて、スタッフが乗客を出迎えます。

この日の8両目から11両目はマッキンリーエクスプローラー ツアー会社のスタッフの先導で乗客が列車に向かう

8両目から後ろは、ツアー会社が所有するダブルデッカーの車両で、会社ごとに仕様や配色が異なります。ここまでの、写真を撮りに出かけた日の編成は、マッキンリーエクスプローラープリンセスの2社の車両が4両ずつで すが、ここから下の写真に示す、実際に列車に乗車した3日前は、アラスカ鉄道の客車の次に塗色の異なるツアー会社の車両がさらに2両連結されていました。

乗車した日は最後尾14両目から17両目がプリンセスの展望車 プリンセスツアーの展望車の2階席

ツアー会社の車両は、2階が天井までガラス張りの展望席で、4人がけのボックスシートです。乗客が揃うとツアー会社のスタッフが、駅舎から乗車する車両まで案内してくれます。座席の指定はボックス部分だけですから、早く行って進行方向の席を確保せねば、ということでゆっくり写真を撮っている暇はなく、また最後尾から2両目だったので、一旦乗ってからでは片道450m程離れた先頭の機関車を撮りに行くこともできません。

展望車の1階は食堂 右の階段は降りる方の一方通行 この日はマッキンリーエクスプローラの前にも2両の展望車を連結

ツアー会社のダブルデッカーの1階は食堂車になっていて、売店もあります。ドアを開ければ外は広い展望デッキです。2階にあがる階段は車内に2個所あり、それぞれ上りと下りの一方通行。隣の車両との間の通路は1階でつながっています。

乗客は、アメリカ本土からのツアー客が多いようです。同じボックス席になったご夫婦はシカゴかた来た方で、展望車を所有するプリンセスのツアーに参加したそうです。デナリのプリンセスホテルの宿泊や国立公園内のツアーもセットになっているとか。

車窓の遙か向こうに北太平洋につながるクニック入江を望む アンカレッジを発車した列車は朝日をあびてデナリに向かう

列車はほぼ定刻に東に向かって歩み出しました。まずは、深く入り込んだクニック入江を避けるように北東に向かいます。 あっという間に街並みは途絶え、針葉樹林と白樺の森林地帯に入ります。

2階の展望席は固定窓ですから、列車の写真を撮るなら1階のデッキです。夏とはいえ、風の吹き抜ける朝のデッキは、寒さ対策が必要です。